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vs. お貴族サマ。

やっかまれてる?

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なんか、もー……。
分かっててやらかしてんじゃね? って大人ども。
そんな大人どもに、しばらく滾っていた私だったが、いろいろ諸々諦めて、サクッと迷宮・カサンドラ城址に行った。

と、いうか、来た。

……本当に、カサンドラ城址から徒歩1日のとこにある村の診療所に転移したわ……。

今までの、移動にかかってた時間は何だったんだろう……。

おやじ殿と2人、乾いた笑いが洩れていたよ。
私ら2人揃って、ちょっと虚ろな目をしてたかもしれない。
転移陣の管理人? つか、診療所の所員──この人は医者では無いな、多分──の腰が引けてた。
こう、え? 何があったし? ……てなカンジに。

そんなある意味ナゾな空気が満ちた転移陣のある部屋で、多分医者と思われる全身白衣のおっさんが、面白そーに状況を眺めていた。

……見世物じゃ、ないぞー。



で。
ソコでぐだぐだやってても意味無いし。
さっさとカサンドラ城址に向かう。

いつものよーに、半分透けてる侍女さんが、半分透けてる騎士の人と共に私ら2人をお迎えにやって来た。

他の探索者──私らの事を知ってるヤツらは。

「あ~、またか~……」

と、生温かく見送ってくれるのだが。

「おい! 何でアイツらだけ特別扱いなんだよ!」

と、叫ぶヤカラも居たりして。

……いや、迷宮に入る順番はちゃんと守ってるよ?
ただ、私らが迷宮に入るのを、半分透けてる人々が待ちわびてるだけの話さ。
そして、問答無用で迷宮核のカサンドラ姫のとこに連行されるだけ。

魔物討伐とか、採取とかが目的じゃないんだよね。
あくまでも、組合長からカサンドラ姫へのお手紙配達ってゆーお使いだから。

君らの邪魔はしないと思われる……んだけど。

まぁ普通に考えて、あり得ないっちゃ、あり得ないよね。
迷宮核からお迎えられる、なんてさ。



私らがお迎えられる際に起こる、ちょっとしたゴタゴタは……まぁ、いつもの事さ。
そう言って、私らを生温かく見送ってくれる探索者達が、滾るヤカラをナンとかしてくれてるそのスキに。
私とおやじ殿は、半分透けてる人々に誘導されて迷宮へ。

今回は、すぐに用件は済むと思われるんだ。
君らの邪魔にはならないから、即行で出てくるからあんまし滾るなよ。

迷宮に入るのには順番通りでも、中であれこれ探索するのはチーム別で自由なんだから、別に……って。

ん?

ひょっとして、お迎えられるなんて特別扱いが気に入らなくて滾ってたのか? あのヤカラども。
半分透けてる侍女の人が、美人さんだったから、私らやっかみを受けてる?

ん?
ん?
ん?

……などと、私がアタマをぐるぐるさせてる間に、私とおやじ殿は、いつものよーに迷宮核たるカサンドラ姫のおわします、迷宮最奥の玉座の間に到着。

そして。
いつものよーに、満面の笑みを浮かべたカサンドラ姫にお迎えられた。








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