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「……って、おい! 俺だけがやらかしたみたいになってるぞ! 周だってクソ変態言ってたじゃねぇか! ついでに言ったら雪也だってクソ変態連呼どころか、クズクソ変態って言ってただろ!」
「お願い由弦、ちょっと黙って」
 由弦の叫びに雪也が額に手を当てながら俯くが、一度声にされた言葉は戻らないし、聞こえなかったことにもならない。弥生たちの視線が雪也に向けられた。
「随分と雪也も言うようになったな。優の影響だろうか」
「いや、これは弥生でしょ? 僕には微笑みながら〝クズクソ変態〟なんて言う度胸はないよ」
「嘘八百もここまで堂々とされると、いっそ清々しいものだ」
「嘘じゃないけどね。僕はほら、臆病だから。きっともう少し前にここに来ていたら恐ろしくて声もでなかったと思うよ」
「むしろお前は嬉々として言うだろう。〝クズクソ変態〟なんて可愛らしいと思えるくらい、エゲつないことを言うだろう。断言してやっても言い」
「まさか。弥生には負けるよ」
 ふふふ、あはは、と笑いながら交わされる弥生と優の顔に雪也達が顔を引きつらせる。そんな彼らを見て、紫呉はため息をつきながら主と同胞に視線を向けた。
「おい、そこらへんにしとけって。心配しなくても、普通にお前ら二人ともエゲつねぇし、容赦もねぇよ。胸張っていいぜ」
 弥生や優に比べれば雪也たちの悪態など可愛いものだ。そう言い切った紫呉に弥生も優もそろって「そんなことは無い」と否定するが、残念ながらその言葉を信じる者はこの場に一人もいないだろう。
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