必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 雪也一人が住むことを想定して与えられた庵であるのでさほど広くはなく、人数が増えれば増えるほど狭くはなってしまうが、それさえ了承してくれるなら雪也の方で拒むことは無い。この場で言う必要も無いので湊に告げることはしないが、サクラへの偏見に苦しんだ由弦はもちろん、辛い目に遭っていた周も湊が金髪碧眼であるという理由だけで嫌悪し排除しようとすることは無い。仲良くなれるかは本人次第であるだろうが、そのきっかけになるくらいは良いだろう。
 湊が何を思って寂しそうな瞳をしていたのかは知らない。無理に聞く気もないが、その苦しみが少しでも無くなれば良いと願う。
「……雪也は、お人よしだね? いつか騙されちゃいそうだ」
 照れ隠しだろうか、そっぽを向いて湊はそんなことを言うが、その頬がほんのりと赤く染まっているため本心では嫌がっていないことがわかる。そんなわかりやすい湊の反応に、雪也と蒼はクスリと笑った。
「良いんだ。同じ時間を生きるなら、誰かを傷つけるより、誰かに優しくした方がきっと良い。それに、これでも騙された経験は一度もないからね」
 それなりに人は見ている。だから安心して遊びに来たら良いと言う雪也にこれ以上ひねくれたことを言うのは躊躇われて、湊は苦笑しながら頬を掻いた。

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