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※第三十一話 一緒に・2

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これは、この上なく甘い誘惑だ。

断れるわけがない。

相手がさっきのスーパーで襲ってきた男達なら今すぐに逃げ出すけれど、今目の前に居るのは……


「断るわけ……ないです」


「ん……可愛い」


「あっ……んん……っ」


有無を言わさず、シグレさんはチョーカーをずらして僕の首筋にちゅうっとキスをする。


「んっ、あ……は、や、やぁ……っ」


「セイラ、かわいい……本当は今すぐにでもこの首筋に噛みついて、俺の番にしてしまいたいよ……」


「は……っぁ、それは、僕だって……っ」


つい本音が漏れ、口元を手で覆う。

するとそれを見て、シグレさんは嬉しそうに微笑む。


「嬉しいよ……セイラの本心はそうなんだね」


「あ……あの、そう、です……」


答えながら、顔が熱くなる。

シグレさんは愛おしそうに僕を見つめると、おでこにチュッとキスを落とした。


「ゆっくり……俺たちのペースでいこう。セイラの心が準備出来るまで、ちゃんと待つよ」


「……っ」


優しい言葉に愛を感じて、僕の手は自然とシグレさんの方へ伸びていく。

その手は、少しひんやりとした頬を捉え、すり、と撫でた。


「僕、シグレさんに出会えて、嬉しいです……」


素直に口にしながら、僕は密かに思いを寄せていた、あの彼の事を思い出す。

N高校の見学会の日、肩がぶつかった彼。

あの日の感覚は今でも忘れない。

本当に、運命かと思った。

けれど今、僕はシグレさんにこんなにも惹かれている。

そして、運命を感じているのだ。

そう、あの時よりも、もっと強く。


「シグレさん……大好きです」


「……っ」


気持ちを伝えると、シグレさんは小さく息を呑み、僅かに眉を寄せた。

その瞳には熱い光が宿っている。


「セイラ、ごめん……もう、止められそうにない」


「あ……っ」


瞬間、下のジッパーが下ろされ、下着ごと脱がされる。

下半身が露になり、僕は慌てて隠そうと手を伸ばした。

けれど、その手はあっさりと捕まり、両手をまとめて頭上に拘束されてしまった。


「シ、シグレさん……っそんな、いきなり下……っ」


「大丈夫、ちゃんと上もするから」


(そ、そういう事じゃなくて……っ)


反論する間もなく、中心に手が這わされ、僕は大きく背中を仰け反らせた。

その反応を見て、シグレさんは目を細める。


「ああ、俺の大切な人……もうこんなにおっきくして……我慢してた?」


シグレさんは愛おしそうに僕のを眺めると、空いた方の手で包み込むように優しく撫であげてきた。


「あ、あっ……!」


指先がいい所に当たり、甘い刺激が腰元から這い上がってくる。

好きな人にこんな事をされたら、もうどうにかなってしまいそうだ。


「あんっ……や、も、だめ……っぼく、変に、なっちゃう……ああっ」


「かわいい声……もっと聞きたい」


「やぁっ……あ、だ、め……っそこ、あっ」


敏感な所を何度も擦られると、身体の奥が熱くなってくる。

発情期にこんなことをされるのは、初めてだ。

強い快楽に耐えられず腰を逃がすように動かすと、シグレさんが甘いため息をついた。


「エロい……セイラ、凄く魅力的だよ。もっとよく見せて」


「だめ……だめっ、あ!」


あろうことか、すっかり濡れた全体を口に含まれ、中で舌先をぬるぬると動かされる。


「……っ!」


敏感な部分をザラリとした舌で攻められ、気持ちよすぎて声も出ない。


「ん……セイラ……愛してる」


「は……っ、ぁ、あー……っ!」


何が起きたのか、一瞬分からなかった。

目の前が真っ白になって、気付けば、僕はシグレさんに咥えられたまま欲望を吐き出していた。

そして止める間もなく、シグレさんはそれを飲み込んだ。


「ん……」


「……っえ!?シグレさ……」


「ん……ごちそうさま」


「~~~~!?」


こんなこと、初めてだった。

まさか自分の出したあれを、誰かが飲み込むなんて。

信じられないと、僕は首を横に振った。


「し、シグレさん、大丈夫ですか!?そんなの飲んだらお腹を壊します……!」


「え?……ぷっ、あはは!」


僕の心配をよそに、笑いだすシグレさん。

僕はきょとんとしたまま彼を見つめた。


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