記憶は儚く消えてゆく

Kyupipi

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記憶が消えて3

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「おはよう、優貴ちゃん。あのさ~ あっいや何でも無い。今日のサンドウィッチ何が良い?」

リツキは、眠そうだった。

「おはよう、リツキ。うんとね~リツキのオススメが良いな」

そう言って、身だしなみを整えてキッチンでサンドウィッチを作っているリツキの隣に立った。リツキは、こちらを見て笑った。

「分かった、じゃあ待ってて。」
「うん、リツキはいつ結婚するの?私と」

俺が、聞きたかったことを先に言った。

「あのさ、その話を今日したいのだけど良いかな?」

頷いた。そして、出来上がったサンドウィッチを持って机の上に置いた。最近、流行っているのか分からないがパクチーをサンドウィッチに入れて見た。

「わぁ、凄い私初めて見た。美味しそう、食べようか。リツキありがとうね~。いただきます。」

そう言うと、口を開けて食べた。

「美味しい!私、好きこのサンドウィッチ大好き。リツキは、食べた?」

サンドウィッチをこちらに向けて、

「あーん、リツキ口を開けて?食べさせたい。」

今日は、よく喋るなとリツキは思った。

「うん、あーん。うわー美味しい。」

朝ごはんは、基本30分のところ今日は40分かけて食べた。幸せ!サンドウィッチを食べ終わると、二人は仲良くお皿洗いをした。6月になってから、優貴ちゃんの記憶喪失は続いていた。だけど、一緒にいる事でリツキの事は覚えていた。

「リツキ、今日はトランプしよう」

トランプを取り出して、シャッフルして配った。

「うんとね~、何が良い?ババ抜きか、大富豪か、ジジ抜きか、あと何かあったっけ?」
「じゃあ、大富豪から。」

カードを見ると、強い。優貴ちゃんの顔が、ムスッとしていた。あっ、すみません。なんか、交換したくなって来た。でも、交換したら勝負の意味があるのだろうか?

「優貴ちゃん?カード交換する?」

俺は、そぉっと聞いてみた。優貴ちゃんは、こっちを向いてほっぺをふくらませた。

「リツキ、トランプやめた!」
「ええええ」

優貴ちゃんは、ほおをふくらませたままキッチンに向かった。しばらくすると、優貴ちゃんが何かを持ってきた。持ってきたのは、婚約届けの紙だった。

「えっ、優貴ちゃん?なんでその紙持ってるの。机の引き出しに入れといたのに開けたの!!」

焦るように、優貴ちゃんが持っていた婚約届けの紙を取った。

「リツキ、本当に婚約者だったんだねー。でも、いつ結婚するの?」

さっきも、聞いてた。しょうがない、ここはまだ言わないようにしよう。

「優貴ちゃん、楽しみにしてて。」



「優貴ちゃん、俺と一緒に逝こう」
「え?何言ってるの?ーーー」


え?今の記憶何!?頭痛いなー、リツキ何か隠してるのかな?ううん、いつかリツキが話てきたら聞こう。

「大丈夫?優貴ちゃん、無理しないで休もう。」
「大丈夫だよ。リツキ待ってるね。」

そう言うと優貴ちゃんは、後を向いたまましばらくいた。なんで、いつも優貴ちゃんを助けられないんだろう。顔色が悪い気がする2人して後ろを向いたままだった。怖い、優貴ちゃん。俺は、真実を知ったら会わせる顔が。

「優貴ちゃん、今度一緒にサンドウィッチ作ろう。」

約束の指切りをしてお風呂に入っていった。リツキは、いつか話てくれると言ったけどスマホに書いてあるあの名前。誰だったんだろう。リツキと同じ榊原だった、けど兄弟なら何で紹介してくれないのかな?何かやっぱり頭に流れたあの記憶が気になるな。記憶戻って欲しいけど怖いな、どうして何も思い出せないんだろう。思い出したくないのかな?あれ?意識がぼんやりして来た。うわぁー!のぼせてるその時には、もう遅かった。

「優貴ちゃん、優貴ちゃん?大丈夫?水飲んで良かった。」

そっか、助けてくれたんだ。リツキ、お礼言わないとどうしたらいいかなぁ。そうだ、明日サンドウィッチ1人で作ってみよう!

「あれ?眠いリツキ?」

だんだん、視界が薄くなり目を閉じて寝た。

「優貴ちゃん、ごめんね。明日ね」

それだけ、聞こえた。また、夢を見た。


「リツキ、何で嘘つくの?・・・行かないで、どうして待ってよ」
「優貴ちゃん、好きだよ。でも、リツキがいるだろう。」


朝から汗が凄い出てきた。やっぱり、思い出せそうなのにいつもあの変で終わってしまう。リツキ行かないでと言っているのに何故、違う人の姿が見えるんだろう?じゃあ、今一緒に居るのはリツキ?なんか、最近頭凄く痛い。誰か、教えてよ。

「おはようリツキ。今日、1人でお出掛けしたいなぁ?良い?」
「え?優貴ちゃん?大丈夫?良いけどスマホ持って行ってね!後、気分悪くなったらすぐスマホに連絡する事!約束ね」

リツキは、こちらを見て凄い心配そうに見ていた。準備を終えると玄関に向かった。リツキはこちらに来て、不安そうな顔で見ていた。

「行ってきます。ちゃんと約束守るからね。」
「行ってらっしゃい、気を付けてね」

そう言って、出ていった。
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