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「雪ちゃんが謝ることなんてないんだ。俺たちが雪ちゃんに頼りすぎちまっただけで、もともと雪ちゃんの仕事は薬売りなんだ。治療も看病も雪ちゃんの仕事じゃねぇし、それの金も取ってねぇんだろ? 雪ちゃんはゆっくり身体を治してくれ」
「そ、そうだよッ。俺たちが頼りすぎちまっただけだ。雪ちゃんが倒れるまで気づかなくって――」
悪かった、と次々に頭を下げる男達に、雪也は慌てながらも〝ありがとう〟と口にし、遠慮はしなかった。それが男達には随分と儚く、そして可愛く見えたのだろうか、男達はこぞって雑事を買って出ようとしては女将や周たちに止められていた。口々に安静に、身体を大事にと言う彼らの様子をみるに、少なくともしばらくは庵の前に患者を放置されたりすることはないだろう。
雪也が胸の内でそっと息をついた時、女将がパンパンと手を叩いて口々に雪也に話す男達を止める。
「気持ちはわかるけど、雪ちゃんのことを考えるなら長居は無用だよ。私らがいちゃぁ、雪ちゃんもゆっくり休めないだろう。雪ちゃん、薬はあるね? なら、私らは一度帰るよ。周ちゃん、由弦ちゃん、何かあったら夜中でも遠慮せずに走ってきな。いいね?」
「そ、そうだよッ。俺たちが頼りすぎちまっただけだ。雪ちゃんが倒れるまで気づかなくって――」
悪かった、と次々に頭を下げる男達に、雪也は慌てながらも〝ありがとう〟と口にし、遠慮はしなかった。それが男達には随分と儚く、そして可愛く見えたのだろうか、男達はこぞって雑事を買って出ようとしては女将や周たちに止められていた。口々に安静に、身体を大事にと言う彼らの様子をみるに、少なくともしばらくは庵の前に患者を放置されたりすることはないだろう。
雪也が胸の内でそっと息をついた時、女将がパンパンと手を叩いて口々に雪也に話す男達を止める。
「気持ちはわかるけど、雪ちゃんのことを考えるなら長居は無用だよ。私らがいちゃぁ、雪ちゃんもゆっくり休めないだろう。雪ちゃん、薬はあるね? なら、私らは一度帰るよ。周ちゃん、由弦ちゃん、何かあったら夜中でも遠慮せずに走ってきな。いいね?」
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