【BL】キス魔の先輩に困ってます

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｢……っ｣

優真が小さく息を呑むのが聞こえた。

たぶん今、俺は優真をメチャクチャ困らせているのだろう。

(優真……どうするかな)

胸に顔を埋めたまま、優真の反応を待つ。

すると、肩に手がかかり、そっと引き離された。

｢……？｣

なんだろうと見上げると、優真は顔を真っ赤にしてフルフルと肩を震わせていた。

｢ちょっ……と待って、これは……刺激が強すぎないか……っ！？｣

｢なっ……！そ、そんなことねぇ……ってか！両想いになったんだから、もっと、その……いいいいい、イチャイチャしたっていーだろっ！？｣

｢イチャイチャ……！！｣

｢復唱せんでええ！！｣

あーもう。

どーーーーしてコイツといると、半分コントになっちまうんだ。

マジでハリセン作るぞ。

つーか俺は普通に、好きなやつと結ばれたからイチャつきたいだけなのにっ。

もどかしさが募り、俺は優真の手を掴んで自分の方へ引き寄せた。

｢ひ、陽斗君……！？｣

｢いーから……触れよ｣

｢な、な、な……ど、ど、どこを……！？｣

｢わっ、わかんだろ！？こういう時に、触るっつったら……｣

俺は恥ずかしくて爆発しそうなのを堪え、優真の手を自分の胸元に持っていった。

｢陽斗君……｣

｢……っ、これでも、わかんねぇ？｣

顔を鬱向けたまま、優真に問いかける。

(わかれよ……っ)

半ば、祈るような気持ちで待っていると、頭上でポツリと声がした。

｢……分かった｣