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馬鹿な子ほどかわいい
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「お前ら······ここで何をしている?」
レインが驚いた様子で俺とアイシャ先生を見下ろしていた。
「レ、レインこれはその·····違うんだ!決して盗み聞きしてたわけじゃ───!!」
俺が苦し紛れに言い訳をしていると、なぜかソラがズイッとレインの前に出てきた。
「おい、レイン。」
普段の穏和な目とは違い、体育館倉庫の時のような冷たい目をしている。
「抜け駆けはなしだって言ったよな?なのにお前、侍従だったイアンに好き勝手してたのか?汚い嘘つき野郎。」
「はっ!!よく言うなソラ。お前だって、この前俺の屋敷で、勉強だとか言ってイアンに何してたんだ?お前勃ってただろ?全部バレてんだよ。」
そのやり取りを見ていたクラインは、「勉強してて勃ってた·······?」と怪訝な顔をし、事態を飲み込めない様子だった。
すぐに三者三様に言い合いを始め、事態は収束するどころかどんどんひどくなっていった。
〈ソラ〉「イアンは自分から僕にキスしてくれたよ。お前みたいに無理やりやったわけじゃない。」
〈レイン〉「ああ?どうせお前が口八丁手八丁で馬鹿なイアンを乗せたんだろ?」
〈クライン〉「君はイアンとキスしたのか!?昨日泊まっていった時は何も教えてくれなかったのに··········」
〈ソラ・レイン〉「泊まったぁ!?」
まずい·····このままでは、非難の矢印が俺に向いてしまう!!
レインとノリノリでふしだらな行為をし、自分からソラにキスをして、昨夜はクラインの家に泊まってそのまま登校したことになっている俺は、誰がどう聞いても3人を誑かしている尻軽クソ野郎だ。
ここまでくると、思い込みの激しいアイシャ先生も事態が飲み込めたようで、俺を汚物でも見るかのような目で見た。
「イアン君·········男の人を何人も弄ぶのが趣味なの──?」
突如口を挟んできたアイシャ先生に対してソラが、
「あなたは部外者だから消えてくれます?邪魔なので。」と言い放ち、先生は泣きながらその場を走り去っていった。
尚も言い合いを再開し始めたので、とうとう俺は耐えきれなくなり大声を出した。
「やめろよ!!ケンカするな!!レインもソラも······2人とも、俺のどこがいいんだ!?」
俺の声に反応し、3人三が言い合いをやめた。レインとソラは一度顔を見合わせた。
「それは········お前が馬鹿だからだ。礼儀知らずで不謹慎で、方向音痴で考えなしだろ?なのに何故だか放っておけないんだ。」
「うん。イアンの取り柄は顔だけで、意地悪で見栄っ張りなくせに、単純で直情的で優柔不断だ。すぐ気持ちよくなっちゃうし、本能に抗えない馬鹿だけど──そこがかわいくて仕方ないんだ。」
言い合いをやめてくれたのに、今度はそこまで言うかとばかりにけちょんけちょんにけなされ、俺はショックを受けてしまった。
「とりあえず、この場は一旦皆頭を冷やそう。勉強を見てあげるなら、図書室にしたらどうだ?二人きりじゃなく三人で。俺も時々見に行く。」
クラインの提案に、レインとソラはしぶしぶ納得した。俺はレインとソラに言われたことにダメージを受けたまま、下を向いて家に帰った。
レインが驚いた様子で俺とアイシャ先生を見下ろしていた。
「レ、レインこれはその·····違うんだ!決して盗み聞きしてたわけじゃ───!!」
俺が苦し紛れに言い訳をしていると、なぜかソラがズイッとレインの前に出てきた。
「おい、レイン。」
普段の穏和な目とは違い、体育館倉庫の時のような冷たい目をしている。
「抜け駆けはなしだって言ったよな?なのにお前、侍従だったイアンに好き勝手してたのか?汚い嘘つき野郎。」
「はっ!!よく言うなソラ。お前だって、この前俺の屋敷で、勉強だとか言ってイアンに何してたんだ?お前勃ってただろ?全部バレてんだよ。」
そのやり取りを見ていたクラインは、「勉強してて勃ってた·······?」と怪訝な顔をし、事態を飲み込めない様子だった。
すぐに三者三様に言い合いを始め、事態は収束するどころかどんどんひどくなっていった。
〈ソラ〉「イアンは自分から僕にキスしてくれたよ。お前みたいに無理やりやったわけじゃない。」
〈レイン〉「ああ?どうせお前が口八丁手八丁で馬鹿なイアンを乗せたんだろ?」
〈クライン〉「君はイアンとキスしたのか!?昨日泊まっていった時は何も教えてくれなかったのに··········」
〈ソラ・レイン〉「泊まったぁ!?」
まずい·····このままでは、非難の矢印が俺に向いてしまう!!
レインとノリノリでふしだらな行為をし、自分からソラにキスをして、昨夜はクラインの家に泊まってそのまま登校したことになっている俺は、誰がどう聞いても3人を誑かしている尻軽クソ野郎だ。
ここまでくると、思い込みの激しいアイシャ先生も事態が飲み込めたようで、俺を汚物でも見るかのような目で見た。
「イアン君·········男の人を何人も弄ぶのが趣味なの──?」
突如口を挟んできたアイシャ先生に対してソラが、
「あなたは部外者だから消えてくれます?邪魔なので。」と言い放ち、先生は泣きながらその場を走り去っていった。
尚も言い合いを再開し始めたので、とうとう俺は耐えきれなくなり大声を出した。
「やめろよ!!ケンカするな!!レインもソラも······2人とも、俺のどこがいいんだ!?」
俺の声に反応し、3人三が言い合いをやめた。レインとソラは一度顔を見合わせた。
「それは········お前が馬鹿だからだ。礼儀知らずで不謹慎で、方向音痴で考えなしだろ?なのに何故だか放っておけないんだ。」
「うん。イアンの取り柄は顔だけで、意地悪で見栄っ張りなくせに、単純で直情的で優柔不断だ。すぐ気持ちよくなっちゃうし、本能に抗えない馬鹿だけど──そこがかわいくて仕方ないんだ。」
言い合いをやめてくれたのに、今度はそこまで言うかとばかりにけちょんけちょんにけなされ、俺はショックを受けてしまった。
「とりあえず、この場は一旦皆頭を冷やそう。勉強を見てあげるなら、図書室にしたらどうだ?二人きりじゃなく三人で。俺も時々見に行く。」
クラインの提案に、レインとソラはしぶしぶ納得した。俺はレインとソラに言われたことにダメージを受けたまま、下を向いて家に帰った。
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