【BL】キス魔の先輩に困ってます

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成瀬が尋ねると同時に、二人の手がスッと離れる。

優真は少し考え、成瀬の問いに答えた。

「兄弟ではないよ。仲のいい先輩と後輩ってところかな」

言いながら、優真はチラリと俺を見る。

おそらく、”こういう言い方で良かった？”と確認したいのだろう。

（うん……付き合ってるってここで言うのは、他のメンバーもいるしマズいよな）

成瀬だけならば、打ち明けてしまっても良いだろうけれど、他の女子メンバーがこれだけ揃っていると、そういう訳にもいかない。

俺は優真に小さく頷いてみせた。

と、アイコンタクトで会話をしていると、成瀬が苦笑しながら口を開いた。

「ふふ、本当に仲がいいんだなぁ。二人で何の合図？なんだか……うらやましい」

成瀬は少し切なげな表情を浮かべ、こちらに手を伸ばしてくる。

そして、俺の髪にそっと触れた。

「な、成瀬……？」

「……」

じっと見つめる視線が痛い。

その瞳の奥に熱いものを感じて、俺はハッとする。

（成瀬？……おい、まさか……）

なんだか、ヤバイ予感がする。

どうしようかと戸惑っていると、優真が再び俺の肩を引き寄せた。

「成瀬君、君は……陽斗の事をとても気に入っているようだね？まぁ、陽斗はこの通り、愛くるしい見た目と性格であるからして、どうにもこうにも仕方がないのだけれど……このサラサラの髪……ついうっかり触れてしまうのも、そう、分かる気がする……いや、分かる、分かるんだよ……！あああかわいいぃ！！」

おいおいおーい！

ストップだ優真クン！

つーか、なに拳握りしめて共感しまくってんだよっ！！

つーかそのノリで、”エンジェル”とか言うなよ！？

どんどん本音を漏らしまくる優真に、俺はハラハラして隣で青くなる。

と、成瀬がハッとして俺から手を離した。