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彼の幸せは僕と彼の幸せでもある
彼の幸せは僕と彼の幸せでもある
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「一度は嵌めたはずの指輪を外している、遥琉からそう聞かされた時、お前が俺の前から姿を消すんじゃないか、そう思って逃げられる前に迎えに来た」
奥から姿を現したのは鷲崎さんだった。派手な色シャツを着用し、肩にスーツの上着を担いでいた。
「九鬼総業が乗り込んで来ているのに、悠長にそんな事を言ってる場合じゃあ・・・・」
「俺にとって九鬼より和泉・・・・いや、七海。お前の方が大事だ」
上着を畳の上に放り投げると和泉さんの前に腰を下ろした。
「何でこういうときに限って名前で呼ぶかな、今まで一度も呼んだことないのに」
咄嗟に逃げようとした和泉さんの手首を掴み引き戻すと、片方の手を差し出し傷が残る頬を愛おしそうに撫でた。
「俺は未知みたく可愛くない。四十近いおっさんだ。胸だってないし、子供だって産めない。俺が勝手に好きになっただけで、無理して好きにならなくていいのに」
和泉さんが目の縁に涙を溜めぶんぶんと首を横に振った。
「皆が言うように、俺は今まで人を好きになったことはない。組を守るのに必死だったからな。直矢に・・・・十六のガキに言われたよ。遥と一緒になれないなら死んだ方がましだ。ひとおもいに一緒に殺してくれって。それで目が覚めた。七海、俺に恋ってものがどういうものか教えてくれないか?」
「鷲崎さん・・・・」
ハッとし顔を上げる和泉さん。驚きすぎて声が上擦っていた。
奥から姿を現したのは鷲崎さんだった。派手な色シャツを着用し、肩にスーツの上着を担いでいた。
「九鬼総業が乗り込んで来ているのに、悠長にそんな事を言ってる場合じゃあ・・・・」
「俺にとって九鬼より和泉・・・・いや、七海。お前の方が大事だ」
上着を畳の上に放り投げると和泉さんの前に腰を下ろした。
「何でこういうときに限って名前で呼ぶかな、今まで一度も呼んだことないのに」
咄嗟に逃げようとした和泉さんの手首を掴み引き戻すと、片方の手を差し出し傷が残る頬を愛おしそうに撫でた。
「俺は未知みたく可愛くない。四十近いおっさんだ。胸だってないし、子供だって産めない。俺が勝手に好きになっただけで、無理して好きにならなくていいのに」
和泉さんが目の縁に涙を溜めぶんぶんと首を横に振った。
「皆が言うように、俺は今まで人を好きになったことはない。組を守るのに必死だったからな。直矢に・・・・十六のガキに言われたよ。遥と一緒になれないなら死んだ方がましだ。ひとおもいに一緒に殺してくれって。それで目が覚めた。七海、俺に恋ってものがどういうものか教えてくれないか?」
「鷲崎さん・・・・」
ハッとし顔を上げる和泉さん。驚きすぎて声が上擦っていた。
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