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その後の僕と彼は
その後の僕と彼は
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「真沙哉ならやりかねない」
「そうだな」
継母に対する憎悪が募り、なんの罪もない女性たちを傷付ける過激な行動に出た真沙哉さん。一度では満足せず夕貴さんの尊厳さえも容赦なく奪った。
「助けを求める声と、泣き叫ぶ声と、誰も助けてくれないと分かった瞬間、女が絶望する顔を見て、真沙哉は快感を得ていたんだろう。最低最悪な、どこまでもずる賢く卑劣な男だ。兄ではないとどんなに否定しても、血の繋がりまでは否定することは出来ない。それがどれほど辛いか」
苦しみ悶える和真さん。
「和真さんは悪くない」
これ以上、見ていられなかった。
「ありがとう四季」
大きな手に両手をそっと重ねると、それまで強張っていた表情が少しだけ緩んだような気がした。
「四季の言う通りだ。和真は悪くない」
「血の繋がりはあるかも知れないが、赤の他人だ」
「副島もヤスさんもありがとう」
コオお兄ちゃんとヤスさんにも励まされようやく笑顔が戻った。
「明日また来ます」
病室に戻り眠っている夕貴さんに声を掛けて帰ろうとしたら、「ありがとう」と声が聞こてきて、どきっとして振り返った。
「どうした?」
「夕貴さんにありがとうって言われた」
「え?」
彼に車椅子を押してもらいベッドのすぐ脇に移動した。
「気のせいだったのかな」
夕貴さんは規則正しい寝息を立てて熟睡していた。
「四季、それなんだろう?」
夕貴さんが手になにかを握り締めていることに彼が気付いた。
「そうだな」
継母に対する憎悪が募り、なんの罪もない女性たちを傷付ける過激な行動に出た真沙哉さん。一度では満足せず夕貴さんの尊厳さえも容赦なく奪った。
「助けを求める声と、泣き叫ぶ声と、誰も助けてくれないと分かった瞬間、女が絶望する顔を見て、真沙哉は快感を得ていたんだろう。最低最悪な、どこまでもずる賢く卑劣な男だ。兄ではないとどんなに否定しても、血の繋がりまでは否定することは出来ない。それがどれほど辛いか」
苦しみ悶える和真さん。
「和真さんは悪くない」
これ以上、見ていられなかった。
「ありがとう四季」
大きな手に両手をそっと重ねると、それまで強張っていた表情が少しだけ緩んだような気がした。
「四季の言う通りだ。和真は悪くない」
「血の繋がりはあるかも知れないが、赤の他人だ」
「副島もヤスさんもありがとう」
コオお兄ちゃんとヤスさんにも励まされようやく笑顔が戻った。
「明日また来ます」
病室に戻り眠っている夕貴さんに声を掛けて帰ろうとしたら、「ありがとう」と声が聞こてきて、どきっとして振り返った。
「どうした?」
「夕貴さんにありがとうって言われた」
「え?」
彼に車椅子を押してもらいベッドのすぐ脇に移動した。
「気のせいだったのかな」
夕貴さんは規則正しい寝息を立てて熟睡していた。
「四季、それなんだろう?」
夕貴さんが手になにかを握り締めていることに彼が気付いた。
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