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22話 両家の話し合い3
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ファーロウ家とオルドリッジ子爵家の面々に見守られながら…
父親にクレマンとの婚約をどうしたいかを問われ、『私は… 今までのように… クレマンを信じる自信がありません…』とミレイユは今の正直な気持ちを伝えた。
「……っ」
私自身も、何の疑いもなくクレマンを純粋に信じていた、以前の自分に戻りたいわ…? だって、クレマンはパトリシアと浮気はしていなくて… クレマンが私を裏切ってはいなかったとわかったから。
でも…?!
それ以上の言葉を、ミレイユは上手く伝えることが出来なくて、黙りこんでしまう。
そんなミレイユに、父親はおだやかな笑みを浮かべて、もう一度たずねた。
「ミレイユ… それはクレマン君と婚約解消を、したいという意味かな?」
「いえ、それは… お父さま… あの…っ?!」
浮気していないのは理解したわ! でも、また何かあれば私よりも、他人を優先するのではないかと…? あんな風にされるのは、もう2度と嫌だわ!
「クレマン君を信じられないなら、婚約は解消した方が良い… 幸いにも、この婚約は政略的なものではないし、お前たちの気持ち次第で、決めても良いんだよ?」
おだやかに笑っていても、父も兄も母も… 今回のクレマンの行動にがっかりしていて、かなり怒っている。
本心ではミレイユの婚約を止めさせたいが… ミレイユの気持ちを尊重してくれた。
「婚約解消したら、後悔しそうで… お父様… 私、怖くて簡単には決められないの……?」
結婚したいと思うほど好きになったクレマンを、こんなに簡単にあきらめても良いのか? そんな疑問が、心の底から湧きあがってきて… 本当にどうすれば良いのか、わからないの?!
「ミレイユ…」
「クレマンを嫌いになったわけではないから… 迷ってしまうの…!」
ここで別れてしまったら、すぐに後悔して… さびしくて苦しい思いをするのではないかと… とても怖いわ?!
クレマンの行動で、また傷つけられるのではないかという不安。
クレマンを失うのが怖いと思う、恋愛感情を多くふくんだ執着心。
2つの思いが、グルグルとミレイユの中で回って、心が迷っているのだ。
当のクレマンは下を向き、ギュッ… と瞳を閉じて… どんな内容でも、ミレイユの決断をすべて受け入れようとひたすら待っている。
オルドリッジ子爵夫妻も、静かにミレイユの決断を待っている。
ファーロウ家の応接間にシーン… と沈黙が広がった。
「ミレイユが決められないのなら… ミレイユが決められるように、クレマン自身が変われば良い!」
迷いに迷い、かわいそうなほど、追いつめられてしまったミレイユを見て…
それまで黙って事の成り行きを傍観していた、兄のルドヴィクが口を開いた。
父親にクレマンとの婚約をどうしたいかを問われ、『私は… 今までのように… クレマンを信じる自信がありません…』とミレイユは今の正直な気持ちを伝えた。
「……っ」
私自身も、何の疑いもなくクレマンを純粋に信じていた、以前の自分に戻りたいわ…? だって、クレマンはパトリシアと浮気はしていなくて… クレマンが私を裏切ってはいなかったとわかったから。
でも…?!
それ以上の言葉を、ミレイユは上手く伝えることが出来なくて、黙りこんでしまう。
そんなミレイユに、父親はおだやかな笑みを浮かべて、もう一度たずねた。
「ミレイユ… それはクレマン君と婚約解消を、したいという意味かな?」
「いえ、それは… お父さま… あの…っ?!」
浮気していないのは理解したわ! でも、また何かあれば私よりも、他人を優先するのではないかと…? あんな風にされるのは、もう2度と嫌だわ!
「クレマン君を信じられないなら、婚約は解消した方が良い… 幸いにも、この婚約は政略的なものではないし、お前たちの気持ち次第で、決めても良いんだよ?」
おだやかに笑っていても、父も兄も母も… 今回のクレマンの行動にがっかりしていて、かなり怒っている。
本心ではミレイユの婚約を止めさせたいが… ミレイユの気持ちを尊重してくれた。
「婚約解消したら、後悔しそうで… お父様… 私、怖くて簡単には決められないの……?」
結婚したいと思うほど好きになったクレマンを、こんなに簡単にあきらめても良いのか? そんな疑問が、心の底から湧きあがってきて… 本当にどうすれば良いのか、わからないの?!
「ミレイユ…」
「クレマンを嫌いになったわけではないから… 迷ってしまうの…!」
ここで別れてしまったら、すぐに後悔して… さびしくて苦しい思いをするのではないかと… とても怖いわ?!
クレマンの行動で、また傷つけられるのではないかという不安。
クレマンを失うのが怖いと思う、恋愛感情を多くふくんだ執着心。
2つの思いが、グルグルとミレイユの中で回って、心が迷っているのだ。
当のクレマンは下を向き、ギュッ… と瞳を閉じて… どんな内容でも、ミレイユの決断をすべて受け入れようとひたすら待っている。
オルドリッジ子爵夫妻も、静かにミレイユの決断を待っている。
ファーロウ家の応接間にシーン… と沈黙が広がった。
「ミレイユが決められないのなら… ミレイユが決められるように、クレマン自身が変われば良い!」
迷いに迷い、かわいそうなほど、追いつめられてしまったミレイユを見て…
それまで黙って事の成り行きを傍観していた、兄のルドヴィクが口を開いた。
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