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第三部 人物・設定まとめ
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【登場人物】
※()の数字は実年齢、人外は表記なし。
<主要人物>
マリーべル・ド・トゥール・ユニ(20)
西部ユニ領領主の一人娘、王妃の元第一侍女
冬生まれ、栗色の髪と明るい緑色の瞳
婚約結婚でトゥール伯爵家養女→フォート公爵夫人に
大聖堂の調査で母マリアンヌの記憶を取り戻し自身の秘密を知る
ルイ・メナージュ・ヴァンサン・ラ・フォート(39)
元七小国王家末裔の公爵で東部筆頭ロタール領領主
冬生まれ、銀色の髪と青灰色の瞳
鑑賞に耐える美貌と美声の持ち主
規格外の魔力を操る、“竜を従える最強の魔術師”
マリーベルを見染めて追い詰め結婚
防衛地区バラン辺境伯でもある
<王宮関係者>
ロベール王(50)
エクサ王国の王
ルイとは王太子時代から友人
夫婦仲の修復でマリーベルに借りがある
エレオノール・ド・トゥール(44)
エクサ王国・王妃、二色のバラの会主催
黒髪・黒目おっとりした雰囲気の美女で結構辛辣
マリーベルを第一侍女に抜擢する
王太子妃候補の頃からルイと親交がある
南部大貴族トゥール侯爵家の三女
一族の養女となったマリーベルの義従姉妹にあたる
カトリーヌ・マリー・デスト/カトリーナ・マリア・デステ(45)
セギュール侯爵夫人、二色のバラの会メンバー
金髪に紫の瞳、共和国に滅ぼされた亡国王女の孫で通称“冠なき女王”
王妃派筆頭夫人、夫は宰相に内定
マリーベルを娘アンリエットの恩人として支援
ヴァレリー・リシャールの熱狂的読者
推しは“銀灰公爵”(ルイがモデル)
ソフィー・ダルブレ(34)
サンシモン伯爵夫人、二色のバラの会メンバー
マリーベルの友人
淡い茶色の髪に琥珀色の瞳、元王族アルブレ家の姫
王妃派閥の中心夫人の一人、法務大臣グレゴリーの妻
古くからマリーベルとは間接的に縁がある
イザベル・ド・メーヌ(不明)
ヴァランシエンヌ伯爵夫人、マリーベルの友人
中立派中級貴族夫人の中核
夫は蔵書家で有名、本人も活字中毒者
カトリーヌとは同好の士、推しは“銀灰公爵”
ルイを鑑賞用の“銀灰公爵”と位置付けした張本人
フィリップ・ダルブレ(44)
王家アルブレ家の当主、軍部長官
ソフィーの兄、妹を溺愛している
盤上遊戯で負け知らずの才がある
エドモン・ド・トゥール(不明)
南部大貴族一族トゥール伯爵家当主
マリーベルの養父、王妃エレオノールの叔父
侯爵家次男だが、伯爵家の養子となり家督を継いだ
ドロテ・ド・カステラーヌ(不明)
トゥール伯爵夫人、エドモンの妻
マリーベルの養母、結婚前からエレオノールの縁者
グレゴリー・ド・サンシモン(41)
法務大臣、北部名門貴族のサンシモン伯爵
マリーベルの父ジュリアンとは法科院時代の学友
ジュリアンに頼まれ、一時マリアンヌの求婚者だった
ナタン(年齢不詳)
容姿も言動も中性的な王宮御用達服飾職人
王侯貴族の顧客を多数持ち情報通の毒舌家
ルイは工房の出資者、リュシーとは美を愛する同志
王都のフォート公爵邸の改装を手掛けるなど多才
アンリエット・ド・セギュール(14)
セギュール侯爵令嬢
桃色がかった金色髪に紫の瞳
母親とは正反対に気弱で内気な性格
王宮でマリーベルに助けられる
ルイの紹介でロワレ公の長子と婚約
ジャンヌ・バセット(21)
武功により叙された男爵家の三女
平民からの成上り下級貴族
セギュール家に侍女奉公している
ユーグ・ド・ロワレ(53)
前王の異母弟で臣籍降下した公爵
ロベール王を支持、遠方に外交に出ることが多い
数少ないルイの理解者
放浪者のロワレ公の異名を持つ
エルネスト・ド・クラン(24)
男爵家次男、王妃・王女担当の近衛騎士
防御の汎用魔術が使える
マリーベルに思いを寄せていた求婚者の一人
ポーリーヌ・ド・クールランド(不明)
東部貴族、クールランド伯爵令嬢
ベルトランへの恋心でマリーベルを一方的に敵視
恋が冷めた後、マリーベルの口添えで内務大臣の嫡男と婚約
ランベール・ド・ヴェルマンドワ(41)
内務大臣
素行不良だった嫡男のことでマリーベルには借りがある
レオノール・ダキテーヌ(不明)
フォワ公爵夫人、女公派筆頭夫人
エレオノールと王太子妃の座を争い敗れた
南部侯爵アキテーヌ家出身
<ユニ領関係者>
ジュリアン・ユニ(42)
マリーベルの実父
西部ユニ領の領主兼フォート家専属法務顧問
“偉大なる署名者”称号を持つ王国屈指の高度法務人材
農夫の家系の爵位無しだったが子爵に叙爵される
北部ロシュアンヌ領統合とアルベールを養子に引受た
法務大臣のグレゴリーとは法科院学生時代の学友
アルベール・ユニ・ド・ロシュアンヌ(13)
マリーベルの義弟
北部ロシュアンヌ領と統合したユニ領の後継者
ロシュアンヌ家嫡男だったが実母亡き後は父親に冷遇され
父親の愛人から虐待を受けていた
父親が断罪されロシュアンヌ家取潰しの際に
被害者で罪なき者と認定されジュリアンの養子となる
マリアンヌ・ドルー(※26にて故人)
マリーベルの母、モンフォール家遠戚ドルー家の娘
冬生まれ、栗色の髪と明るい緑色の瞳の美人
虚弱でマリーベルが五歳の時に死亡する
クロディーヌ・パンテエーヴル(不明)
マリーベルの祖母
マリアンヌの母親でドルー家の女主人
アルテュール・ド・モンフォール(不明)
西部大貴族モンフォール家当主
穀物供給を巡り王家と交渉する野心家
“貴き血”の信奉者でマリアンヌとマリーベルを狙う
ルイによって阻まれ、王家の制裁を受けた
ベルトラン・ド・モンフォール(24)
マリーベルの臨時雇いの護衛騎士
モンフォール家の三男、元西部騎士団支部大隊長
マリーベルの幼馴染みで元求婚者
家や父親と折り合いが悪くユニ領を巡る不祥事で決別
ジュリアンの尽力で放棄した財産とエンヌボン男爵位を得る
ジャンお爺さん
ユニ領の村はずれに住む人嫌いの偏屈老人の農夫
<フォート家関係者>
フェリシアン・フーシェ(80代)
先代当主から仕えるフォート家の超絶有能家令
春生まれ、魚の精霊の血を引く先祖返り
手指の間に小さなヒレと左頬に鱗に似たアザを持つ
長命の傾向で、見た目は60歳そこそこの紳士
ヴェルレーヌの作家活動に協力
オドレイ・ジュブワ(33)
フォート家の従者兼護衛、フェリシアンの補佐も務める
夏生まれ、古竜の血の力を持つ先祖返り
竜の虹彩を持つ
褐色の肌、黒髪黒目の男装の麗人
長命の傾向で、見た目は20代半ばにしか見えない
異大陸人の血を引く元共和国の傭兵
シモン・ベアール(17)
フォート家の従僕、つむじ風の精霊の祝福持ち
秋生まれ、褐色の髪と鳶色の目
東部の都トゥルーズの貧民街出身の孤児で元スリ
幼い孤児達を守っていた
リュシー・ウウ(15)
フォート家の侍女
冬生まれ、赤子の頃に精霊に攫われた精霊の取替え子
鉄錆色から茜色に遊色に移ろう髪と瞳
服飾職人のナタンとは美を愛する同志
エンゾとは、擬似兄妹で幼馴染で恋人な関係
ヴェルレーヌ・リモンヌ(20)
フォート家の夜番小間使い、奥方教育係
夏生まれ、金髪碧眼で色白の儚げな美女
表向き死亡した断絶男爵家、豪商リモンヌの惣領娘
ヴァレリー・リシャール名義で作家活動をし
ルイに黙って彼をモデルに『銀灰公爵』シリーズを執筆
日光過敏で夜しか行動できない
王立劇場五番個室の亡霊の正体
エンゾ・ボナール(25)
フォート家の庭師
春生まれ、森の神の使い狼犬の先祖返りの獣人
犬の耳と尻尾を持つ、顔つきも犬っぽい青年
リュシーとはほぼ同期で彼女の子守役も兼ねていた
フォート家でしか生きられないリュシーの為のバラを作っている
屋敷で一番の常識人
マルテ・クローデル(14)
フォート家の侍女見習い
春生まれ、亜麻色の髪と鳶色の目をした色白の美少女
東部の都トゥルーズの貧民街出身
シモンに守られていた孤児の一人
王都でのマリーベル付侍女として東部子爵家養女となる
テレーズ・リュカス(24)
フォート家の家政婦長
秋生まれ、東部の都トゥルーズ出身
赤毛で黒い瞳の、ふっくらした体つきの女性
統括組織の文官の娘で有能
ロザリー・ディステル(不明)
フォート家の女料理長。
冬生まれ、偉大なる食の芸術家
フォート家の潤沢な食費と評価待遇に満足している
アン
フォート家の台所女中
ロザリーが以前いた古い屋敷の厨房に憑くなにか
アンは愛称、本名は本人もわからない
エドガー・ジェリコー(不明)
駆け出しの画家
赤茶色のもじゃもじゃ髪に同色の瞳の奇人
挿絵画家の需要で才能をカトリーヌに見出される
ルイとマリーベルの肖像画を制作
アントワーヌ・アンナ・ヴァンサン・ラ・フォート(※42で故人)
ルイの父。
共和国との争いの中、戦死
古い魔術や精霊信仰を研究していた
フォート家歴代当主の中でも傑出した魔術の才の持ち主
アリエノール・ド・クシー(不明/※故人)
ルイの母。
没落した子爵令嬢、生家は後継者がなく断絶
フォート家の“祝福”の犠牲者
ルイへの愛情と恐怖の葛藤で精神を病み、流行病で亡くなる
ヴァンサン王(不明/※故人)
元七小国の一国、神話の地と呼ばれた東の国の王
精霊と魔物、人間、すべてから慕われた偉大なる王
ヴァンサン王の子(不明/※故人)
魔術の祖
王の才に恵まれず、それを補うため魔術を編み出す
蔓バラ姫と深く関わり、後にフォート家を苦しめる“祝福”を与えられた
ムルト(30代半ば)
ロタール領東・バラン地区の統括官、ルイの友人
焦茶色の髪と目の強面で体格のいい男性、元騎士団員
平民を称しているが、実は王族アルブレ家縁者の庶子
魔術院中級課程半ばまで修め、宮廷魔術師資格を持つ
<魔術院/精霊/聖堂関係者>
ジョフロワ・ド・ルーテル(不明)
もう一つの魔術の家系、東部ルーテル侯爵家嫡男
魔術院では高度魔術課程に進んでいた
ルイへの対抗心で禁術に手を出し、父親の制裁で死亡
レイモン・フラメル(不明)
魔術院総長、アントワーヌの共同研究者
精霊文字に精通した魔術師
ルイ曰く、“魔術院にいた頃の一応の師”
オーギュスタン・ド・タレーラン(42)
魔術院副総長
魔術院内では、実質の長として独裁的な権力を持つ
ジョフロワにかつて忠誠を誓った取り巻きの一人でルイを敵視している
オルタンス・ダルブレ(不明)
ソフィーの曽祖母、王国最高齢の精霊博士
ほぼ寝たきりで、彼女に懐く雫の精霊の延命を受けている
モーリス司祭長(不明)
大聖堂司祭長、アントワーヌの共同研究者
王国の聖職者を束ねる長
研究者気質で魔術にも興味を示す
<精霊>
蔓バラ姫
フォート家の守護精霊
フォート家に呪いともいえる祝福を与えた
真珠色の肌、バラ色の頬、暁色を湛える瞳のない目をした美女
家付精霊達
七人の老人姿の小人精霊。フォート家の屋敷の維持管理を担当。
元は岩石などに潜む精霊。
マリーベルへの贖いのために蔓バラ姫が召喚した。
繰り返し言葉を愛称に、ふむふむ爺、ほうほう爺と区別されている。
グノーン
四大精霊、冬の女神に仕えし両性具有の地の精霊
赤い帽子をかぶった老人の姿を取り、人間社会に紛れ込む
精霊の姿では、淡い金髪を長く垂らす美しい中性的な姿
【魔術/精霊/聖堂関連】
・魔術
フォート家の祖先、ヴァンサン王の子が編み出した技法。
元は精霊や魔物等と直接交流できずとも力を借りるための交信交渉手段だった。
神を法則、精霊を属性とし、魔力を対価に、実現したいこと規定し命令する。
現在はエクサ王国独自の技法として、他国に対する抑止力となっている。
・魔力
生命力や体力、精神力と同様のもの。魔術による人外への命令の対価とされる。
人の魔力には限界があるため、昔は大掛りな魔術は不可能だった。
やがて媒介や魔術具の発見開発により、魔力の増幅と省力化が実現。
中級魔術や高度魔術への道を開いた。
・汎用魔術
術の組み方が決まった難易度の低い魔術を定型式化したもの。
自分で魔術を組む必要がないため、初心者や資質が弱い者にも扱いやすい。
それでも公衆衛生や応急処置、防災防犯対策など利用価値は高い。
・魔術師
初級魔術である汎用魔術以上の魔術を操り、魔術を生業とする者のこと。
魔術適性、魔力を操る資質、知識や概念の理解、三つ揃って魔術を扱える。
王国の魔術師の八割が、汎用魔術を扱う程度に留まる。中級魔術以上を扱える者は希少人材。
宮廷魔術師は、中級魔術以上を操れることが絶対条件。
魔術師にとって言葉は物事を規定し、嘘は神や精霊を欺き怒りを買う行為。
しかし隠匿や婉曲表現によって相手に解釈を委ねる行為は問題ない。
・加護
神や精霊の愛し子として、その力の支援を無条件で受けられる
加護持ちとされる者が確認された正式な記録はほぼない
一代限りのもので世襲はないとされる
・祝福
神や精霊が一歩的によかれと思うものを人間に与えること
与えた神や精霊でなければ解除できない
一代限りのもので世襲はないとされる
聖職者の祝福は、神々と精霊の祝福を願って祈りを捧げることを指す
・フォート家の“祝福”
ヴァンサン王の子に蔓バラ姫が与えたもの
後継は絶えず、血族が編み出す魔術の知識と力の全てを継承する
本来祝福は一代限りだが、祝福内容が次代にかかるため代々続いている
フォート家の魔術研究は“祝福”の危険回避の歴史で、盟約もその副産物
・フォート家の盟約
代を追うごとに強化される魔術に対抗するため編み出された魔力補強の方法
魔術そのものである人外の存在を媒介にして、同時に彼等の魔力を借りる取引
変換効率は絶大で、肉体の限界がなければほぼ無尽蔵に魔力を扱える
規格外の魔力を得たことで、フォート家の魔術は加速度的に洗練高度化
王国の脅威として一部から警戒されることとなった
・祝福回避の儀式
フォート家当主の妻(と胎児)に対する祝福の影響を薄める儀式
伝承伝説の検証し導き出された様々な条件を結婚前後に行う
王都の大聖堂での婚儀、王都と東部間を一日で移動等、実行困難な条件が多い
・“密談”の魔術
口に出す表の会話とは別に、思念による対話を可能とする魔術
原則、思ったことが相手に筒抜けになるため、“閂”といった技能を必要とする
“密談”機会の多い上位貴族にとって、“閂”は必須技能
・長距離転移の魔術
ルイの父が確立させた高度魔術
特定の要件の下、訪れたことのある場所と場所を繋ぎ移動を短縮させる
祝福回避儀式で王都と東部間を一日で移動するために編み出された
命運の女神を法則に四大精霊全てを属性に組込む
空間(世界)に干渉するため、魔力消費が大きい
・防衛地区バランの防御壁魔術
共和国との国境沿いに魔術的な防御壁を作り出す、大掛かりな高度魔術
地の精霊と眷属、術者の魔力をベースにし地の力が弱まると術者の負担が増す
現在は年一回、魔術の補強が必要
莫大な魔力が必要で、フォート家当主以外管理できない魔術とされている
・状態維持の魔術
対象物の時間の進みを限定的に遅らせる高度魔術
術が切れた後は一気に元の時の流れに戻る
時間や空間に干渉するため魔力消費が大きい
・契約魔術
双方の合意に基づいた条件の効力を魔術的に保証し縛る魔術
複雑高度なものは条件を精査できる法務の専門家と宮廷魔術師が必要
費用がとても高額で重要案件での使用が一般的
秘匿性を高めるため、書面は破棄し内容をメダル等に焼付けることも出来る
・魔術具と媒介
魔力の省力化や特定の機能を持たせた魔術を固定化した道具
魔力増幅に利用する神聖な力を宿す物は「媒介」と呼び魔術具と区別する。
魔術具は、中級魔術以上を扱える者なら開発可能で宮廷魔術師の仕事の一つ
作る時は魔力が必要だが、使う時は魔力は不要ため魔術師でなくても使える
・固形燃料
太陽光の熱と光を集め結晶化した魔術具。多くは夏の間にまとめて作られる
薄い茜色の鉱石で、衝撃を与えると発光発熱しながら小さくなり消える
ルイが作る高純度のものはフォート家専用
・通信用“箱”
フォート家専用の魔術具
フォート家と設置した各地の間で、手紙と手荷物程度の物を送受信できる
・ユニ家と邸宅の“扉”
ルイが開発した、フォート家とユニ家及び王都のフォート公爵邸を繋ぐ魔術具
個人認証が施されているため、使用許諾されている者しか利用できない
・紙鳩
ルイの緊急通信用の魔術。
フォート家の者にしか見えず、受け取れない。
・結婚指輪
ルイとマリーベルが婚儀で交わした金の指輪
当初はただの指輪だったが、二人の間で魔術的な意味を持つものになる
・法科院修了者のペン
契約魔術の署名に使用される魔術具
個人認証が付与されており、署名実績は法科院にある修了者名簿に記録される
・隠し部屋
魔術によって秘匿された部屋
元々ある部屋を秘匿する場合と部屋そのものを作り出す場合があり
移動式のものもある
・記憶の箱
アントワーヌがルイへの遺言のために言葉と記憶を封じた箱
箱というより真四角の部屋で、ルイの魔術に反応するように設定されていた
・ルイのローブ
上等の絹地を使った濃紺のローブ。
単なる高級品ではなく、魔術に適した特別な染料を使い、
お守りの効果を持つ魔術的な紋様の刺繍が入っており、
他者の攻撃をある程度無効化する魔術付与がされている。
・精霊博士
精霊他人外と交流でき取引を行える、古の資質を先天的にもつ者のこと
人外との直接的な交流と信頼関係で力の支援を受けられ、魔力は不要
命令で人外の力を使う魔術師とは対極的な存在
希少人材で王家直轄で管理される決まり
・精霊文字
一つで様々な意味を表し、精霊に直接意味を伝えるとされる
古語というより古代文字に近く、知る者も少ない
・魔術適性
魔力自体は生命力のようなものなので誰もが持っているといえるものの、
魔力を魔力として動かせるかは別でそれを魔術適性としている。
適性無しの者は魔力自体を使えないため論外。
ごく僅かに動かせても魔術を行うには足りない。
王国全体の約三割程の者がまったく魔力を使えない適性無しと考えられている。
マリーベルやマリアンヌは検査で適性無しと判定されている。
【王宮機関】
・魔術院
王宮深部にある魔術人材養成所。
一定の資質ありと認められた者は、強制的に魔術院に入る決まり。
貴族は必ず魔術適性を検査し、平民は原則見送られることから貴族が多い。
汎用魔術を操る初級魔術から段階的な養成課程を受ける。
ほぼ可能性だけで送られるため、大半の者が初級課程も未修了で終わる。
魔術院送りの者の大半が早期に未修了で終わり、外聞的によろしくない場所。
そのため貴族にとっては口を噤む場所とされ、一般にほとんど知られない。
中級課程まで進めば、宮廷魔術師になれる資格が得られる。
・法科院
法務人材の王立養成機関。
特定要件を満たす高度法務人材を抱える組織でもある。
魔術院や軍部も気を遣うほど権威があり、法務大臣は法科院修了が任命の必須条件。
高度法務人材として法科院の一員となれば平民でも貴族的職業人と見做される。
・軍部
兵器の発展や戦略の高度化に伴い、騎士団の軍隊的運用が必要になり設立された。
各騎士団および宮廷魔術師や技官等を統括し、王の命の下、防衛軍事の最高指揮権を担う。
そのため長官職は王族と定められ、現在はソフィーの兄フィリップが務める。
【伝説伝承関係】
・四季の女神と四大精霊
春夏秋冬のそれぞれを司る女神と、仕える水火風地の精霊。
年中行事や王宮行事から、お守りや願掛けなど生活全般に密接に関わる。
魔術でも、神は法則、四大精霊は属性を決める基本として関わりが深い。
・命運の女神と輝きの精霊
四季の女神と四大精霊とは別格の女神と精霊。時や命運、光や闇を司る。
光と闇、世界の始まりと終わり、世界そのものを成立させ支配する。
時間や命運に関わり、人の寿命も司ると考えられ結婚や葬儀に関わる。
輝きの精霊クインテエーヌは命運の女神クラアに仕える精霊。
・“天上の紡ぎ糸”(クインテエーヌの紡ぎ糸)
輝きの精霊は人の寿命や人生を決める“天上の紡ぎ糸”を紡ぐ。
紡がれた糸巻きは命運の女神に捧げられる。
人は各々命運の女神から、“天上の紡ぎ糸”を与えられるといった伝承。
結婚における“布贈り”の慣習に関わる。
・“布贈り”の慣習
「“天上の紡ぎ糸”で布を織り上げる」夫婦が生涯を共にする表現に因む。
結婚が決まった際、男性は妻となる女性に綺麗な布を贈る。
“布贈り”の慣習には末長く一緒にといった意味が込められる。
男性から女性へ「糸を捧げる」「糸を機にかけて欲しい」言葉は求婚と同義。
奥ゆかしくも明確でかつ相手への愛情も示す求婚の言葉とされている。
・貴き血
古の貴族は不思議な力を持ち、その力で人々を従え導いた伝承。
現在では、貴族に都合の良い作り話、一笑に付される迷信とされている。
貴族社会でも迷信とされるが、一部の古い貴族で密かに信仰が残っている。
特に西部での信仰が根深く、貴き血の力を入れたいと望む貴族が存在する。
そのため貴族家の血縁者で“祝福持ち”や先祖返りなどは、誤解されやすい。
女児の場合は貴き血を継ぐ存在として、子を産む道具と扱われることもある。
・はじまりの地
ヴァンサン王が人と精霊と魔物の棲み分けを調整した際
その決め事を地の精霊グノーンが記したとされる
フォート家に伝わるヴァンサン王の伝承の地
蔓バラ姫やアントワーヌの言葉から、バランを指すとルイは推測している
【行事関係】
・王の誕生祭
エクサ王国で誕生日が祝われるのは王だけ。
建国のお話にちなみ王の誕生を祝うとされている。
正確には王の誕生ではなく、王に“恩寵が与えられた日”を称える祝典。
・誕生の祝い事
王国民は、季節生まれごとでまとめて誕生を聖堂で祝う。
春生まれは夏、夏生まれは秋、秋生まれは冬、冬生まれは春に祝う。
七歳は受洗式、十五歳は成人式もあわせて行う。
七歳までは神の子として扱い戸籍には入れない。
・婚姻の儀
王都の大聖堂で婚儀ができるのは王族か王家と縁の深い者のみ。
一般的には、新郎または新婦ゆかりの地の聖堂で婚儀を行う。
貴族の場合はより格の高い聖堂を望む場合もある。
大聖堂の婚儀は祝福回避儀式の一つ。
【王国・その他】
・エクサ王国
東西に伸び三国に分かれる大陸の、中央に位置する六角形に近い国。
略称は王国。魔術という独自の技法が他国に対する抑止力となっている。
・ティベリス共和国
王国の東側に、古くから多種多様な民族を従え統治してきた国。
略称は共和国。
王国領土をたびたび侵し、定期的に争いが起きている敵対国。
古代から高度な文明を築き、戦争で領土を広げる拡張路線をとる。
二十余年前の戦以降は休戦状態なものの、停戦協定や和睦は結んでいない。
エクサ王国の魔術技法を狙うが、魔術概念の情報が理解できず失敗している。
・ハイラック連合王国
王国の西側に位置する、王国とほぼ同じ大きさの国。
略称は連合王国。
エクサ王国の王や諸侯と血縁関係の貴族が多い国で、一応友好国。
両国間の争いは複数の貴族を巻き込み内政に影響するため互いに益がない。
共和国の脅威を手前で防ぐ砦として王国を利用している向きもある。
海を渡り別大陸との交易で栄華を誇る。
・王国の時間 ※( )の時間は目安。
王国の時間は二種類。
時計による一刻(約2時間)12区切りの時間。
聖堂日課による鐘の時間。
時計は高価なため王族や高位貴族、王宮の高官職が使う時間となっている。
一般的には聖堂日課に従うことが多い。中聖堂以上は鐘楼を持つ。
小聖堂しかない村なども近隣から聞こえる鐘を目安にしていることが多い。
各時間毎で鐘の鳴らし方が決まっており、三度繰り返す。
(鐘と時刻)
夜明けの鐘 音1回
使用人の起床、農作業の開始(5時頃)
勤めの鐘 音2回
始業・出勤時間、貴族・富裕層の起床(7-8時頃)
休息の鐘 音3回
午前休憩、 お茶の時間(10時頃)
午の鐘 音4回
昼食、昼休憩(12時頃)
昼下がり鐘 音1-2回
午後休憩、お茶の時間、酒場営業(14-15時頃)
夕刻の鐘 音1-3回
昼店の終業、宿屋・歓楽街営業(17時頃)
閉門の鐘 音1-4回
閉門、夕食、外出自粛(19時頃)
午前は鐘の音は一回ずつ増える。
午後は鐘は一回打って間を開けて、続く音が増える。
・教育・就業等年齢
7歳の受洗式まで神の子と扱い、国民と認められない。
12歳以下は就業禁止。
ただし、家業の手伝いや将来世話になる職人の下で雑用は許される。
貴族の魔術適性は7歳~13歳の間で検査される。
王宮に上がる者は年齢関係なく検査される。
(年齢)
0歳~6歳
神の子の扱い国民と認められない。
7歳~12歳
7歳の受洗式後、正式に王国民となる。
貴族は教育期間。
13歳~14歳
13歳から見習いで就業可能。
貴族は王宮に上がれる年齢。
家督が継げる年齢。
(13歳未満の場合は後見人か王の許可が必要)
15歳~
15歳で成人。一人前として扱われ、結婚可能。
一般的に初婚の適齢期は15~25歳。
ただし、上流階級女性は20歳超えると行き遅れ扱いとなる。
・二色のバラの会
王妃エレオノール他、王族や元王族の女性またはその夫人のお茶会。
表向きは王妃派中心夫人に限定される権威ある会と思われている。
実態は夫の愚痴や惚気話、噂や趣味の話を楽しむだけの会。
高貴な血筋や権力に直結する立場で世間話も深読みされるため、
他者を気にせずお喋り出来る場を持ちたいと自然発生した。
ルイが王国の脅威な魔術師かつ元七小国王家の末裔公爵なこともあり、
王妃エレオノールの招きでマリーベルも加わる。
※()の数字は実年齢、人外は表記なし。
<主要人物>
マリーべル・ド・トゥール・ユニ(20)
西部ユニ領領主の一人娘、王妃の元第一侍女
冬生まれ、栗色の髪と明るい緑色の瞳
婚約結婚でトゥール伯爵家養女→フォート公爵夫人に
大聖堂の調査で母マリアンヌの記憶を取り戻し自身の秘密を知る
ルイ・メナージュ・ヴァンサン・ラ・フォート(39)
元七小国王家末裔の公爵で東部筆頭ロタール領領主
冬生まれ、銀色の髪と青灰色の瞳
鑑賞に耐える美貌と美声の持ち主
規格外の魔力を操る、“竜を従える最強の魔術師”
マリーベルを見染めて追い詰め結婚
防衛地区バラン辺境伯でもある
<王宮関係者>
ロベール王(50)
エクサ王国の王
ルイとは王太子時代から友人
夫婦仲の修復でマリーベルに借りがある
エレオノール・ド・トゥール(44)
エクサ王国・王妃、二色のバラの会主催
黒髪・黒目おっとりした雰囲気の美女で結構辛辣
マリーベルを第一侍女に抜擢する
王太子妃候補の頃からルイと親交がある
南部大貴族トゥール侯爵家の三女
一族の養女となったマリーベルの義従姉妹にあたる
カトリーヌ・マリー・デスト/カトリーナ・マリア・デステ(45)
セギュール侯爵夫人、二色のバラの会メンバー
金髪に紫の瞳、共和国に滅ぼされた亡国王女の孫で通称“冠なき女王”
王妃派筆頭夫人、夫は宰相に内定
マリーベルを娘アンリエットの恩人として支援
ヴァレリー・リシャールの熱狂的読者
推しは“銀灰公爵”(ルイがモデル)
ソフィー・ダルブレ(34)
サンシモン伯爵夫人、二色のバラの会メンバー
マリーベルの友人
淡い茶色の髪に琥珀色の瞳、元王族アルブレ家の姫
王妃派閥の中心夫人の一人、法務大臣グレゴリーの妻
古くからマリーベルとは間接的に縁がある
イザベル・ド・メーヌ(不明)
ヴァランシエンヌ伯爵夫人、マリーベルの友人
中立派中級貴族夫人の中核
夫は蔵書家で有名、本人も活字中毒者
カトリーヌとは同好の士、推しは“銀灰公爵”
ルイを鑑賞用の“銀灰公爵”と位置付けした張本人
フィリップ・ダルブレ(44)
王家アルブレ家の当主、軍部長官
ソフィーの兄、妹を溺愛している
盤上遊戯で負け知らずの才がある
エドモン・ド・トゥール(不明)
南部大貴族一族トゥール伯爵家当主
マリーベルの養父、王妃エレオノールの叔父
侯爵家次男だが、伯爵家の養子となり家督を継いだ
ドロテ・ド・カステラーヌ(不明)
トゥール伯爵夫人、エドモンの妻
マリーベルの養母、結婚前からエレオノールの縁者
グレゴリー・ド・サンシモン(41)
法務大臣、北部名門貴族のサンシモン伯爵
マリーベルの父ジュリアンとは法科院時代の学友
ジュリアンに頼まれ、一時マリアンヌの求婚者だった
ナタン(年齢不詳)
容姿も言動も中性的な王宮御用達服飾職人
王侯貴族の顧客を多数持ち情報通の毒舌家
ルイは工房の出資者、リュシーとは美を愛する同志
王都のフォート公爵邸の改装を手掛けるなど多才
アンリエット・ド・セギュール(14)
セギュール侯爵令嬢
桃色がかった金色髪に紫の瞳
母親とは正反対に気弱で内気な性格
王宮でマリーベルに助けられる
ルイの紹介でロワレ公の長子と婚約
ジャンヌ・バセット(21)
武功により叙された男爵家の三女
平民からの成上り下級貴族
セギュール家に侍女奉公している
ユーグ・ド・ロワレ(53)
前王の異母弟で臣籍降下した公爵
ロベール王を支持、遠方に外交に出ることが多い
数少ないルイの理解者
放浪者のロワレ公の異名を持つ
エルネスト・ド・クラン(24)
男爵家次男、王妃・王女担当の近衛騎士
防御の汎用魔術が使える
マリーベルに思いを寄せていた求婚者の一人
ポーリーヌ・ド・クールランド(不明)
東部貴族、クールランド伯爵令嬢
ベルトランへの恋心でマリーベルを一方的に敵視
恋が冷めた後、マリーベルの口添えで内務大臣の嫡男と婚約
ランベール・ド・ヴェルマンドワ(41)
内務大臣
素行不良だった嫡男のことでマリーベルには借りがある
レオノール・ダキテーヌ(不明)
フォワ公爵夫人、女公派筆頭夫人
エレオノールと王太子妃の座を争い敗れた
南部侯爵アキテーヌ家出身
<ユニ領関係者>
ジュリアン・ユニ(42)
マリーベルの実父
西部ユニ領の領主兼フォート家専属法務顧問
“偉大なる署名者”称号を持つ王国屈指の高度法務人材
農夫の家系の爵位無しだったが子爵に叙爵される
北部ロシュアンヌ領統合とアルベールを養子に引受た
法務大臣のグレゴリーとは法科院学生時代の学友
アルベール・ユニ・ド・ロシュアンヌ(13)
マリーベルの義弟
北部ロシュアンヌ領と統合したユニ領の後継者
ロシュアンヌ家嫡男だったが実母亡き後は父親に冷遇され
父親の愛人から虐待を受けていた
父親が断罪されロシュアンヌ家取潰しの際に
被害者で罪なき者と認定されジュリアンの養子となる
マリアンヌ・ドルー(※26にて故人)
マリーベルの母、モンフォール家遠戚ドルー家の娘
冬生まれ、栗色の髪と明るい緑色の瞳の美人
虚弱でマリーベルが五歳の時に死亡する
クロディーヌ・パンテエーヴル(不明)
マリーベルの祖母
マリアンヌの母親でドルー家の女主人
アルテュール・ド・モンフォール(不明)
西部大貴族モンフォール家当主
穀物供給を巡り王家と交渉する野心家
“貴き血”の信奉者でマリアンヌとマリーベルを狙う
ルイによって阻まれ、王家の制裁を受けた
ベルトラン・ド・モンフォール(24)
マリーベルの臨時雇いの護衛騎士
モンフォール家の三男、元西部騎士団支部大隊長
マリーベルの幼馴染みで元求婚者
家や父親と折り合いが悪くユニ領を巡る不祥事で決別
ジュリアンの尽力で放棄した財産とエンヌボン男爵位を得る
ジャンお爺さん
ユニ領の村はずれに住む人嫌いの偏屈老人の農夫
<フォート家関係者>
フェリシアン・フーシェ(80代)
先代当主から仕えるフォート家の超絶有能家令
春生まれ、魚の精霊の血を引く先祖返り
手指の間に小さなヒレと左頬に鱗に似たアザを持つ
長命の傾向で、見た目は60歳そこそこの紳士
ヴェルレーヌの作家活動に協力
オドレイ・ジュブワ(33)
フォート家の従者兼護衛、フェリシアンの補佐も務める
夏生まれ、古竜の血の力を持つ先祖返り
竜の虹彩を持つ
褐色の肌、黒髪黒目の男装の麗人
長命の傾向で、見た目は20代半ばにしか見えない
異大陸人の血を引く元共和国の傭兵
シモン・ベアール(17)
フォート家の従僕、つむじ風の精霊の祝福持ち
秋生まれ、褐色の髪と鳶色の目
東部の都トゥルーズの貧民街出身の孤児で元スリ
幼い孤児達を守っていた
リュシー・ウウ(15)
フォート家の侍女
冬生まれ、赤子の頃に精霊に攫われた精霊の取替え子
鉄錆色から茜色に遊色に移ろう髪と瞳
服飾職人のナタンとは美を愛する同志
エンゾとは、擬似兄妹で幼馴染で恋人な関係
ヴェルレーヌ・リモンヌ(20)
フォート家の夜番小間使い、奥方教育係
夏生まれ、金髪碧眼で色白の儚げな美女
表向き死亡した断絶男爵家、豪商リモンヌの惣領娘
ヴァレリー・リシャール名義で作家活動をし
ルイに黙って彼をモデルに『銀灰公爵』シリーズを執筆
日光過敏で夜しか行動できない
王立劇場五番個室の亡霊の正体
エンゾ・ボナール(25)
フォート家の庭師
春生まれ、森の神の使い狼犬の先祖返りの獣人
犬の耳と尻尾を持つ、顔つきも犬っぽい青年
リュシーとはほぼ同期で彼女の子守役も兼ねていた
フォート家でしか生きられないリュシーの為のバラを作っている
屋敷で一番の常識人
マルテ・クローデル(14)
フォート家の侍女見習い
春生まれ、亜麻色の髪と鳶色の目をした色白の美少女
東部の都トゥルーズの貧民街出身
シモンに守られていた孤児の一人
王都でのマリーベル付侍女として東部子爵家養女となる
テレーズ・リュカス(24)
フォート家の家政婦長
秋生まれ、東部の都トゥルーズ出身
赤毛で黒い瞳の、ふっくらした体つきの女性
統括組織の文官の娘で有能
ロザリー・ディステル(不明)
フォート家の女料理長。
冬生まれ、偉大なる食の芸術家
フォート家の潤沢な食費と評価待遇に満足している
アン
フォート家の台所女中
ロザリーが以前いた古い屋敷の厨房に憑くなにか
アンは愛称、本名は本人もわからない
エドガー・ジェリコー(不明)
駆け出しの画家
赤茶色のもじゃもじゃ髪に同色の瞳の奇人
挿絵画家の需要で才能をカトリーヌに見出される
ルイとマリーベルの肖像画を制作
アントワーヌ・アンナ・ヴァンサン・ラ・フォート(※42で故人)
ルイの父。
共和国との争いの中、戦死
古い魔術や精霊信仰を研究していた
フォート家歴代当主の中でも傑出した魔術の才の持ち主
アリエノール・ド・クシー(不明/※故人)
ルイの母。
没落した子爵令嬢、生家は後継者がなく断絶
フォート家の“祝福”の犠牲者
ルイへの愛情と恐怖の葛藤で精神を病み、流行病で亡くなる
ヴァンサン王(不明/※故人)
元七小国の一国、神話の地と呼ばれた東の国の王
精霊と魔物、人間、すべてから慕われた偉大なる王
ヴァンサン王の子(不明/※故人)
魔術の祖
王の才に恵まれず、それを補うため魔術を編み出す
蔓バラ姫と深く関わり、後にフォート家を苦しめる“祝福”を与えられた
ムルト(30代半ば)
ロタール領東・バラン地区の統括官、ルイの友人
焦茶色の髪と目の強面で体格のいい男性、元騎士団員
平民を称しているが、実は王族アルブレ家縁者の庶子
魔術院中級課程半ばまで修め、宮廷魔術師資格を持つ
<魔術院/精霊/聖堂関係者>
ジョフロワ・ド・ルーテル(不明)
もう一つの魔術の家系、東部ルーテル侯爵家嫡男
魔術院では高度魔術課程に進んでいた
ルイへの対抗心で禁術に手を出し、父親の制裁で死亡
レイモン・フラメル(不明)
魔術院総長、アントワーヌの共同研究者
精霊文字に精通した魔術師
ルイ曰く、“魔術院にいた頃の一応の師”
オーギュスタン・ド・タレーラン(42)
魔術院副総長
魔術院内では、実質の長として独裁的な権力を持つ
ジョフロワにかつて忠誠を誓った取り巻きの一人でルイを敵視している
オルタンス・ダルブレ(不明)
ソフィーの曽祖母、王国最高齢の精霊博士
ほぼ寝たきりで、彼女に懐く雫の精霊の延命を受けている
モーリス司祭長(不明)
大聖堂司祭長、アントワーヌの共同研究者
王国の聖職者を束ねる長
研究者気質で魔術にも興味を示す
<精霊>
蔓バラ姫
フォート家の守護精霊
フォート家に呪いともいえる祝福を与えた
真珠色の肌、バラ色の頬、暁色を湛える瞳のない目をした美女
家付精霊達
七人の老人姿の小人精霊。フォート家の屋敷の維持管理を担当。
元は岩石などに潜む精霊。
マリーベルへの贖いのために蔓バラ姫が召喚した。
繰り返し言葉を愛称に、ふむふむ爺、ほうほう爺と区別されている。
グノーン
四大精霊、冬の女神に仕えし両性具有の地の精霊
赤い帽子をかぶった老人の姿を取り、人間社会に紛れ込む
精霊の姿では、淡い金髪を長く垂らす美しい中性的な姿
【魔術/精霊/聖堂関連】
・魔術
フォート家の祖先、ヴァンサン王の子が編み出した技法。
元は精霊や魔物等と直接交流できずとも力を借りるための交信交渉手段だった。
神を法則、精霊を属性とし、魔力を対価に、実現したいこと規定し命令する。
現在はエクサ王国独自の技法として、他国に対する抑止力となっている。
・魔力
生命力や体力、精神力と同様のもの。魔術による人外への命令の対価とされる。
人の魔力には限界があるため、昔は大掛りな魔術は不可能だった。
やがて媒介や魔術具の発見開発により、魔力の増幅と省力化が実現。
中級魔術や高度魔術への道を開いた。
・汎用魔術
術の組み方が決まった難易度の低い魔術を定型式化したもの。
自分で魔術を組む必要がないため、初心者や資質が弱い者にも扱いやすい。
それでも公衆衛生や応急処置、防災防犯対策など利用価値は高い。
・魔術師
初級魔術である汎用魔術以上の魔術を操り、魔術を生業とする者のこと。
魔術適性、魔力を操る資質、知識や概念の理解、三つ揃って魔術を扱える。
王国の魔術師の八割が、汎用魔術を扱う程度に留まる。中級魔術以上を扱える者は希少人材。
宮廷魔術師は、中級魔術以上を操れることが絶対条件。
魔術師にとって言葉は物事を規定し、嘘は神や精霊を欺き怒りを買う行為。
しかし隠匿や婉曲表現によって相手に解釈を委ねる行為は問題ない。
・加護
神や精霊の愛し子として、その力の支援を無条件で受けられる
加護持ちとされる者が確認された正式な記録はほぼない
一代限りのもので世襲はないとされる
・祝福
神や精霊が一歩的によかれと思うものを人間に与えること
与えた神や精霊でなければ解除できない
一代限りのもので世襲はないとされる
聖職者の祝福は、神々と精霊の祝福を願って祈りを捧げることを指す
・フォート家の“祝福”
ヴァンサン王の子に蔓バラ姫が与えたもの
後継は絶えず、血族が編み出す魔術の知識と力の全てを継承する
本来祝福は一代限りだが、祝福内容が次代にかかるため代々続いている
フォート家の魔術研究は“祝福”の危険回避の歴史で、盟約もその副産物
・フォート家の盟約
代を追うごとに強化される魔術に対抗するため編み出された魔力補強の方法
魔術そのものである人外の存在を媒介にして、同時に彼等の魔力を借りる取引
変換効率は絶大で、肉体の限界がなければほぼ無尽蔵に魔力を扱える
規格外の魔力を得たことで、フォート家の魔術は加速度的に洗練高度化
王国の脅威として一部から警戒されることとなった
・祝福回避の儀式
フォート家当主の妻(と胎児)に対する祝福の影響を薄める儀式
伝承伝説の検証し導き出された様々な条件を結婚前後に行う
王都の大聖堂での婚儀、王都と東部間を一日で移動等、実行困難な条件が多い
・“密談”の魔術
口に出す表の会話とは別に、思念による対話を可能とする魔術
原則、思ったことが相手に筒抜けになるため、“閂”といった技能を必要とする
“密談”機会の多い上位貴族にとって、“閂”は必須技能
・長距離転移の魔術
ルイの父が確立させた高度魔術
特定の要件の下、訪れたことのある場所と場所を繋ぎ移動を短縮させる
祝福回避儀式で王都と東部間を一日で移動するために編み出された
命運の女神を法則に四大精霊全てを属性に組込む
空間(世界)に干渉するため、魔力消費が大きい
・防衛地区バランの防御壁魔術
共和国との国境沿いに魔術的な防御壁を作り出す、大掛かりな高度魔術
地の精霊と眷属、術者の魔力をベースにし地の力が弱まると術者の負担が増す
現在は年一回、魔術の補強が必要
莫大な魔力が必要で、フォート家当主以外管理できない魔術とされている
・状態維持の魔術
対象物の時間の進みを限定的に遅らせる高度魔術
術が切れた後は一気に元の時の流れに戻る
時間や空間に干渉するため魔力消費が大きい
・契約魔術
双方の合意に基づいた条件の効力を魔術的に保証し縛る魔術
複雑高度なものは条件を精査できる法務の専門家と宮廷魔術師が必要
費用がとても高額で重要案件での使用が一般的
秘匿性を高めるため、書面は破棄し内容をメダル等に焼付けることも出来る
・魔術具と媒介
魔力の省力化や特定の機能を持たせた魔術を固定化した道具
魔力増幅に利用する神聖な力を宿す物は「媒介」と呼び魔術具と区別する。
魔術具は、中級魔術以上を扱える者なら開発可能で宮廷魔術師の仕事の一つ
作る時は魔力が必要だが、使う時は魔力は不要ため魔術師でなくても使える
・固形燃料
太陽光の熱と光を集め結晶化した魔術具。多くは夏の間にまとめて作られる
薄い茜色の鉱石で、衝撃を与えると発光発熱しながら小さくなり消える
ルイが作る高純度のものはフォート家専用
・通信用“箱”
フォート家専用の魔術具
フォート家と設置した各地の間で、手紙と手荷物程度の物を送受信できる
・ユニ家と邸宅の“扉”
ルイが開発した、フォート家とユニ家及び王都のフォート公爵邸を繋ぐ魔術具
個人認証が施されているため、使用許諾されている者しか利用できない
・紙鳩
ルイの緊急通信用の魔術。
フォート家の者にしか見えず、受け取れない。
・結婚指輪
ルイとマリーベルが婚儀で交わした金の指輪
当初はただの指輪だったが、二人の間で魔術的な意味を持つものになる
・法科院修了者のペン
契約魔術の署名に使用される魔術具
個人認証が付与されており、署名実績は法科院にある修了者名簿に記録される
・隠し部屋
魔術によって秘匿された部屋
元々ある部屋を秘匿する場合と部屋そのものを作り出す場合があり
移動式のものもある
・記憶の箱
アントワーヌがルイへの遺言のために言葉と記憶を封じた箱
箱というより真四角の部屋で、ルイの魔術に反応するように設定されていた
・ルイのローブ
上等の絹地を使った濃紺のローブ。
単なる高級品ではなく、魔術に適した特別な染料を使い、
お守りの効果を持つ魔術的な紋様の刺繍が入っており、
他者の攻撃をある程度無効化する魔術付与がされている。
・精霊博士
精霊他人外と交流でき取引を行える、古の資質を先天的にもつ者のこと
人外との直接的な交流と信頼関係で力の支援を受けられ、魔力は不要
命令で人外の力を使う魔術師とは対極的な存在
希少人材で王家直轄で管理される決まり
・精霊文字
一つで様々な意味を表し、精霊に直接意味を伝えるとされる
古語というより古代文字に近く、知る者も少ない
・魔術適性
魔力自体は生命力のようなものなので誰もが持っているといえるものの、
魔力を魔力として動かせるかは別でそれを魔術適性としている。
適性無しの者は魔力自体を使えないため論外。
ごく僅かに動かせても魔術を行うには足りない。
王国全体の約三割程の者がまったく魔力を使えない適性無しと考えられている。
マリーベルやマリアンヌは検査で適性無しと判定されている。
【王宮機関】
・魔術院
王宮深部にある魔術人材養成所。
一定の資質ありと認められた者は、強制的に魔術院に入る決まり。
貴族は必ず魔術適性を検査し、平民は原則見送られることから貴族が多い。
汎用魔術を操る初級魔術から段階的な養成課程を受ける。
ほぼ可能性だけで送られるため、大半の者が初級課程も未修了で終わる。
魔術院送りの者の大半が早期に未修了で終わり、外聞的によろしくない場所。
そのため貴族にとっては口を噤む場所とされ、一般にほとんど知られない。
中級課程まで進めば、宮廷魔術師になれる資格が得られる。
・法科院
法務人材の王立養成機関。
特定要件を満たす高度法務人材を抱える組織でもある。
魔術院や軍部も気を遣うほど権威があり、法務大臣は法科院修了が任命の必須条件。
高度法務人材として法科院の一員となれば平民でも貴族的職業人と見做される。
・軍部
兵器の発展や戦略の高度化に伴い、騎士団の軍隊的運用が必要になり設立された。
各騎士団および宮廷魔術師や技官等を統括し、王の命の下、防衛軍事の最高指揮権を担う。
そのため長官職は王族と定められ、現在はソフィーの兄フィリップが務める。
【伝説伝承関係】
・四季の女神と四大精霊
春夏秋冬のそれぞれを司る女神と、仕える水火風地の精霊。
年中行事や王宮行事から、お守りや願掛けなど生活全般に密接に関わる。
魔術でも、神は法則、四大精霊は属性を決める基本として関わりが深い。
・命運の女神と輝きの精霊
四季の女神と四大精霊とは別格の女神と精霊。時や命運、光や闇を司る。
光と闇、世界の始まりと終わり、世界そのものを成立させ支配する。
時間や命運に関わり、人の寿命も司ると考えられ結婚や葬儀に関わる。
輝きの精霊クインテエーヌは命運の女神クラアに仕える精霊。
・“天上の紡ぎ糸”(クインテエーヌの紡ぎ糸)
輝きの精霊は人の寿命や人生を決める“天上の紡ぎ糸”を紡ぐ。
紡がれた糸巻きは命運の女神に捧げられる。
人は各々命運の女神から、“天上の紡ぎ糸”を与えられるといった伝承。
結婚における“布贈り”の慣習に関わる。
・“布贈り”の慣習
「“天上の紡ぎ糸”で布を織り上げる」夫婦が生涯を共にする表現に因む。
結婚が決まった際、男性は妻となる女性に綺麗な布を贈る。
“布贈り”の慣習には末長く一緒にといった意味が込められる。
男性から女性へ「糸を捧げる」「糸を機にかけて欲しい」言葉は求婚と同義。
奥ゆかしくも明確でかつ相手への愛情も示す求婚の言葉とされている。
・貴き血
古の貴族は不思議な力を持ち、その力で人々を従え導いた伝承。
現在では、貴族に都合の良い作り話、一笑に付される迷信とされている。
貴族社会でも迷信とされるが、一部の古い貴族で密かに信仰が残っている。
特に西部での信仰が根深く、貴き血の力を入れたいと望む貴族が存在する。
そのため貴族家の血縁者で“祝福持ち”や先祖返りなどは、誤解されやすい。
女児の場合は貴き血を継ぐ存在として、子を産む道具と扱われることもある。
・はじまりの地
ヴァンサン王が人と精霊と魔物の棲み分けを調整した際
その決め事を地の精霊グノーンが記したとされる
フォート家に伝わるヴァンサン王の伝承の地
蔓バラ姫やアントワーヌの言葉から、バランを指すとルイは推測している
【行事関係】
・王の誕生祭
エクサ王国で誕生日が祝われるのは王だけ。
建国のお話にちなみ王の誕生を祝うとされている。
正確には王の誕生ではなく、王に“恩寵が与えられた日”を称える祝典。
・誕生の祝い事
王国民は、季節生まれごとでまとめて誕生を聖堂で祝う。
春生まれは夏、夏生まれは秋、秋生まれは冬、冬生まれは春に祝う。
七歳は受洗式、十五歳は成人式もあわせて行う。
七歳までは神の子として扱い戸籍には入れない。
・婚姻の儀
王都の大聖堂で婚儀ができるのは王族か王家と縁の深い者のみ。
一般的には、新郎または新婦ゆかりの地の聖堂で婚儀を行う。
貴族の場合はより格の高い聖堂を望む場合もある。
大聖堂の婚儀は祝福回避儀式の一つ。
【王国・その他】
・エクサ王国
東西に伸び三国に分かれる大陸の、中央に位置する六角形に近い国。
略称は王国。魔術という独自の技法が他国に対する抑止力となっている。
・ティベリス共和国
王国の東側に、古くから多種多様な民族を従え統治してきた国。
略称は共和国。
王国領土をたびたび侵し、定期的に争いが起きている敵対国。
古代から高度な文明を築き、戦争で領土を広げる拡張路線をとる。
二十余年前の戦以降は休戦状態なものの、停戦協定や和睦は結んでいない。
エクサ王国の魔術技法を狙うが、魔術概念の情報が理解できず失敗している。
・ハイラック連合王国
王国の西側に位置する、王国とほぼ同じ大きさの国。
略称は連合王国。
エクサ王国の王や諸侯と血縁関係の貴族が多い国で、一応友好国。
両国間の争いは複数の貴族を巻き込み内政に影響するため互いに益がない。
共和国の脅威を手前で防ぐ砦として王国を利用している向きもある。
海を渡り別大陸との交易で栄華を誇る。
・王国の時間 ※( )の時間は目安。
王国の時間は二種類。
時計による一刻(約2時間)12区切りの時間。
聖堂日課による鐘の時間。
時計は高価なため王族や高位貴族、王宮の高官職が使う時間となっている。
一般的には聖堂日課に従うことが多い。中聖堂以上は鐘楼を持つ。
小聖堂しかない村なども近隣から聞こえる鐘を目安にしていることが多い。
各時間毎で鐘の鳴らし方が決まっており、三度繰り返す。
(鐘と時刻)
夜明けの鐘 音1回
使用人の起床、農作業の開始(5時頃)
勤めの鐘 音2回
始業・出勤時間、貴族・富裕層の起床(7-8時頃)
休息の鐘 音3回
午前休憩、 お茶の時間(10時頃)
午の鐘 音4回
昼食、昼休憩(12時頃)
昼下がり鐘 音1-2回
午後休憩、お茶の時間、酒場営業(14-15時頃)
夕刻の鐘 音1-3回
昼店の終業、宿屋・歓楽街営業(17時頃)
閉門の鐘 音1-4回
閉門、夕食、外出自粛(19時頃)
午前は鐘の音は一回ずつ増える。
午後は鐘は一回打って間を開けて、続く音が増える。
・教育・就業等年齢
7歳の受洗式まで神の子と扱い、国民と認められない。
12歳以下は就業禁止。
ただし、家業の手伝いや将来世話になる職人の下で雑用は許される。
貴族の魔術適性は7歳~13歳の間で検査される。
王宮に上がる者は年齢関係なく検査される。
(年齢)
0歳~6歳
神の子の扱い国民と認められない。
7歳~12歳
7歳の受洗式後、正式に王国民となる。
貴族は教育期間。
13歳~14歳
13歳から見習いで就業可能。
貴族は王宮に上がれる年齢。
家督が継げる年齢。
(13歳未満の場合は後見人か王の許可が必要)
15歳~
15歳で成人。一人前として扱われ、結婚可能。
一般的に初婚の適齢期は15~25歳。
ただし、上流階級女性は20歳超えると行き遅れ扱いとなる。
・二色のバラの会
王妃エレオノール他、王族や元王族の女性またはその夫人のお茶会。
表向きは王妃派中心夫人に限定される権威ある会と思われている。
実態は夫の愚痴や惚気話、噂や趣味の話を楽しむだけの会。
高貴な血筋や権力に直結する立場で世間話も深読みされるため、
他者を気にせずお喋り出来る場を持ちたいと自然発生した。
ルイが王国の脅威な魔術師かつ元七小国王家の末裔公爵なこともあり、
王妃エレオノールの招きでマリーベルも加わる。
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好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
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使用人達にも目を向けてくださってうれしいです。彼等のエピソードも書き切れてはいないのでぼちぼち挿話で書いていければなと思います。
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とっても励みになる、思わず顔が緩んでしまううれしい感想いただきありがとうございます!!
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もふ推しさん
本人達はなにか意地を張っているけれど側から見ればただじゃれてるだけな二人です。両片思いではなくなった途端にお互い大事で仕方ないけれど、まだ完全にはお互いに頼ることにはぎこちない二人です。感想ありがとうございます。