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※15 お前のせいだからなっ⭐︎イラストあり

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「……お前の、せいだからな……っ」


悔しさも混ざって涙目で訴えると、蒼井は僅かに俯いたまま小さく頷いた。


「……分かってる」


「せ、責任、とれよ……っ」


「分かった」


恥ずかしくて堪らず顔を真っ赤に染めて言うと、蒼井は素直に頷き、俺の手の拘束を解いた。


「……っ解くのかよ」


「拘束されたままが良かった?」


「んなっ……! なわけねーだろ!? バカッ」


「ふふ、冗談だよ。颯太……優しくするね?」


「……っ」


なんだよ、それ。

さっきまであれだけ強引にしておいて今更、手の拘束を解いたり、優しくすると言ったり、訳がわからない。

けれど、俺ももう抵抗する気が起きず、パタリとソファーに倒れて目を閉じた。


「もういい。蒼井の好きなようにしろよ」


「へぇ、潔いじゃん。ホントにいいの?」


「……っい、いい。けど……優しく、しろよ……っ?」





「……っ」


念を押すと、蒼井は小さく息を呑み、俺のおでこにキスを落とした。

ソファーが僅かに沈み込み、ギシリと音がすると、なんだかエロい気分に拍車がかかる。

唇が離れると、蒼井は切なげに眉を寄せて熱く俺を見つめた。


「やばい……ドキドキしちゃってる颯太、可愛すぎる」


「う、うるせーよっ! つーか、ドキドキなんかしてねぇし!」


「はぁ、どうだか……?」


甘いため息をつき、蒼井はスルリと俺の胸元に手を這わせた。


「あっ、ちょっ……」


「こら、止めちゃダメだって。あ、また拘束されたい?」


「う……そ、れは……っ」


そんなの嫌に決まってる……普通なら。

今の俺は、蒼井にトロトロにされてしまったせいで感覚がおかしくなっているのかもしれない。

さっきの、手を拘束されて触られる状況を思い出すと、身体の奥が疼いてきてしまう。

でも、それはきっと相手が蒼井だったから……なのだろう。

蒼井の色気は、男から見てもちょっとドキッとするものがあるし、そんな相手にあんな甘いキスをされたり優しく触られたりしたら、女じゃなくてもドキドキしてしまう。

……だから、また拘束されたいかと聞かれたら俺は……。


(…… って、いやいやいや!)


勝手な想像を膨らませ、ハッと我に返る。

すると次の瞬間、ピンと立ち上がっている胸の尖りを、指先でキュッと優しく摘み上げられた。


「ああんっ……!」


油断していたところへ痺れるような刺激がきて、俺は思わず変な声をあげる。

それを見て、蒼井が口の端を僅かに釣り上げた。


「ふっ、いい声。あ、ちなみにこのマンション、壁は割と薄いから、気を付けてね?」


「は……っ!? それ、早く言えって……あっ、んんっ!」


再度、優しいタッチで摘み上げられ、甘い快楽に襲われる。

その拍子に漏れた声が大きかった気がして、俺は慌てて口元を手で押さえた。

壁が薄いなんて、聞いてない。

というか、そもそも男同士でこんなことをしている事自体がおかしいのだけれど。


いや、それよりも。


蒼井の部屋は、先ほど見た限り角部屋ではなかった筈。

と言う事は、両隣に人がいる……という事か。


(まじかよ……!)


さっきまで、全然気にしていなかったのが恐ろしい。

俺は口元を両手で覆い、声を押し殺す。

けれど、嘘みたいに蒼井の手の感触が気持ちよくて、理性はいとも簡単に崩れ落ちていった。


「ん、ぅ……はぁっ、あっ!」


余裕がなくなり、俺は口元から手を離してプルプルと快楽に耐える。

蒼井はそんな様子を嬉しそうな表情で見つめながら、更に指先をいやらしく動かし続けた。


「んやっ……あっ、んんっ」


我慢出来ず声をあげて悶えていると、スッと胸元から手が離れ、徐々に下へと降りていく。

そして、内腿へと滑り込むと、徐々に際どい部分へ指先が近付いてきた。


「…… っや、ダメ、待っ……」


これ以上は無理と思い、手を伸ばしたその時。

蒼井の長い指が俺の窄まりにピト、と当てがわれた。


「ひっ……!?」


なんだ、この感じ。

お尻なんて、今まで男に触られた事がないので、なんだか変な感じがする。

気持ちいいような、むず痒いような、未知の感触。

蒼井はクルリと指の腹でそこをなぞると、確かめるように触れながら言った。


「んー……颯太、やっぱまだ経験ないよな。そっかそっか」


なぜか満足そうに言うと、蒼井は俺の尻に当てていた指先をツ、と移動させ、先ほどから張り詰めてしまっている竿の表面を下から上へなぞるように滑らせた。


「んあっ……!」


思わず大きい声が出てしまい、俺は慌てて口元を押さえる。

けれど身体は正直なもので、もっと刺激が欲しくて、どうしても腰が浮いてしまう。

それなのに、蒼井はイジワルな笑みを浮かべると、竿に触れるか触れないかぐらいのタッチで扱くように上下に手を動かし始めた。


「やっ、あ、ああっ、やだっ、それ、だめぇ……っ」


「は、颯太、エッロ……」


いじわるく焦らされ、もうおかしくなりそうだ。

ここまで来たらもうイかせてほしくて、俺は潤んだ瞳で蒼井を見つめた。

すると、蒼井の目が一瞬大きく開き、それから切なげに細められる。

そして次の瞬間、サワサワと焦らしタッチを続けていた手が俺の中心を包み込み……


「……っ!」

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