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vs. 使いっぱ。

あんまし大差無い。

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自分の思うがままにならないのが許せないっつー公爵令嬢。
望み通りにする為に、使える術をすべて使って思いっ切りよくやらかした。
結果。
一組の新婚夫婦が不幸に。
新妻の胎内には、新たな命が宿っていたというのに。
じわじわと精神的に追い詰めて、自ら侯爵家を辞するように仕向けた挙げ句。
公爵令嬢の手駒が手配したならず者達の手によって、高い崖っぷちから馬車ごと突き落とされた。

とても生きているとは思えない状況。

傷心の侯爵子息は、ナンやカンやでまんまと公爵令嬢の思惑にハマり。
見事なまでの仮面夫婦となった。

ついうっかり状況に流されて、公爵令嬢を後妻に迎えた侯爵子息だったが。
自分の精神的安定の為に、家令に先妻の状態確認を命じた。
具体的には、遺体の確認を。

家令達の捜索の結果、崖から落ちてバラバラに壊れた馬車の残骸だけが発見され。
子息は──ひょっとしたら、妻は……クラウディアは、どこかで生きているやもしれない──と。
妻と、もしかしたら、子供の捜索を始めた。



そして、今に至ったワケだね。



金髪黒服の、ざっくりとした? 話は終わった。

うん、とりあえず。
お疲れさま。

いや、それにしてもさ?

……なんか、どっかに似たようなヤカラが居なかったか?
ものすごい既視感ふたたび──ってカンジ?
そう……おやじ殿にまとわりついてた女冒険者みたいな?

……お貴族サマでも、一般庶民でも、ロクでもない性根の持ち主は確実に居るんだね。
なんだろう。
残念なカンジだ。



その場に居たおやじ殿。
組合員達、おにーさまに組合長。
そして私か。
全員が、ちょっと前に起きた地味な騒ぎを思い浮かべて、ゲンナリとした顔になった。

「……お貴族サマって言っても、やらかすコトは庶民と同じなんだ……」
「違いは、ちょっと規模と関係者がハンパないくらいか?」
「まぁ、良くある話ではあるの」
「……と、言うか、さ?」

なんとなく半目になった私が呆れたように呟くと、ナガツキさんと組合長が続けて呟き。
おにーさまが、素朴な疑問を金髪黒服に投げ掛けた。

「犯罪行為に走る前に、婚姻関係の解消とかナンとか、他にやり方があったんじゃないのか? 何も亡きモノにする必要はなかったんじゃ……?」

そう問われた金髪黒服は、軽く息を吐いて、言った。

「……サルファー王国は、国教で婚姻解消──離婚は禁止されています」

ありゃ。
そりゃまた問題多発しそうだな。

その場にいた全員が、ため息をついた。







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