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結婚式当日
結婚式当日
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「心春ちゃんも円花ちゃんも天使みたいで可愛い。お爺ちゃん、お婆ちゃんも恥ずかしがらずにこっちを向いて!」
結お姉ちゃんは相変わらずテンションが高い。披露宴そっちのけで、ふわふわの羽がついた真っ白いドレス姿のこはるちゃんとまどかちゃんの撮影会をはじめた。ふたりを抱っこしていたお爺ちゃんとお婆ちゃんは顔をひきつらせながらもにこやかな笑顔で撮影に応じていた。紬ちゃんはクーハンのなかでお手手をグーに握り締めすやすやとねんねしている。
「これだけ賑やかなのに全く起きないとは。さすがは結の娘だな」
コオお兄ちゃんが前髪を撫でると、紬ちゃんがにこっと微笑んだ。
「いやぁ~~めんこいな。癒される」
目を細め寝顔を眺めていると、
「ちょっと浩太郎」
ムスッとした表情を浮かべた昴さんが飛んできた。
「赤ん坊に焼きもちを妬くことないだろう」
「妬いてない」
これでもかと頬っぺを膨らませると、コオおの腕にぎゅっとしがみついた。
「なにも披露宴で痴話喧嘩することないのに」
これには櫂さんも苦笑いするしかなかった。
「四季、ゲストの皆さんを待たせると悪い。頼むからドアを開けてくれ」
ドアの向こうから彼の声が聞こえてきた。
「恥ずかしくて人前に出れないよ」
ドアノブを両手で必死に押さえた。
「華奢な体からは想像できないくらい、相変わらず馬鹿力だな。お腹の子もビックリだな」
愉しげに笑う声が返ってきた。
「だってウェディングドレスは着ないって約束だったのに……」
結お姉ちゃんは相変わらずテンションが高い。披露宴そっちのけで、ふわふわの羽がついた真っ白いドレス姿のこはるちゃんとまどかちゃんの撮影会をはじめた。ふたりを抱っこしていたお爺ちゃんとお婆ちゃんは顔をひきつらせながらもにこやかな笑顔で撮影に応じていた。紬ちゃんはクーハンのなかでお手手をグーに握り締めすやすやとねんねしている。
「これだけ賑やかなのに全く起きないとは。さすがは結の娘だな」
コオお兄ちゃんが前髪を撫でると、紬ちゃんがにこっと微笑んだ。
「いやぁ~~めんこいな。癒される」
目を細め寝顔を眺めていると、
「ちょっと浩太郎」
ムスッとした表情を浮かべた昴さんが飛んできた。
「赤ん坊に焼きもちを妬くことないだろう」
「妬いてない」
これでもかと頬っぺを膨らませると、コオおの腕にぎゅっとしがみついた。
「なにも披露宴で痴話喧嘩することないのに」
これには櫂さんも苦笑いするしかなかった。
「四季、ゲストの皆さんを待たせると悪い。頼むからドアを開けてくれ」
ドアの向こうから彼の声が聞こえてきた。
「恥ずかしくて人前に出れないよ」
ドアノブを両手で必死に押さえた。
「華奢な体からは想像できないくらい、相変わらず馬鹿力だな。お腹の子もビックリだな」
愉しげに笑う声が返ってきた。
「だってウェディングドレスは着ないって約束だったのに……」
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