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決着のとき
決着のとき
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「橋本さんが熊倉さんに話していた四季くんのイメージとだいぶかけ離れていたみたい。それで矛盾を感じて、四季くんのあとをつけたりして、自分なりに四季くんのことを調べたみたいよ。橋本さんから銃を見せられ、刺し違えても四季くんを守らなきゃ、そう決心したみたいよ。これで罪滅ぼしになるとは思わない、ちゃんと罪を償い、次に四季くんに会うときまでに真人間になるって熊倉さん、話していたわ」
「熊倉さんのご主人が、妻を支え、もう一度はじめからやり直します、そう話していたよ」
「櫂さんと黒田さんが四季のそばにいてくれて、どんなに心強かったか。ありがとうございます」
「私たちはなにもしてないわ。彼や菱沼組の皆さんが四季くんを守ってくれたのよ」
「彼、かれこれ五十分くらいずっと四季くんを抱っこしているよ」
「そうなんですか」
身長二メートルはゆうに越える大男に彼もどうしていいか分からず戸惑っているようだった。
「とりあえずお礼だけ言っておこう。中国語でありがとうは確か……そうだ、シェ シェだ。シェ シェ」
彼が男性を見上げた。
「愛人《アイレン》?」
「アイレンは確か妻だったような。あぁ、そうだ」
「アネサンオナジ、カワイイネー」
「そうだろう。だって俺の自慢の妻だもの」
彼がにっこりと微笑み両腕を差し出した。
「OK」
男性が腰を屈め、カワイイネーを連呼しながら彼の腕のなかにそっと下ろしてくれた。
「熊倉さんのご主人が、妻を支え、もう一度はじめからやり直します、そう話していたよ」
「櫂さんと黒田さんが四季のそばにいてくれて、どんなに心強かったか。ありがとうございます」
「私たちはなにもしてないわ。彼や菱沼組の皆さんが四季くんを守ってくれたのよ」
「彼、かれこれ五十分くらいずっと四季くんを抱っこしているよ」
「そうなんですか」
身長二メートルはゆうに越える大男に彼もどうしていいか分からず戸惑っているようだった。
「とりあえずお礼だけ言っておこう。中国語でありがとうは確か……そうだ、シェ シェだ。シェ シェ」
彼が男性を見上げた。
「愛人《アイレン》?」
「アイレンは確か妻だったような。あぁ、そうだ」
「アネサンオナジ、カワイイネー」
「そうだろう。だって俺の自慢の妻だもの」
彼がにっこりと微笑み両腕を差し出した。
「OK」
男性が腰を屈め、カワイイネーを連呼しながら彼の腕のなかにそっと下ろしてくれた。
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