19 / 26
第四章
第二話
しおりを挟む
俺たちは昼飯を済ませ、昨日同様に2年7組に来ていた。
「なら早速お願いできる?」
今回の依頼者、如月先輩はそう尋ねてきた。
「わかりました」
俺は先輩にそう応える。その応えを受け、先輩は教室に入り、たむの所へ。
「野中さん。1年生の明坂君が呼んでるよ」
先輩がそう野中たむに話しかける。
「わかった、ありがとう」
たむは如月先輩にそう返し、こっちにやって来る。
その瞬間だった。
「翔くん久しぶり~!」
そう言ってたむは俺に抱きついてきた。
「同じ学校だったんだね。分かってたなら早く言ってほしかったのに」
「最近知ったからさ、それで挨拶にと思って」
「そうだったんだ。にしてもホント久しぶり。電話越しじゃないのは小学校以来?」
「多分ね。それよりどう?学校生活は?」
「普通に楽しいよ。翔くんは?」
「正直に言えば面倒くさい」
「まぁ気持ちはわからないこともないけど。あっそうだ、部活とかは?何かしてる?」
「……」
「どうしたの?」
「一応してるはしてるんだけど、乗り気じゃないというか、不本意というか……」
「なんて部活なの?」
「SWC」
「ルー・○ーズでもいるの?」
「いや、簡単に言うとなんでも部的な感じ」
「なんか聞いたことがあるような無いような……」
「たむは何かしてる?」
「私は麻雀部だよ」
「そんなのあったんだ。てか、知ってたら絶対入ってたのにな」
「だよね~。だから誘おうとしたんどけど」
くっ…遅かったか……
「他はどう?勉強とか、恋愛とか」
「勉強は普通にやってるけど恋愛はあいにく出会いがなくてね、って高校生だからそんなんだろうけど」
「あのたむを呼びに行ったあの人は?優しそうだけど」
「あぁ如月くん?良い人なのは分かるけど特に、って感じだね」
「たむは結構正直だな」
「嘘ついても仕方ないから」
「なら俺はそろそろ教室に帰るよ」
「うんわかった。あっ、翔くんって何組?」
「5組。この1個上の階」
「うん、ありがとう。それじゃあね」
そう言って、俺は自分の教室へと帰っていった。
「それでどうだったわけ?」
教室に戻るなり葉月がそう聞いてくる。
「良い人とは言っていたけど、脈は無いな」
「にしても翔、随分と仲良さそうだったね」
少し低めのトーンで雫が聞いてくる。
「一応いとこだからな。それに最近はよく電話してるし」
「そう」
雫は不機嫌そうに返す。どうしたんだ?急に態度が不機嫌そうになって。俺何もしてないよな?ちなみにというと、俺がたむと話しているとき、葉月、彼方、雫は廊下の隅から様子を見ていた。
「とりあえず放課後にまた話しましょう」
葉月がそう言うとほぼ同時にチャイムが鳴り響く。俺たちは各々、授業の準備を始めた。
「さて、どうする?」
葉月は俺たちにそう問いかけてきた。
「野中さんは俺に対して悪い印象はないが、それと同時に脈も無い、ってことだよね」
如月先輩が俺たちに確認を取ってくる。
「俺が聞く限りじゃそんな感じですね」
実際、たむも相当モテてるらしいからな。小学校の時なんか先生から告白されてたくらいだからな。普通に犯罪だってのに。全国の先生方、気をつけて。
「それでどうする?というかどうしたいわけ?」
葉月が改めて如月先輩に問いかける。
「俺としては諦めたくはないけど、モチベがな……」
脈無しとわかっているのは結構辛いだろうに……
「明坂君、野中のタイプとかそう言うの知らない?」
「タイプ……でもそういえば昔、勝つ人がかっこいいって言ってましたよ」
確か、小学校5年生とかの時に言ってたはず。
「勝つ人が……」
「勝つって何にでもいいのかい?」
今度は彼方が尋ねる。
「それはわからないが、その時は麻雀だったな」
「なら麻雀で勝つのが良いってことだよな」
如月先輩?何言ってんの?急に。
「俺は野中に麻雀で勝つ姿を見せて、告白してやる!」
なんちゅう宣言だよ。普通に考えてアホらしい。
「でも麻雀する人他にいるんてすか?」
雫がそう尋ねる。確かに麻雀は3人、または4人必要だからな。
「この中で麻雀できる人っている?」
如月先輩は俺たちを使うのか。確かに仕込もうと思えばいくらでも仕込めるからな。
「翔と最上さんかな?葉月さんは?」
「私はできないわ。てか、二人はできるの?」
葉月は不思議そうに尋ねてくる。
「私は昔、翔から教えてもらってから最近もたまにやってるくらい」
「翔は暇さえあればネットでしてるからね」
うるせーよ。
「なら如月先輩、翔、最上さんでやって、如月先輩を勝たせてあげるのは?」
「一応聞いておきますけど如月先輩。本当にたむと付き合いたいですか?」
「俺はいつだって本気さ」
でた、カッコいいけど振られると超ダサいやつ。
「1つ言っとくと、あいつ麻雀部の部員らしいですよ」
「そうなのか?」
「昼に言ってました」
「なら野中先輩、翔、雫、如月先輩の4人でやるってのは?」
彼方がそう提案してきた。
「確かにそれなら八百長できるわね」
「いや、八百長は必要ないよ。俺、麻雀練習するから」
たむの言うとおり良い人な気がする。ここでちゃんとそう言えるのはカッコいいな。俺とは違って。
「なら本番はいつにするわけ?」
「すまないが明坂君、たむさんに都合が合う日を聞いてくれないか?」
「まぁ、良いですけど……」
「ならまた明日の放課後集合ね、今日はもう帰るわよ」
俺たちは葉月の指示に従って、今日は解散した。
「なら早速お願いできる?」
今回の依頼者、如月先輩はそう尋ねてきた。
「わかりました」
俺は先輩にそう応える。その応えを受け、先輩は教室に入り、たむの所へ。
「野中さん。1年生の明坂君が呼んでるよ」
先輩がそう野中たむに話しかける。
「わかった、ありがとう」
たむは如月先輩にそう返し、こっちにやって来る。
その瞬間だった。
「翔くん久しぶり~!」
そう言ってたむは俺に抱きついてきた。
「同じ学校だったんだね。分かってたなら早く言ってほしかったのに」
「最近知ったからさ、それで挨拶にと思って」
「そうだったんだ。にしてもホント久しぶり。電話越しじゃないのは小学校以来?」
「多分ね。それよりどう?学校生活は?」
「普通に楽しいよ。翔くんは?」
「正直に言えば面倒くさい」
「まぁ気持ちはわからないこともないけど。あっそうだ、部活とかは?何かしてる?」
「……」
「どうしたの?」
「一応してるはしてるんだけど、乗り気じゃないというか、不本意というか……」
「なんて部活なの?」
「SWC」
「ルー・○ーズでもいるの?」
「いや、簡単に言うとなんでも部的な感じ」
「なんか聞いたことがあるような無いような……」
「たむは何かしてる?」
「私は麻雀部だよ」
「そんなのあったんだ。てか、知ってたら絶対入ってたのにな」
「だよね~。だから誘おうとしたんどけど」
くっ…遅かったか……
「他はどう?勉強とか、恋愛とか」
「勉強は普通にやってるけど恋愛はあいにく出会いがなくてね、って高校生だからそんなんだろうけど」
「あのたむを呼びに行ったあの人は?優しそうだけど」
「あぁ如月くん?良い人なのは分かるけど特に、って感じだね」
「たむは結構正直だな」
「嘘ついても仕方ないから」
「なら俺はそろそろ教室に帰るよ」
「うんわかった。あっ、翔くんって何組?」
「5組。この1個上の階」
「うん、ありがとう。それじゃあね」
そう言って、俺は自分の教室へと帰っていった。
「それでどうだったわけ?」
教室に戻るなり葉月がそう聞いてくる。
「良い人とは言っていたけど、脈は無いな」
「にしても翔、随分と仲良さそうだったね」
少し低めのトーンで雫が聞いてくる。
「一応いとこだからな。それに最近はよく電話してるし」
「そう」
雫は不機嫌そうに返す。どうしたんだ?急に態度が不機嫌そうになって。俺何もしてないよな?ちなみにというと、俺がたむと話しているとき、葉月、彼方、雫は廊下の隅から様子を見ていた。
「とりあえず放課後にまた話しましょう」
葉月がそう言うとほぼ同時にチャイムが鳴り響く。俺たちは各々、授業の準備を始めた。
「さて、どうする?」
葉月は俺たちにそう問いかけてきた。
「野中さんは俺に対して悪い印象はないが、それと同時に脈も無い、ってことだよね」
如月先輩が俺たちに確認を取ってくる。
「俺が聞く限りじゃそんな感じですね」
実際、たむも相当モテてるらしいからな。小学校の時なんか先生から告白されてたくらいだからな。普通に犯罪だってのに。全国の先生方、気をつけて。
「それでどうする?というかどうしたいわけ?」
葉月が改めて如月先輩に問いかける。
「俺としては諦めたくはないけど、モチベがな……」
脈無しとわかっているのは結構辛いだろうに……
「明坂君、野中のタイプとかそう言うの知らない?」
「タイプ……でもそういえば昔、勝つ人がかっこいいって言ってましたよ」
確か、小学校5年生とかの時に言ってたはず。
「勝つ人が……」
「勝つって何にでもいいのかい?」
今度は彼方が尋ねる。
「それはわからないが、その時は麻雀だったな」
「なら麻雀で勝つのが良いってことだよな」
如月先輩?何言ってんの?急に。
「俺は野中に麻雀で勝つ姿を見せて、告白してやる!」
なんちゅう宣言だよ。普通に考えてアホらしい。
「でも麻雀する人他にいるんてすか?」
雫がそう尋ねる。確かに麻雀は3人、または4人必要だからな。
「この中で麻雀できる人っている?」
如月先輩は俺たちを使うのか。確かに仕込もうと思えばいくらでも仕込めるからな。
「翔と最上さんかな?葉月さんは?」
「私はできないわ。てか、二人はできるの?」
葉月は不思議そうに尋ねてくる。
「私は昔、翔から教えてもらってから最近もたまにやってるくらい」
「翔は暇さえあればネットでしてるからね」
うるせーよ。
「なら如月先輩、翔、最上さんでやって、如月先輩を勝たせてあげるのは?」
「一応聞いておきますけど如月先輩。本当にたむと付き合いたいですか?」
「俺はいつだって本気さ」
でた、カッコいいけど振られると超ダサいやつ。
「1つ言っとくと、あいつ麻雀部の部員らしいですよ」
「そうなのか?」
「昼に言ってました」
「なら野中先輩、翔、雫、如月先輩の4人でやるってのは?」
彼方がそう提案してきた。
「確かにそれなら八百長できるわね」
「いや、八百長は必要ないよ。俺、麻雀練習するから」
たむの言うとおり良い人な気がする。ここでちゃんとそう言えるのはカッコいいな。俺とは違って。
「なら本番はいつにするわけ?」
「すまないが明坂君、たむさんに都合が合う日を聞いてくれないか?」
「まぁ、良いですけど……」
「ならまた明日の放課後集合ね、今日はもう帰るわよ」
俺たちは葉月の指示に従って、今日は解散した。
0
お気に入りに追加
61
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる