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両親との決別
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ララがベッドで目を覚ますと、眠っているディアンの寝顔がそこにあった。
思えば、王宮では毎日一緒に寝ていたのに、寝顔を見たのは始めてだった。『人に寝顔を見せない。』それだけ毎日気を張っていたのだろうか、安心した子供のようなディアンの寝顔を見ていると、ララは愛しくなり、ディアンの頬にキスをした。すると、ディアンはゆっくりと目を開け、まるで幻かどうか確認するように、ララの頬を何度も触った。
「········ディアン、おはよう。」
「ララ、おはよう。夢じゃないんだね。ララが隣にいる。」
ララは微笑むと、ディアンに甘えるように寄り添った。
「ララ、聞きたかったことがあるんだ。どうして僕を待っててくれたの?」
「え?」
「実は半分諦めてたんだ。ララは、近くで君を支えてくれる人と······一緒になってるんじゃないかって思ってた。」
「ああそれは········ディアンが泣いてるんじゃないかと心配で。」
「泣く?僕が?」
「うん。私が待ってなかったら、ディアンは悲しんじゃうと思ったんです。きっとあなたには私しかいない、勝手にそう思ったんです。」
ディアンは幸せそうに微笑みながら、ララを抱き締めた。
「僕を心配してくれたんだ。ありがとうララ。その通りだ。僕には昔も今も、君しかいない。」
しばらく睦合った後、ディアンは名残惜しそうに部屋を出ていった。
しばらくしてから、レックスが帰宅した。レックスの服や髪が砂だらけだったので、ララは驚いた。
「兄さん······砂浜で寝てたの?」
「ああ······気にするな。シャワー浴びてくる。ララ、今日は外には出ずに、部屋でゆっくりしとけよ。」
ララの体調を気遣っての言葉だったが、ララはよく分からないまま「はぁい。」と返事をした。
それから、ディアンは正式にレックスの商会で働き始めた。仕事が終わり海に行くと、よくララはそこで帰りを待っていた。レックスとディアンでララを迎えに行くこともあれば、ディアン一人で迎えに行き、そのままディアンの家に泊まることもあった。
それから数ヵ月後、ララの妊娠が発覚した。ララはつわりが酷かった為、手助けがあった方がいいということになり、しばらくはアリソンのいる屋敷に帰ることになった。その際、レックスはしばらく仕事を休業して一緒に屋敷に帰ると言い出し、ネイサンやディアンを困惑させた。
「レックス、仕事なら僕が休むよ。それに、君がそこまでしなくても······社長だし、長期抜けられたら皆困るだろ。父親として、ララのことは僕が········」
「大丈夫!重要なことはネイサンに全て託してるから。それに、ディアンこそ今大事な時期だろ?仕事も覚えはじめだし、期待の新人が早々にいなくなったらそれこそ皆がっかりするぜ。ララのことは俺と母さんに任せて!何も心配しなくていい。」
レックスの言葉に、ネイサンは激しく頷いた。
「うん!その通りだ!レックスより、ディアンに抜けられた方が僕は困る。だってディアンがいると、まとまるはずのない商談が何故か決まってたりするし、レックスみたいに怒らないし、女性社員の士気も上がるしね!大賛成。」
「あ!?何だとネイサン·········!」
「ほら!そういうところだよ!お願いディアン!」
ディアンはすぐには承諾しかねたが、渋々レックスの提案に従った。王宮から突然去り、女性を妊娠させ再びディアンが王都に現れれば、人々の噂になることだろう。ララのことをあれこれ詮索されるのも嫌だった。何より、妊娠中のララの気持ちが分かるのは、同じ女性であるアリソン以外にいない。
結局、ララは妊娠期間中から、出産後、子どもが3ヶ月になる頃まではアリソンの屋敷で過ごした。
久しぶりに家族3人で過ごす時間は、濃密で特別なものとなった。
アリソンは子どもが産まれる前から大量のベビー服を縫い始めた。
「母さん、それ全部女の子用じゃん。男児かもしれないのに········」
「きっと女の子よ。ララとディアンに似た可愛くて優しい女の子。」
ここ最近鬱ぐことが多かったアリソンの幸せそうな姿を見て、レックスは胸のつかえが取れた気分になった。アリソンは、寝る前に必ずララの部屋に行き、お腹をさすりながら胎教をしているのにはさすがのレックスも呆れてしまった。
ララのお腹も膨らみが目立つようになった頃、赤ん坊の用品を買い出しに行こうと、ララとレックスが街に出掛けていた時のことである。街中で偶然、ララの両親であるファーレン夫妻に出会った。
「·················ララ??」
ファーレン婦人から声をかけられ、ララは最初呆けたようにしていたが、実の母親だと分かると途端に身構え、表情を固くした。
「レックス殿下!ご無沙汰しております。いつもララがお世話になっております······!!まさかララは·····殿下との間にお子が!?なんと喜ばしいことだ───!!」
ララの父親は、お腹の子の父親がレックスだと勘違いしたらしく、大袈裟な身振り手振りで妊娠を喜びはじめた。両親共に興奮している様子で、レックスは苦虫を噛み潰したような表情になった。
(娘が王族と子を作ったことで、また取り入ろうとしてるんだろ······!卑しい奴らめ!)
「───お言葉ですが········」
「あの!!」
レックスが口を開く前に、ララが一歩前に出てきて大きな声を出した。
「お腹の子はレックス様の子ではありません。あなた方はもう私の親ではありません!!」
ララがこのように憤り、強く主張するのを両親もレックスも見たことがなかった。一瞬怯んだファーレン夫妻だったが、すぐに婦人が口を開いた。
「ラ、ララ。今までごめんなさいね······ずっとあなたに辛い思いをさせたわ。家門のことばかり考えて、大事なことを忘れてた。─────仲直りしましょう?いなくなって分かったの。あなたは私達の大事な娘よ。お腹の赤ちゃんは、私達のかわいい孫。どうか、産まれたら私にも孫を抱かせて········」
ファーレン婦人は涙ながらに訴え、同情を誘った。
屋敷にいた時、ララは両親の、特に母の愛に飢えていた。絵本に出てくる優しい母親のように、『わたしのかわいい子』と抱き締めてほしかった。一緒におままごとをしてほしかったし、お絵描きをしたり、絵本を読んでほしかった。ファーレン婦人の言葉は、以前のララであれば涙を流して受け入れた言葉であっただろう。しかし、目の前にいるララの産みの母親は、一度たりともララに母親らしい愛情をくれたことはなかった。
「この子があなた達の孫だなんてとんでもないです。私の家族は、母のアリソン様と兄のレックス様、私の夫と、お腹にいるこの子だけです!!」
感情が乱れたララを心配したレックスは、「ララ、もう行こう」と言い、ララを連れてその場を去った。落ち着くために公園のベンチに座ったララは、しばらく嗚咽するほど泣いていた。
「ララ、大丈夫か?ごめんな守ってやれなくて·······」
レックスが心配そうに背中を擦ると、ララは涙を拭いて首を振った。
「ううん········私、もう大丈夫だと思ってた。あの人達のことはどうでもいいって。でも、さっき会った時、すごく悔しくなって──────愛されるはずがないのに、いつか愛してくれるって、ずっとずっと信じてた自分が········馬鹿みたいに思えて。それでさっき怒っちゃったの。」
「うん。辛いよな·········」
「────本当は、お姉様にも会いたい·····でも会えない·····!だって、私はお姉様からすごく嫌われてる。お姉様の大切な人を奪ったんだからしょうがないの。」
諦めたように泣くララが哀れで、レックスはララの肩を抱いてしばらく慰めていた。
ララを娼館に拉致したのは、姉のダリアの仕業ということは後にイリオから聞いた。ララもおそらく気づいてはいると思うが、そんなことをされてもなお、姉を慕っているというのがいじらしかった。
普段、ララ自身の悩みについてはあまり表に出さなかった。『自分は人に迷惑をかけるから、せめていつも笑っていよう。』と色んなことを堪えていた気がして、レックスはいたたまれない気持ちになった。
屋敷に帰ったララに泣いた跡があることに気が付いたアリソンはレックスを問い質した。事情を説明するとアリソンは激高し、今からファーレン家に抗議し、引導を渡してくると息巻いていたが、ララは笑って、
「今はここで、穏やかな気持ちで過ごしていたいです。あの人達に、もう怒りたくないです。」と言った為、強硬することはしなかった。
思えば、王宮では毎日一緒に寝ていたのに、寝顔を見たのは始めてだった。『人に寝顔を見せない。』それだけ毎日気を張っていたのだろうか、安心した子供のようなディアンの寝顔を見ていると、ララは愛しくなり、ディアンの頬にキスをした。すると、ディアンはゆっくりと目を開け、まるで幻かどうか確認するように、ララの頬を何度も触った。
「········ディアン、おはよう。」
「ララ、おはよう。夢じゃないんだね。ララが隣にいる。」
ララは微笑むと、ディアンに甘えるように寄り添った。
「ララ、聞きたかったことがあるんだ。どうして僕を待っててくれたの?」
「え?」
「実は半分諦めてたんだ。ララは、近くで君を支えてくれる人と······一緒になってるんじゃないかって思ってた。」
「ああそれは········ディアンが泣いてるんじゃないかと心配で。」
「泣く?僕が?」
「うん。私が待ってなかったら、ディアンは悲しんじゃうと思ったんです。きっとあなたには私しかいない、勝手にそう思ったんです。」
ディアンは幸せそうに微笑みながら、ララを抱き締めた。
「僕を心配してくれたんだ。ありがとうララ。その通りだ。僕には昔も今も、君しかいない。」
しばらく睦合った後、ディアンは名残惜しそうに部屋を出ていった。
しばらくしてから、レックスが帰宅した。レックスの服や髪が砂だらけだったので、ララは驚いた。
「兄さん······砂浜で寝てたの?」
「ああ······気にするな。シャワー浴びてくる。ララ、今日は外には出ずに、部屋でゆっくりしとけよ。」
ララの体調を気遣っての言葉だったが、ララはよく分からないまま「はぁい。」と返事をした。
それから、ディアンは正式にレックスの商会で働き始めた。仕事が終わり海に行くと、よくララはそこで帰りを待っていた。レックスとディアンでララを迎えに行くこともあれば、ディアン一人で迎えに行き、そのままディアンの家に泊まることもあった。
それから数ヵ月後、ララの妊娠が発覚した。ララはつわりが酷かった為、手助けがあった方がいいということになり、しばらくはアリソンのいる屋敷に帰ることになった。その際、レックスはしばらく仕事を休業して一緒に屋敷に帰ると言い出し、ネイサンやディアンを困惑させた。
「レックス、仕事なら僕が休むよ。それに、君がそこまでしなくても······社長だし、長期抜けられたら皆困るだろ。父親として、ララのことは僕が········」
「大丈夫!重要なことはネイサンに全て託してるから。それに、ディアンこそ今大事な時期だろ?仕事も覚えはじめだし、期待の新人が早々にいなくなったらそれこそ皆がっかりするぜ。ララのことは俺と母さんに任せて!何も心配しなくていい。」
レックスの言葉に、ネイサンは激しく頷いた。
「うん!その通りだ!レックスより、ディアンに抜けられた方が僕は困る。だってディアンがいると、まとまるはずのない商談が何故か決まってたりするし、レックスみたいに怒らないし、女性社員の士気も上がるしね!大賛成。」
「あ!?何だとネイサン·········!」
「ほら!そういうところだよ!お願いディアン!」
ディアンはすぐには承諾しかねたが、渋々レックスの提案に従った。王宮から突然去り、女性を妊娠させ再びディアンが王都に現れれば、人々の噂になることだろう。ララのことをあれこれ詮索されるのも嫌だった。何より、妊娠中のララの気持ちが分かるのは、同じ女性であるアリソン以外にいない。
結局、ララは妊娠期間中から、出産後、子どもが3ヶ月になる頃まではアリソンの屋敷で過ごした。
久しぶりに家族3人で過ごす時間は、濃密で特別なものとなった。
アリソンは子どもが産まれる前から大量のベビー服を縫い始めた。
「母さん、それ全部女の子用じゃん。男児かもしれないのに········」
「きっと女の子よ。ララとディアンに似た可愛くて優しい女の子。」
ここ最近鬱ぐことが多かったアリソンの幸せそうな姿を見て、レックスは胸のつかえが取れた気分になった。アリソンは、寝る前に必ずララの部屋に行き、お腹をさすりながら胎教をしているのにはさすがのレックスも呆れてしまった。
ララのお腹も膨らみが目立つようになった頃、赤ん坊の用品を買い出しに行こうと、ララとレックスが街に出掛けていた時のことである。街中で偶然、ララの両親であるファーレン夫妻に出会った。
「·················ララ??」
ファーレン婦人から声をかけられ、ララは最初呆けたようにしていたが、実の母親だと分かると途端に身構え、表情を固くした。
「レックス殿下!ご無沙汰しております。いつもララがお世話になっております······!!まさかララは·····殿下との間にお子が!?なんと喜ばしいことだ───!!」
ララの父親は、お腹の子の父親がレックスだと勘違いしたらしく、大袈裟な身振り手振りで妊娠を喜びはじめた。両親共に興奮している様子で、レックスは苦虫を噛み潰したような表情になった。
(娘が王族と子を作ったことで、また取り入ろうとしてるんだろ······!卑しい奴らめ!)
「───お言葉ですが········」
「あの!!」
レックスが口を開く前に、ララが一歩前に出てきて大きな声を出した。
「お腹の子はレックス様の子ではありません。あなた方はもう私の親ではありません!!」
ララがこのように憤り、強く主張するのを両親もレックスも見たことがなかった。一瞬怯んだファーレン夫妻だったが、すぐに婦人が口を開いた。
「ラ、ララ。今までごめんなさいね······ずっとあなたに辛い思いをさせたわ。家門のことばかり考えて、大事なことを忘れてた。─────仲直りしましょう?いなくなって分かったの。あなたは私達の大事な娘よ。お腹の赤ちゃんは、私達のかわいい孫。どうか、産まれたら私にも孫を抱かせて········」
ファーレン婦人は涙ながらに訴え、同情を誘った。
屋敷にいた時、ララは両親の、特に母の愛に飢えていた。絵本に出てくる優しい母親のように、『わたしのかわいい子』と抱き締めてほしかった。一緒におままごとをしてほしかったし、お絵描きをしたり、絵本を読んでほしかった。ファーレン婦人の言葉は、以前のララであれば涙を流して受け入れた言葉であっただろう。しかし、目の前にいるララの産みの母親は、一度たりともララに母親らしい愛情をくれたことはなかった。
「この子があなた達の孫だなんてとんでもないです。私の家族は、母のアリソン様と兄のレックス様、私の夫と、お腹にいるこの子だけです!!」
感情が乱れたララを心配したレックスは、「ララ、もう行こう」と言い、ララを連れてその場を去った。落ち着くために公園のベンチに座ったララは、しばらく嗚咽するほど泣いていた。
「ララ、大丈夫か?ごめんな守ってやれなくて·······」
レックスが心配そうに背中を擦ると、ララは涙を拭いて首を振った。
「ううん········私、もう大丈夫だと思ってた。あの人達のことはどうでもいいって。でも、さっき会った時、すごく悔しくなって──────愛されるはずがないのに、いつか愛してくれるって、ずっとずっと信じてた自分が········馬鹿みたいに思えて。それでさっき怒っちゃったの。」
「うん。辛いよな·········」
「────本当は、お姉様にも会いたい·····でも会えない·····!だって、私はお姉様からすごく嫌われてる。お姉様の大切な人を奪ったんだからしょうがないの。」
諦めたように泣くララが哀れで、レックスはララの肩を抱いてしばらく慰めていた。
ララを娼館に拉致したのは、姉のダリアの仕業ということは後にイリオから聞いた。ララもおそらく気づいてはいると思うが、そんなことをされてもなお、姉を慕っているというのがいじらしかった。
普段、ララ自身の悩みについてはあまり表に出さなかった。『自分は人に迷惑をかけるから、せめていつも笑っていよう。』と色んなことを堪えていた気がして、レックスはいたたまれない気持ちになった。
屋敷に帰ったララに泣いた跡があることに気が付いたアリソンはレックスを問い質した。事情を説明するとアリソンは激高し、今からファーレン家に抗議し、引導を渡してくると息巻いていたが、ララは笑って、
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