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かけがえのない大切な家族とともに生きる
かけがえのない家族ととも 生きる
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「優璃、その格好・・・」
一目見るなり柚原さんの目が点になった。
「似合わないとでも言いたいのでしょう。私は未知さんや千里みたく可愛くありませんし、性格だって言葉遣いだって、何一つ可愛いげがありませんし、それに・・・」
「そんな事はない」
柚原さんが首を横に振った。
「未知や千里よりも、優璃が一番可愛いに決まっているだろ」
畳の上をバタバタと勢いよく這い、布団の上に正座した橘さんに駆け寄る柚原さん。
それを見ていた彼が、幾つになってもアイツは雛のままだって一人言のようにそんなことを呟いていた。
「暑苦しいので離れてください。先程言いませんでしたか?べたべたとしつこい男性は嫌いだと。聞いてますか?」
「聞こえない」
「はぁ?」
橘さんに抱き付き、浴衣にすりすりと頬を擦り付ける柚原さん。すごく幸せそうで、まさに至福のひととき。そんな感じに見えた。
それに対し橘さんはかなり迷惑そうに顔をしかめていたけれど・・・
「五年だぞ、五年。優璃に触れたくてもずっと我慢していたんだ。少しぐらい甘えさせてくれてもいいだろう?」
口では誰にも負けない橘さんも、柚原さんが相手だとどうも調子が狂うみたい。何かを言いかけてすぐに口ごもってしまった。
病院では、精悍なまでに男らしかった柚原さんも、橘さんの前では形無しで。恐らくこっちが本当の、素の柚原さんなのかも知れない。
一目見るなり柚原さんの目が点になった。
「似合わないとでも言いたいのでしょう。私は未知さんや千里みたく可愛くありませんし、性格だって言葉遣いだって、何一つ可愛いげがありませんし、それに・・・」
「そんな事はない」
柚原さんが首を横に振った。
「未知や千里よりも、優璃が一番可愛いに決まっているだろ」
畳の上をバタバタと勢いよく這い、布団の上に正座した橘さんに駆け寄る柚原さん。
それを見ていた彼が、幾つになってもアイツは雛のままだって一人言のようにそんなことを呟いていた。
「暑苦しいので離れてください。先程言いませんでしたか?べたべたとしつこい男性は嫌いだと。聞いてますか?」
「聞こえない」
「はぁ?」
橘さんに抱き付き、浴衣にすりすりと頬を擦り付ける柚原さん。すごく幸せそうで、まさに至福のひととき。そんな感じに見えた。
それに対し橘さんはかなり迷惑そうに顔をしかめていたけれど・・・
「五年だぞ、五年。優璃に触れたくてもずっと我慢していたんだ。少しぐらい甘えさせてくれてもいいだろう?」
口では誰にも負けない橘さんも、柚原さんが相手だとどうも調子が狂うみたい。何かを言いかけてすぐに口ごもってしまった。
病院では、精悍なまでに男らしかった柚原さんも、橘さんの前では形無しで。恐らくこっちが本当の、素の柚原さんなのかも知れない。
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