516 / 764
あなたを一生守らせてください
あなたを一生守らせてください
しおりを挟む
「頭では分かっているんだ。分かってはいるけど・・・・・」
鳥飼さんはそこで言葉を濁すと、甘えるように頬を膝にすりすりと擦り付けてきた。
右膝を紗智さんが、左膝を鳥飼さんがそれぞれ枕代わりにしてごろんと横になり、縁側から見える外の景色を3人で眺めていた。
どうしても3人きりになりたいと鳥飼さんが急に我が儘を言い出して。結局最後に折れるのは彼の方で。渋々ながらも少しだけな、そう言って3人きりにしてくれた。
一太と遥香は橘さんたちがみててくれているから大丈夫。
「睦が好きだったから離したくなかった。違う?」
「どんなに想われても、15年近く親代わりとして睦に接してきたんだ。息子も同然の睦を抱けるわけないだろう。それに俺は未知一筋だ」
「しつこい男嫌われる」
「知ってる。でも、好きな人の側にいたい気持ち、お前なら分かるはずだ。なぁ紗智、真沙哉がもし目の前に現れたらどうする?」
「浩然来る訳ない」
動揺しているのか紗智さんの声は微かに震えていた。
「側にいるのが当たり前で、失って初めて気付くものだ。そいつの事がいかに大事かってこと。もしもだ。真沙哉に罪償って真人間になる。一緒にやり直そうって言われたら?紗智、お前どうするんだ?」
「それは、その・・・・・」
直球過ぎる質問に紗智さんはすぐに答えることが出来ず黙り込んでしまった。
鳥飼さんはそこで言葉を濁すと、甘えるように頬を膝にすりすりと擦り付けてきた。
右膝を紗智さんが、左膝を鳥飼さんがそれぞれ枕代わりにしてごろんと横になり、縁側から見える外の景色を3人で眺めていた。
どうしても3人きりになりたいと鳥飼さんが急に我が儘を言い出して。結局最後に折れるのは彼の方で。渋々ながらも少しだけな、そう言って3人きりにしてくれた。
一太と遥香は橘さんたちがみててくれているから大丈夫。
「睦が好きだったから離したくなかった。違う?」
「どんなに想われても、15年近く親代わりとして睦に接してきたんだ。息子も同然の睦を抱けるわけないだろう。それに俺は未知一筋だ」
「しつこい男嫌われる」
「知ってる。でも、好きな人の側にいたい気持ち、お前なら分かるはずだ。なぁ紗智、真沙哉がもし目の前に現れたらどうする?」
「浩然来る訳ない」
動揺しているのか紗智さんの声は微かに震えていた。
「側にいるのが当たり前で、失って初めて気付くものだ。そいつの事がいかに大事かってこと。もしもだ。真沙哉に罪償って真人間になる。一緒にやり直そうって言われたら?紗智、お前どうするんだ?」
「それは、その・・・・・」
直球過ぎる質問に紗智さんはすぐに答えることが出来ず黙り込んでしまった。
12
お気に入りに追加
511
あなたにおすすめの小説
罪人の僕にはあなたの愛を受ける資格なんてありません。
にゃーつ
BL
真っ白な病室。
まるで絵画のように美しい君はこんな色のない世界に身を置いて、何年も孤独に生きてきたんだね。
4月から研修医として国内でも有数の大病院である国本総合病院に配属された柏木諒は担当となった患者のもとへと足を運ぶ。
国の要人や著名人も多く通院するこの病院には特別室と呼ばれる部屋がいくつかあり、特別なキーカードを持っていないとそのフロアには入ることすらできない。そんな特別室の一室に入院しているのが諒の担当することになった国本奏多だった。
看護師にでも誰にでも笑顔で穏やかで優しい。そんな奏多はスタッフからの評判もよく、諒は楽な患者でラッキーだと初めは思う。担当医師から彼には気を遣ってあげてほしいと言われていたが、この青年のどこに気を遣う要素があるのかと疑問しかない。
だが、接していくうちに違和感が生まれだんだんと大きくなる。彼が異常なのだと知るのに長い時間はかからなかった。
研修医×病弱な大病院の息子
無自覚な
ネオン
BL
小さい頃に母が再婚した相手には連れ子がいた。
1つ上の義兄と1つ下の義弟、どちらも幼いながらに
イケメンで運動もでき勉強もできる完璧な義兄弟だった。
それに比べて僕は周りの同級生や1つ下の義弟よりも小さくて
いじめられやすく、母に教えられた料理や裁縫以外
何をやっても平凡だった。
そんな僕も花の高校2年生、1年生の頃と変わらず平和に過ごしてる
それに比べて義兄弟達は学校で知らない人はいない
そんな存在にまで上り積めていた。
こんな僕でも優しくしてくれる義兄と
僕のことを嫌ってる義弟。
でも最近みんなの様子が変で困ってます
無自覚美少年主人公が義兄弟や周りに愛される話です。
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
その日君は笑った
mahiro
BL
大学で知り合った友人たちが恋人のことで泣く姿を嫌でも見ていた。
それを見ながらそんな風に感情を露に出来る程人を好きなるなんて良いなと思っていたが、まさか平凡な俺が彼らと同じようになるなんて。
最初に書いた作品「泣くなといい聞かせて」の登場人物が出てきます。
※完結いたしました。
閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。
拙い文章でもお付き合いいただけたこと、誠に感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる