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vs. 使いっぱ。

また知らないヤカラが。

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迷宮“カサンドラ城趾”から帰ってきて。
いつものよーに、1日休んでからおやじ殿と一緒に組合に向かった。

なんとなく、イヤな予感。

組合の前に横付けされて、思いっ切り通行のジャマになってる、どこからどう見ても、お貴族サマ御用達的な馬車が一台……。
ムダに立派で豪華な、ある意味盗賊ホイホイな馬車である。
当然のように、護衛の私兵達が馬車周辺にたむろしてる。
ソイツらが騎乗して来た馬も……。
馬車が2頭立てだから、計14頭の馬とか。
組合の厩舎じゃ、全部収納するとかムリ。
組合専属の馬車用の馬だって居るんだし。
……ってか、アンタ達。
自分達の馬の世話は、自分達でやれよ。
さもなきゃ、組合通してちゃ~んとお仕事として報酬出せよ。
うちの組合員達に、タダ働きなんかさせないからね?

そんな事を考えつつ、私兵達をナナメに見ながら組合に入る。
ものすごいジロジロ見られたけど、スルーで。
ちなみに、おやじ殿も私兵達なんか完璧無視で。
まぁ、ヤツらどう見ても練度低いしね。
やり合ったら絶対おやじ殿が勝つわ、うん。



とりあえず。
組合からの依頼分の水晶花、あと姫からごっそり持たされた素材の山を提出、そして販売しなきゃね?
普通に冒険者として受注したから、普通に受付する。
回収してきた故人の武具やら遺品やらは、おやじ殿が運んできたから2人して並んでいると、さわさわさわ……と小声で囁く組合員達。
視線は一点集中。
気になってしょーがない……とチラチラそっちを見ている。
頑張って全力スルーしてるんだから、あれ見て見ろよ……なんて言ってくるのはヤメい。

知らないよ。

どっかの……ご領主のトコの残念コムスメを迎えに来た執事的な人によく似た──更にお高そーな執事服っポい服着た、チョイ悪系の慇懃無礼そーなおっさんなんか。
ハナっからこっちを見下してきてる、主人がお偉いさんだから、自分も偉いって勘違いしてるイタいおっさんなんか、さ。



こっちをジロジロと無遠慮に見てくる執事服──と、微妙に違う黒いお仕着せのおっさんを存在しないモノとして、私らは依頼完了。
提出は、量が量だからと奥の会議室という名目の、ちょっと広い部屋で行う事に。
素材担当の職員何人かと、事務方からも何人かがやってきて。
あーだこーだ言いながら、私らが持ち込んだ遺品と素材の確認を始めた──。



いろいろ諸々済みまして。
なんかもー……量が量だっただけに、妙に疲れた。
今日はもう帰るか~……と、おやじ殿と話しながら奥から出てきた私らの前に立ちふさがったのは、あのちょっと勘違いしてるっポい黒いお仕着せ着たおっさんだった。







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