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私と最愛の魔法使い~王女様、私の夫に惚れられても困ります!~
苛立つシェリー
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レイが少女を背負い、森の中から一旦家へ連れて帰ることにした。森から家まではなかなか距離があった。気を失い、水をたんまりと吸った服を着た少女を背負い、長距離を歩くのはなかなか大変だった。
「うぅ····重い····」
「レイ、年頃の娘さんに重いは失礼よ。」
「こんなの、魔法を使えば一瞬なのに···!」
頑張れ頑張れと励ましたり、途中シェリーに少しだけ交代したりしながら、なんとか少女を家まで連れ帰った。
家に着いた頃には、2人ともヘトヘトになっていた。レイが不満を漏らした。
「僕たち、なんで森に行ったんだっけ?この子を家に運ぶためだっけ?」
「レイ!仕方がないわよ。私達がこの子のこと見つけちゃったんだもの。傷はないみたいだし、目が覚めたらすぐ帰ってくれるわよ。」
シェリーの服に着替えさせ、ベッドに寝ている少女をまじまじと見た。色が透き通るように白く、レイと同じ輝くような金髪だ。寝顔だけでも相当な美少女だと分かる。
レイが、体力回復に効く薬草を取ってくると言うので、シェリーが少女の側についていた。
その時、少女が「うぅん······」と少し動いて、ゆっくりと目を覚ました。
「気が付いた?体調はどう?あなた、川のほとりで倒れていたのよ。ここは私達の家だから、安心してね。」
少女ははじめは警戒していたが、すぐに落ち着き、シェリーを上から下まで見た。まるで値踏みするような見方に、シェリーは一瞬たじろいだ。
「この服は····誰の?」
「あ、それは私のよ。あなたの服は濡れてたから、私が着替えさせたの。」
少女は「ふぅん。」と言い、そっぽを向いてしまった。少し不快そうな顔をしたのは、気のせいだろうか?
シェリーは、感謝して欲しいわけではなかったが、「助けてくれてありがとう」とか、「ご迷惑おかけしました」とか、そういった言葉を言われるかと思っていたので、少々面食らってしまった。
ちょうどその時、薬草を取ったレイが帰ってきた。
「ただいまー····って、あれ!?君、目が覚めたの!?」
「ついさっき、目を覚ましたのよ。」
帰ってきたレイを、少女が呆けたように見ていた。
「あなたが、助けてくれたの····?」
「ああ、僕達が君を見つけて、家まで運んできたんだよ。体は大丈夫?」
すると、少女は感激したように涙を流し、感謝の言葉を口にした。
「───本当にありがとうございます····!!もうダメかと思ってたんです。あなた方は、私の命の恩人だわ!」
レイは、先程までは文句を言っていたのに、泣いて感謝されたことで気分を良くしたのか、まんざらでもない顔をしていた。
レイが来た途端、少女の態度が変わった気がして、シェリーはなんとなく引っかかっていた。
すぐに帰ってくれるかと思っていたが、少女は船を渡った遠方からやって来たといい、迎えが来るまでの数日間は家に置いてほしいということだった。名前を聞いたが、答えられないということだったので、何か事情があるのかと思い、それ以上は聞かなかった。
この数日間でシェリーは分かったことがある。少女は、シェリーの前とレイの前で、態度を変えるということだった。
「ねぇ、シェリーとレイは、どういう関係?」
「私達は夫婦よ。」
「·····夫婦?レイとあなたが?」
少女が、信じられないというような顔でシェリーを見たので、シェリーはあまりいい気がせず、言い返してしまった。
「それってどういう意味?夫婦だとおかしい?」
「····おかしくはないけど、年の離れた姉と弟かと思ったわ。まぁ全然似てないけど。」
さすがのシェリーも、今の発言は嫌味だと分かった。4つしか離れていないのに、『年が離れた』とは、シェリーが老けて見えるということだろうか?『全然似てない』というのも、暗に『レイは美しいのにシェリーは美しくない』という意味だろう。
これくらいで少女相手に怒るのは大人げない気がして、シェリーは苦笑いしてグッとこらえた。
(お願いだから早く出ていって····!)
シェリーは内心そのように思い、ため息をつくのだった。
「うぅ····重い····」
「レイ、年頃の娘さんに重いは失礼よ。」
「こんなの、魔法を使えば一瞬なのに···!」
頑張れ頑張れと励ましたり、途中シェリーに少しだけ交代したりしながら、なんとか少女を家まで連れ帰った。
家に着いた頃には、2人ともヘトヘトになっていた。レイが不満を漏らした。
「僕たち、なんで森に行ったんだっけ?この子を家に運ぶためだっけ?」
「レイ!仕方がないわよ。私達がこの子のこと見つけちゃったんだもの。傷はないみたいだし、目が覚めたらすぐ帰ってくれるわよ。」
シェリーの服に着替えさせ、ベッドに寝ている少女をまじまじと見た。色が透き通るように白く、レイと同じ輝くような金髪だ。寝顔だけでも相当な美少女だと分かる。
レイが、体力回復に効く薬草を取ってくると言うので、シェリーが少女の側についていた。
その時、少女が「うぅん······」と少し動いて、ゆっくりと目を覚ました。
「気が付いた?体調はどう?あなた、川のほとりで倒れていたのよ。ここは私達の家だから、安心してね。」
少女ははじめは警戒していたが、すぐに落ち着き、シェリーを上から下まで見た。まるで値踏みするような見方に、シェリーは一瞬たじろいだ。
「この服は····誰の?」
「あ、それは私のよ。あなたの服は濡れてたから、私が着替えさせたの。」
少女は「ふぅん。」と言い、そっぽを向いてしまった。少し不快そうな顔をしたのは、気のせいだろうか?
シェリーは、感謝して欲しいわけではなかったが、「助けてくれてありがとう」とか、「ご迷惑おかけしました」とか、そういった言葉を言われるかと思っていたので、少々面食らってしまった。
ちょうどその時、薬草を取ったレイが帰ってきた。
「ただいまー····って、あれ!?君、目が覚めたの!?」
「ついさっき、目を覚ましたのよ。」
帰ってきたレイを、少女が呆けたように見ていた。
「あなたが、助けてくれたの····?」
「ああ、僕達が君を見つけて、家まで運んできたんだよ。体は大丈夫?」
すると、少女は感激したように涙を流し、感謝の言葉を口にした。
「───本当にありがとうございます····!!もうダメかと思ってたんです。あなた方は、私の命の恩人だわ!」
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レイが来た途端、少女の態度が変わった気がして、シェリーはなんとなく引っかかっていた。
すぐに帰ってくれるかと思っていたが、少女は船を渡った遠方からやって来たといい、迎えが来るまでの数日間は家に置いてほしいということだった。名前を聞いたが、答えられないということだったので、何か事情があるのかと思い、それ以上は聞かなかった。
この数日間でシェリーは分かったことがある。少女は、シェリーの前とレイの前で、態度を変えるということだった。
「ねぇ、シェリーとレイは、どういう関係?」
「私達は夫婦よ。」
「·····夫婦?レイとあなたが?」
少女が、信じられないというような顔でシェリーを見たので、シェリーはあまりいい気がせず、言い返してしまった。
「それってどういう意味?夫婦だとおかしい?」
「····おかしくはないけど、年の離れた姉と弟かと思ったわ。まぁ全然似てないけど。」
さすがのシェリーも、今の発言は嫌味だと分かった。4つしか離れていないのに、『年が離れた』とは、シェリーが老けて見えるということだろうか?『全然似てない』というのも、暗に『レイは美しいのにシェリーは美しくない』という意味だろう。
これくらいで少女相手に怒るのは大人げない気がして、シェリーは苦笑いしてグッとこらえた。
(お願いだから早く出ていって····!)
シェリーは内心そのように思い、ため息をつくのだった。
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