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vs. 双子。

そして、双子は。

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双子の思い込みに、めっちゃ振り回された……。
コニーちゃんって、誰?
また知らないヤツと間違われたワケ?

「……なんて迷惑な」
「人の思い込みって、怖いな」

おにーさまとおねーさまが、呆れかえっている。



双子とその親達が騒ぎながら組合を出ていったあと。
組合に残ってた、組合関係者達とおやじ殿が隣接している酒場に流れて飲み会に突入した。
なんかもー、やってらんなくなったらしい。
……組合長のオゴリだって、さ。
組合長も、やってらんない……とか思ったのかな?
ここんとこ組合が振り回されるよーなコトが続いたから、厄払いってゆーか、厄落としってゆーか……。
そんな気分なのかな?

いいな~、大人は。
私が公然と酒を飲むには、あと一年か~……。

ちょっとうらめやましい目で、酒飲んで騒ぐ大人どもを眺める。
おにーさまとおねーさまが、護衛のよーに私の両脇に居た。
……なんだか、過保護?

お酒、じゃなくてお茶を飲む私達。
おねーさまは、酒が嫌いで。
おにーさまは、酔っぱらいが嫌い。
3人で適当な料理をつついている。
……酒の肴って、味の濃ゆい料理が多いような気がする。

「……この騒ぎでさ、一つ疑問が解けたってゆーかさ」

ぽつり、と言った私に、おにーさまが反応した。

「……あ?」
「かわいいコニーちゃんって言ってたけどさ」
「ああ、金髪の。見た事ないけどな」

確かに、当時はかわいい子だったんだろう。
でも。
双子の両親によると、コニーちゃんはコーネリアスという名前の男の子で。
母親と姉にイジられて、女の子の格好をさせられていた……いわゆる一つの男の娘、ってヤツだったそーで。
双子も知ってたはずなのに、一向に信用しなかったとか。
あんなにかわいい子が、男の子のはずがない! ってさ。
聞く耳持たなかったそーな。

何でなのかは知らないけれども
双子は、コニーちゃんの存在を2人揃って心の拠り所にしてたらしい。
でも、コニーちゃんとはそれ以来会ってなくて。
いつしか記憶も薄れてきて……。

そんな時に、私が湧いた、と。

ちょうどその頃、コニーちゃんはコニー君だよ、と改めて親から聞かされて、双子は。
いや、そんなはずがない! と2人揃って思考が暴走。
何年も会っていなかったはずのコニーちゃんの妄想を、2人がかりで造り上げちゃったところに。

「丁度良く、コールがこの街にやって来た、と」
「いやだって、さ。思いおこせば最初の頃。あの双子に、なんで頭黒くなってるの? ってさんざん絡まれて、ものすごくうっとーしかったもの。……頭から水掛けられた事も、何度もあるし」
「……そんなヤツらと仲良くなんて、したくないわな、うん」

おにーさまが、半目になって言った。
おねーさまもまた。

「記憶の改ざんってゆーか、すり替えってゆーか……。自分達に都合良く思い込んで、双子だったからか、更に確認し合って確定し合って、確固たる事実にしちゃったのねぇ。……なんだって、コニーちゃんにそこまで固執しちゃったのかしら?」

疑問を口にしつつ、小首を傾げていた。
おにーさまも、
うんうん頷いてる。

……いや、知らんし。
知りたくもないし。
今更どーでもいいし。

「まぁ、しばらくは静かになるんじゃないか? 双子は、そのコニーちゃんが居る街の──ヤツらの親戚のやってる宿屋で、修行という名の下働き決定だろ? 大きくなったコニーちゃんとご対面だな」
「コニーちゃんじゃなくて、コニー君……コーネリアス君だけどね」

私がそう言うと、おねーさまがちょっと楽しそうに笑った。
おにーさまが、ニヤリ、としながら。

「コーネリアス君は、今じゃ立派に街を守る兵士の1人として、日夜頑張っているらしいぞ。かわいい顔して、なかなかのやり手だとかナンとか」

双子の憧れのコニーちゃんは、顔はかわいいまんまで逞しく育った模様。
双子は嫌でも現実を直視、そして思い知らされる事になるんだろう。

なんだろう。
ちょっとだけ、いい気味……とか思ってしまう。

……ま、もうどーでもいいかな、うん。










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