永田の女と吉野町のおじ様 First

傘立ての秘密

「…理江…ちゃん❔…」
俺が理江ちゃんに声を掛けると、理江ちゃんは傘立てから目を離した。
「…あの傘立て…普通なら入ってないものがあるんですよ…」
「…え…」
俺は、目を凝らして傘立てを見た。
「…普通の傘立てじゃないの❔…」
俺がそう言うと、理江ちゃんは、盛大な溜め息を吐いた。
「…普通の傘立てになんで野球のバットが入ってるんですか❔…それに、此処に置いてあるスニーカー…サッカー選手が履くスパイクです…此れから解ることは三間坂家には男の子が二人居る事になりますよね❔…」
俺が曖昧に頷くと、理江ちゃんは、更に驚くような事を言い出した。
「って事で…ご近所の方々に聴き込みしましょう…」
理江ちゃんは、それだけ言うと、三間坂邸の玄関扉を開けて、外に飛び出した。


後書きと言う名の言い訳(笑)
傘立てにバットが入っていたのは、私のお家の昔話だったりします(笑)