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vs. 使いっぱ。

冗句だってば。

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おやじ殿には、その手の冗談が通じにくい。
ご当人の気分次第ってトコかな。
……若い頃に、イロイロあったらしい。
本当に、イロイロと、モロモロと。
具体的な事は、何一つ教えてくれないけどさ。

で。
今日は、ご機嫌ナナメだったのか。
帰ってから、私はしこたま説教された。
……悪かったよ。
でもまたやるケドな。
折を見て、隙を見て。



次の日。
私は職員としてのお仕事を。
おやじ殿は、何か単発の依頼でもないか? と組合へ──。
まぁ、いつもの日常的なコトだけど。

2人して、てくてくと歩いて組合に到着。
朝早くだったからなのか、道を塞ぐような妙なヤカラは居なかった。
いつものように、組合員のおっさん、お姐さん達だけだ。

うん、なごむ。
……って、ナニユエ?



気を取り直して。

私は職員(仮)のお仕事に。
おやじ殿は──今日は、何の依頼も受ける気無さそうだね?
待ち合い室の椅子にどっかりと陣取って、なんかじっとりとしてる。
隣接された酒場兼食堂に移動するワケでもなく、茶の入ったカップ片手にムスッとしてる。
視線を流すと、そんなおっさんどもが何人も……。

仕事してよ。

おやじ殿に、「今日は自主休業?」って聞いても、「んー……」って生返事返すだけだし。
何なの?
おにーさまは、おねーさまと2人して、なんとなく生温かい視線を私に向けてくるし。
本当に、何なの?



なんとなく釈然としないモノを感じながらも、地味~な書類仕事に勤しんでいると。
外が騒がしくなった。

なんだろう。
いろんな意味で、イヤな予感がする。
今の現状、生活の危機に生命の危機。
全部含めていろいろモロモロ……。

ガヤガヤしてた、外の騒ぎがちょっとだけ静まったな? と思っていた、ら。
扉を開けて、待ち合い室にズカズカと入ってきたのは昨日の態度の悪い、黒いお仕着せのおっさんと。
それよりも見るからに──おやじ殿やおっさんより10歳くらい年上で、妙な迫力がある黒服のおっさんだった。

ちなみに。
昨日も来たおっさんは、淡い茶色の短髪に薄い水色の目の、見てくれだけはちょっと良さげな、なんとなく軽薄なおっさんで。
アレだ。
奥様方の火遊び専用、みたいな?
で、今日新たに登場したおっさんは、金髪を後ろに撫で付けた、濃い青の目をした渋い感じのおっさんだった。
似たよーな黒いお仕着せでも、茶髪のおっさんよりも手の込んだ黒い……これぞ執事服、みたいな服を一分の隙もなく着こなしている。
うっかりお嬢様方がポッ……としても、サラッと上手いコト流しそーだな。

……どっちみち、おっさんであるコトに代わりはないケドね。



しかし……今この建物内のおっさん率、尋常じゃないよね。
いつにもまして、さ。
ある意味、お好きな方にはたまらない職場ってヤツだ。

で?
ちょっとどう見ても冒険者とは一線を画した、お貴族サマ関係の黒服のおっさん2人がいったい何のご用ですかね?








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