291 / 649
複雑に絡み合う想い
複雑に絡み合う想い
しおりを挟む
「四季」彼が息を切らしながら帰ってきた。
「お帰りなさい」
「刑事に変なことされなかったか?嫌なこと、言われなかったか?怪我はない?」
体をあちこち触られた。
「うん、大丈夫だった。お爺ちゃんの知り合いの刑事さんが、病院に来たあの二人の刑事さんを一喝してくれて、助けくれたから」
「そうか、それなら良かった」
彼がほっとして胸を撫で下ろすと、そのままその場にへたり込んだ。
「和真さん大丈夫?」
車椅子から身を乗り出し手を差し出すと、
「安心したら力が抜けてしまったみたいだ」
苦笑いしながら手をぎゅっと握り返してくれた。
ピタリと背後に付けられて。そこの車停まりなさいじゃなくて、停まれ!拡声器から聞こえてきたのは怒鳴り声だった。
関わり合いを持ちたくなかったお爺ちゃんだったけど、相手は刑事。仕方なく指示に従い路肩に停車するしかなかった。
トントン、窓ガラスをノックされ開けると、
「おっさん、スピード超過だ。さっさと免許証出せや」
恫喝するように声を張り上げた。
お爺ちゃんは普段から法定速度をちゃんと守り安全運転を心掛けている。スピードを超過するなどあり得ない。ハッタリだ。
聞き覚えのある声にどきっとして、おっかなびっくり刑事の顔をちらっと見た。その瞬間、恐怖が甦ってきて体がかたがたと震えだした。
そこへ颯爽と現れたのがお爺ちゃんの知り合いの、城という名前の刑事さんだった。
「お帰りなさい」
「刑事に変なことされなかったか?嫌なこと、言われなかったか?怪我はない?」
体をあちこち触られた。
「うん、大丈夫だった。お爺ちゃんの知り合いの刑事さんが、病院に来たあの二人の刑事さんを一喝してくれて、助けくれたから」
「そうか、それなら良かった」
彼がほっとして胸を撫で下ろすと、そのままその場にへたり込んだ。
「和真さん大丈夫?」
車椅子から身を乗り出し手を差し出すと、
「安心したら力が抜けてしまったみたいだ」
苦笑いしながら手をぎゅっと握り返してくれた。
ピタリと背後に付けられて。そこの車停まりなさいじゃなくて、停まれ!拡声器から聞こえてきたのは怒鳴り声だった。
関わり合いを持ちたくなかったお爺ちゃんだったけど、相手は刑事。仕方なく指示に従い路肩に停車するしかなかった。
トントン、窓ガラスをノックされ開けると、
「おっさん、スピード超過だ。さっさと免許証出せや」
恫喝するように声を張り上げた。
お爺ちゃんは普段から法定速度をちゃんと守り安全運転を心掛けている。スピードを超過するなどあり得ない。ハッタリだ。
聞き覚えのある声にどきっとして、おっかなびっくり刑事の顔をちらっと見た。その瞬間、恐怖が甦ってきて体がかたがたと震えだした。
そこへ颯爽と現れたのがお爺ちゃんの知り合いの、城という名前の刑事さんだった。
21
お気に入りに追加
294
あなたにおすすめの小説
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
林檎を並べても、
ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。
二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。
ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。
彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる