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一章 転生

第六話 配信間近 前編

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「ふわぁ~おばあちゃんおはよう~」

『結衣おはよ。ご飯できてるからね。』
 
「あれ?おじいちゃんは?」

『おじいちゃんはまだ寝てるよ。』

「じゃあ私おじいちゃん起こしてくるね!」

――――――――――――――――――――――――――
"ガチャッ"

「おじいちゃん起きて!」

《ん?あぁ結衣かおはよ。》

「結衣か、じゃないよ!早く起きて!ご飯食べるよ!」

《わかったわかった。今行くから結衣は先に下に行っとってくれ。》

「うん!それじゃ下でね。」

 私はいつも通り話せているだろうか。初配信の緊張をおじいちゃんおばあちゃんに見せていないだろうか。私は初配信のことをおじいちゃんおばあちゃんには話していない。

 だって恥ずかしいじやないか。自分が普段と違う見た目で普段と違う口調、テンションで話しているのを家族に見られるのは。機材を買ってもらった以上配信を見せるのが筋であるのは分かってはいるものの恥ずかしくて言えていない。

 無論、聞かれたら答えるつもりではある。けど自分からそのことを告げる勇気が出ない。それに……私きっかけでVTuberに沼ったらと思うとちょっと怖い。おじいちゃんおばあちゃんが推しについて話してるのを見るのはちょっと私的にはしんどいのだ。

「いただきま~す。」

《いただきます。》

『はい、いただきます。』

『そういえばVTuberっていうのになりたいって前言ってたけど準備は順調?』

「うん!もちろんだよ!」

《困ったらおじいちゃんに相談するんだぞ!わしも力になりたくて最近VTuberについて勉強しててな、調べていく中で若い人を中心に人気だってわかった時は絵が動いてるだけなのに何でこんなに人気なのかと疑問に思った。だが違ったんじゃ。》

 おいおいおい!嘘だろ?おじいちゃんVTuberに沼った?さっきまで考えてたのフラグだったん?やめてくれ!!その先を言わないでくれ!

《絵が動いているっていうのはVTuberの本質じゃなかったんじゃな。VTuberにとってガワは確かに重要な要素じゃ。じゃがそれだけでは人気なんて出ない。1番重要なのは演者、所謂中の人だったんじゃ。》

 やめろ……やめてくれ!やめろよォォォォ!!

《彼ら彼女らの笑顔。そして時より見せるあざとい仕草。卓越したトークスキル、歌声、ゲームスキル、リアクション。それがあるからこそVTuberというものは人を惹きつけ続けているのだと知ったんじゃよ。》

あ゙ァァァァァァァァァ(´°̥ω°̥`)

《かく言うわしも推しができて……》

『おじいちゃん、その話はこれくらいにしましょ?』

(〃´o`)フゥ…

《あぁそうじゃったそうじゃった。本題なんじゃが、結衣と似た声のVTuberを見つけんじゃよ。》

(’ω’)ファッ!!?
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