勇者召喚に巻き込まれました。自分無関係ですが…。

なあ、邪なるモノって…。

憧れ過ぎた…。

「そうだな…今思えば幼児期の思い込みがずっと尾を引いてるんだろうな」
俺が素朴な疑問としてなんであの聖女は聖女っぽく無いのに聖女って名乗りやりたい放題やってんのに咎められないんだ？と、その兄である魔導師長に聞いてみた。
その答えが冒頭の言葉だ。
思い込みだけでああはならんだろう、と更に問うと、魔導師長は。
顔をしかめてコメカミの辺りをぐりぐりしながら言った。
「なんせ妹の背後には、王弟殿下が…」
ってをい。
そんな前から王弟殿下、聖女に目ぇ付けてたワケ？
「神殿で神官の話を聞いてるところを見初められたらしい。その時の神官の話がたまたまお伽話めいた子供向けの神話で、その中に登場した聖女に憧れを持ったようだ」
で、無垢なお子様を気にいった王弟殿下がお子様の気を引く為に君も聖女になれる!とかテキトーな事言ったんか。
で、それを真に受けた、と。
「そしてお伽話症候群フェアリーティルシンドロームを発症した、と」
聖女ぶったイタい女誕生、と。
やっぱ王弟殿下が悪いってカンジ？
やっぱ王弟殿下には責任持って聖女を嫁に貰うべきじゃないか？