40 / 50
イリオの追跡
しおりを挟む
ライラが女の子ではなく、イリオという男の子だったと知り、一瞬驚いたララであったが、すぐにぱぁっと笑顔になった。
「イリオ·····初めまして·····私はララ。あなたって······すごく·····最高だわ!!かわいい女の子であり、かっこいい男の子でもあるのね!?物語の主人公みたい!!」
興奮気味に話すララにイリオは苦笑した。
「そこは怒るところだろ?騙したわね!とか·······ララって本当に変わってる。」
「でも、どうしてイリオはここにいるの?私は、確か王宮を出ようとしたら気を失って······気が付いたらあそこにいたのよ。」
◇
【~数時間前、王宮~】
イリオは、ララが王宮に連れてこられてからというもの、ララの様子が気になり、何度も別棟の様子を見に来ていた。
ララは時々、女騎士と庭園に出ることがあり、その際にララの姿を垣間見ることができるからだ。
ララは元気な様子で、いつもの笑顔を見せていた。イリオよりも先に、ディアンのものになってしまったことは痛恨の極みだが、ララが不幸せなのは一番嫌だった。
そんな時、ディアンが5日間王宮を不在にすると聞き、なんとなく気になっていつもより頻繁に様子を伺っていた。
数日前、ララの侍女とダリアの侍女が、王宮の裏で何やら話している現場を見た。話の内容までは聞こえなかったが、明らかに只ならぬ雰囲気であり、ララの侍女は思い詰めたような顔をしていた為、これは何かあるなと思っていた。
そうして、ディアンが遠征に出て3日目の早朝、誰にも見られていない裏口の方で、ララが何者かに口を押さえられ、馬車に乗せられている現場を見た。
その際はお付きのものはおらず、イリオ一人だった為、とっさに馬車の荷台に乗り込み身を隠した。誰かが気付くよう、荷台にあったロープを少し垂らし、馬車の行き先が辿れるようにしておいた。
そして、馬車が到着した場所はなんと、隠された娼館だった。
イリオも存在は知っていたが、証拠は掴めずにいた。特殊な性癖を持つ有力者達が、金や権力と引き換えに、世間から隔離された、わけありの令嬢達を買うというような、売春が行われている秘密の場所だ。
売られた女達は身体を弄ばれ、死んだとしても、人知れず処分され、闇に葬られた。
完全に違法行為ではあるが、この娼館に関わっているのが王妃であり、表沙汰にならないよう巧妙に隠されているというところまでは掴んでいた。
有力者達の支持を得ることを見返りに、世間からは探されない、訳ありの令嬢達を娼館へ斡旋しているという噂だった。
それが、まさかこんなところで見つかるとは思わなかった。
(ララはやっぱり俺の女神だ·······!!王妃の不正を暴く証拠になる·····!)
意気揚々と娼館に潜入したのはいいものの、ララがピンチになった為、一旦ララを連れ出し逃げたのだった。
そんな事情は全く知らないララは、はっとして急に焦りだした。
「イリオ!私、ディアン殿下のところに行きたいんです。落馬して、意識がないって·······侍女のリサから聞いたんだけど、リサもいなくなってしまって────」
「ああ、それは嘘だ。侍女に騙されたんだよ。ディアンが事故にあっただなんて報告は受けてないし、そもそもララをそこに連れていくはずがない。きっと何か脅されてたんだろ。今頃は、金をたっぷりもらって、見知らぬ土地で遊んで暮らしてるさ。ディアンに見つかったら斬首刑だな。はは!」
ララは呆然とした様子で、
「嘘?─────良かった·······」
と呟いた。それを聞いたイリオは呆れた声を出した。
「良かった?侍女に騙されて、こんなところまで拐われたのにか?俺が来なかったら、誰にも気付かれずに一生あの娼館で汚いオヤジの相手をさせられるか、ひどい目に合って殺されるか······どちらかしかなかったのに、───良かった?」
「··········はい。殿下が無事なら、良かったです。それに·········リサは捕まってほしくないです。最後に泣いてた。捕まったらきっと──ひどい目に合うから···········」
「───ララ。お人好しもいい加減にしろ。そんなんじゃ、命がいくつあっても足りないぞ。王宮はこういうところなんだよ。一瞬の油断が生死を分けるんだ。」
イリオから怒られた気がして、ララは肩を落とした。
「あーもういいから!ここじゃ臣下に見つけてもらえない。よく見えるところで待つぞ。そのうち俺たちを探しに来る。」
イリオはララの手を引き、街の通りに面した宿屋に入っていった。
「失礼!しばらくの時間で構わない。俺たちを上の部屋に置いてくれ。窓から通りが見える部屋がいい。着替えも貸せ。」
店主は、濡れ鼠になっているイリオとララを訝しげな顔で見た。
「お前達·······見るからに子どもだな。偉そうに何様だ?金はあるのか!?」
「金はない。だが、助けてくれたら礼はする。この恩は貸しておくべきだと思うぞ。」イリオは全く下手に出ることなく、ララですらとても偉そうだと感じた。内心ドキドキしたが、店主の妻が店主に耳打ちし、すぐに部屋に通された。イリオやララの容姿からして平民ではないし、濡れているところをみると、何者かから逃げている貴族かもしれない、ここで恩を売っておこうと店主達は判断したのだった。
部屋に入ると、窓から通りを行き交う人や馬車がよく見えた。イリオは窓際に腰掛け、ふぅと息を着いた。
「あ、あの········ライ····イリオ、今日は助けてくれてありがとう。ごめんね、こんなことになって。」
「いや。今日は最高の1日だ。まさかこんなに収穫があるなんて思ってもみなかった!ある意味、ララを陥れようとした人間に感謝だな。まぁ、誰かはもう分かってはいるが········それに、久しぶりに楽しかった。」
「た、楽しい??」
「ああ。目的地も分からない馬車に揺られ、囚われた女の子を助けて死に物狂いで逃げた。本当に······冒険みたいだっただろ?」
ララは少し考えたあと、クスリと笑った。
「うん·········私、あんなに高いところから川に飛び込んだの産まれて初めてだった。それに、私を助け出してくれた女の子は実は男の子だった。それってすごく───面白いわ!」
2人はなんだか可笑しくなり、笑いが止まらなくなった。その時、ララはふとイリオに気になっていたことを聞いてきた。
「でも·······イリオは王宮に住んでるんだよね?イリオはどんな人なの?」
「あー········偉い人の子どもだ。」
「へぇ。そうなんだ!」
ララは納得したようで、ニコッと笑って他の話を始めた。
イリオが肘をついて通りを眺めていると、ララがじっとイリオの顔を見ていることに気が付いた。あまり見られることに慣れないイリオは、なんとなく気恥ずかしくなり照れ隠しを言った。
「·········何?俺の美貌に見惚れてるのか?」
「うん······こうして見ると男の子にしか見えないなぁって────でも、ライラもイリオもどっちも素敵よ。きれいで頭が良くて勇気があって········すごく偉そうなところが。」
「───最後の言葉は余計だろ。」
イリオは顔が赤くなるのを隠すため外の方を向いた。
その時、通りの向こう側から走ってきた一際目立つ馬車があった。王家の紋章がついている。
「やっと来やがった。」
イリオは立ち上がると、窓から身を乗り出し、こちらに走ってくる馬車に向かって大声で叫んだ。
「おい!!見つけるのにいつまでかかってるんだよ!遅いぞ!!!」
すぐに馬車は道の真ん中で止まり、中から数人の男達が降りてきた。中から騎士達が数名降りてきて、イリオの姿を見つけると、一目散に宿屋の2階へ上がってこようとした。
騎士達に続いて馬車から降りてきた人物を見て、ララはあっと声をあげた。
「············兄さん??」
窓から顔を出すララの姿を見たレックスはひどく驚いていた。
「───ララか!?そこで待ってろ!!すぐに行く───!!!」
レックスの姿を見たイリオは、
「何であいつがいるんだ·····?」
と不満そうな声を漏らしていた。
「イリオ·····初めまして·····私はララ。あなたって······すごく·····最高だわ!!かわいい女の子であり、かっこいい男の子でもあるのね!?物語の主人公みたい!!」
興奮気味に話すララにイリオは苦笑した。
「そこは怒るところだろ?騙したわね!とか·······ララって本当に変わってる。」
「でも、どうしてイリオはここにいるの?私は、確か王宮を出ようとしたら気を失って······気が付いたらあそこにいたのよ。」
◇
【~数時間前、王宮~】
イリオは、ララが王宮に連れてこられてからというもの、ララの様子が気になり、何度も別棟の様子を見に来ていた。
ララは時々、女騎士と庭園に出ることがあり、その際にララの姿を垣間見ることができるからだ。
ララは元気な様子で、いつもの笑顔を見せていた。イリオよりも先に、ディアンのものになってしまったことは痛恨の極みだが、ララが不幸せなのは一番嫌だった。
そんな時、ディアンが5日間王宮を不在にすると聞き、なんとなく気になっていつもより頻繁に様子を伺っていた。
数日前、ララの侍女とダリアの侍女が、王宮の裏で何やら話している現場を見た。話の内容までは聞こえなかったが、明らかに只ならぬ雰囲気であり、ララの侍女は思い詰めたような顔をしていた為、これは何かあるなと思っていた。
そうして、ディアンが遠征に出て3日目の早朝、誰にも見られていない裏口の方で、ララが何者かに口を押さえられ、馬車に乗せられている現場を見た。
その際はお付きのものはおらず、イリオ一人だった為、とっさに馬車の荷台に乗り込み身を隠した。誰かが気付くよう、荷台にあったロープを少し垂らし、馬車の行き先が辿れるようにしておいた。
そして、馬車が到着した場所はなんと、隠された娼館だった。
イリオも存在は知っていたが、証拠は掴めずにいた。特殊な性癖を持つ有力者達が、金や権力と引き換えに、世間から隔離された、わけありの令嬢達を買うというような、売春が行われている秘密の場所だ。
売られた女達は身体を弄ばれ、死んだとしても、人知れず処分され、闇に葬られた。
完全に違法行為ではあるが、この娼館に関わっているのが王妃であり、表沙汰にならないよう巧妙に隠されているというところまでは掴んでいた。
有力者達の支持を得ることを見返りに、世間からは探されない、訳ありの令嬢達を娼館へ斡旋しているという噂だった。
それが、まさかこんなところで見つかるとは思わなかった。
(ララはやっぱり俺の女神だ·······!!王妃の不正を暴く証拠になる·····!)
意気揚々と娼館に潜入したのはいいものの、ララがピンチになった為、一旦ララを連れ出し逃げたのだった。
そんな事情は全く知らないララは、はっとして急に焦りだした。
「イリオ!私、ディアン殿下のところに行きたいんです。落馬して、意識がないって·······侍女のリサから聞いたんだけど、リサもいなくなってしまって────」
「ああ、それは嘘だ。侍女に騙されたんだよ。ディアンが事故にあっただなんて報告は受けてないし、そもそもララをそこに連れていくはずがない。きっと何か脅されてたんだろ。今頃は、金をたっぷりもらって、見知らぬ土地で遊んで暮らしてるさ。ディアンに見つかったら斬首刑だな。はは!」
ララは呆然とした様子で、
「嘘?─────良かった·······」
と呟いた。それを聞いたイリオは呆れた声を出した。
「良かった?侍女に騙されて、こんなところまで拐われたのにか?俺が来なかったら、誰にも気付かれずに一生あの娼館で汚いオヤジの相手をさせられるか、ひどい目に合って殺されるか······どちらかしかなかったのに、───良かった?」
「··········はい。殿下が無事なら、良かったです。それに·········リサは捕まってほしくないです。最後に泣いてた。捕まったらきっと──ひどい目に合うから···········」
「───ララ。お人好しもいい加減にしろ。そんなんじゃ、命がいくつあっても足りないぞ。王宮はこういうところなんだよ。一瞬の油断が生死を分けるんだ。」
イリオから怒られた気がして、ララは肩を落とした。
「あーもういいから!ここじゃ臣下に見つけてもらえない。よく見えるところで待つぞ。そのうち俺たちを探しに来る。」
イリオはララの手を引き、街の通りに面した宿屋に入っていった。
「失礼!しばらくの時間で構わない。俺たちを上の部屋に置いてくれ。窓から通りが見える部屋がいい。着替えも貸せ。」
店主は、濡れ鼠になっているイリオとララを訝しげな顔で見た。
「お前達·······見るからに子どもだな。偉そうに何様だ?金はあるのか!?」
「金はない。だが、助けてくれたら礼はする。この恩は貸しておくべきだと思うぞ。」イリオは全く下手に出ることなく、ララですらとても偉そうだと感じた。内心ドキドキしたが、店主の妻が店主に耳打ちし、すぐに部屋に通された。イリオやララの容姿からして平民ではないし、濡れているところをみると、何者かから逃げている貴族かもしれない、ここで恩を売っておこうと店主達は判断したのだった。
部屋に入ると、窓から通りを行き交う人や馬車がよく見えた。イリオは窓際に腰掛け、ふぅと息を着いた。
「あ、あの········ライ····イリオ、今日は助けてくれてありがとう。ごめんね、こんなことになって。」
「いや。今日は最高の1日だ。まさかこんなに収穫があるなんて思ってもみなかった!ある意味、ララを陥れようとした人間に感謝だな。まぁ、誰かはもう分かってはいるが········それに、久しぶりに楽しかった。」
「た、楽しい??」
「ああ。目的地も分からない馬車に揺られ、囚われた女の子を助けて死に物狂いで逃げた。本当に······冒険みたいだっただろ?」
ララは少し考えたあと、クスリと笑った。
「うん·········私、あんなに高いところから川に飛び込んだの産まれて初めてだった。それに、私を助け出してくれた女の子は実は男の子だった。それってすごく───面白いわ!」
2人はなんだか可笑しくなり、笑いが止まらなくなった。その時、ララはふとイリオに気になっていたことを聞いてきた。
「でも·······イリオは王宮に住んでるんだよね?イリオはどんな人なの?」
「あー········偉い人の子どもだ。」
「へぇ。そうなんだ!」
ララは納得したようで、ニコッと笑って他の話を始めた。
イリオが肘をついて通りを眺めていると、ララがじっとイリオの顔を見ていることに気が付いた。あまり見られることに慣れないイリオは、なんとなく気恥ずかしくなり照れ隠しを言った。
「·········何?俺の美貌に見惚れてるのか?」
「うん······こうして見ると男の子にしか見えないなぁって────でも、ライラもイリオもどっちも素敵よ。きれいで頭が良くて勇気があって········すごく偉そうなところが。」
「───最後の言葉は余計だろ。」
イリオは顔が赤くなるのを隠すため外の方を向いた。
その時、通りの向こう側から走ってきた一際目立つ馬車があった。王家の紋章がついている。
「やっと来やがった。」
イリオは立ち上がると、窓から身を乗り出し、こちらに走ってくる馬車に向かって大声で叫んだ。
「おい!!見つけるのにいつまでかかってるんだよ!遅いぞ!!!」
すぐに馬車は道の真ん中で止まり、中から数人の男達が降りてきた。中から騎士達が数名降りてきて、イリオの姿を見つけると、一目散に宿屋の2階へ上がってこようとした。
騎士達に続いて馬車から降りてきた人物を見て、ララはあっと声をあげた。
「············兄さん??」
窓から顔を出すララの姿を見たレックスはひどく驚いていた。
「───ララか!?そこで待ってろ!!すぐに行く───!!!」
レックスの姿を見たイリオは、
「何であいつがいるんだ·····?」
と不満そうな声を漏らしていた。
171
お気に入りに追加
426
あなたにおすすめの小説
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
私の、お優しい婚約者サマ
325号室の住人
恋愛
とある乙女ゲームの世界に転生した伯爵家のご令嬢アマンダ。
婚約者は公爵家の嫡男(のほほん・ぽっちゃり系男子)。
乙女ゲームには何の関係もなかった2人だけれど…
☆全5話 完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる