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学園入学編

??-夢4

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ガタッ、ガタ…


「ぁ…しっ……息子が帰ってきたら…」


「関係ないよ。っ…***だって気持ちいいんだろ?」


「ぁん…あ……」



ドサッ…


スクールバッグが肩から地面に重力に沿って落ちる。


ミーーン…ミーーーン…ミーーーーー…


外で蝉の声がする。


外は炎天下で、今日は今年の夏の中で1番の猛暑だとネットニュースでやっていた。

ポタっと額から落ちてきた汗が床へと落ちていった。



目の前の扉の奥から女の喘ぎ声と男の獣みたいな息遣いが聞こえる。

目の前の扉を開けようとしていた手はカタカタと震え、ドアノブに触ることなく固まっていた。

このままここから玄関まで戻り、外へ逃げ出したかった。でも、意思に反して足がコンクリートで固めたように動かない。


そうやってもたもたと葛藤している間にも行為の音は大きくなり、耳から脳みそに嫌という程流れ込んでくる。


結局体が動くようになったのは男と女が大人しくなった後だった。


玄関を出て、走った。ひたすら、どこへと言う訳もなく。ここから離れたい一心で走った。

しばらく走った後に公園が見えてきた。

夕方を通り越して夜になっているからか、公園は人気がなく、公園入口近くにあったベンチに力なく座り込んだ。


今だに手の震えが止まらない。


あんな、声。聞きたくなかった。


高校生になって今更、何親の喘ぎ声を聞いたくらいで、裏切られた気になっているんだ。軟弱だな。元からああいう人だろう?

男がいないと、依存先がいないと生きていけない女だったじゃん。そうだったよね。
父さんがいなくなってから酷かったよね。
だから、むしろいいんじゃない?そうだよ。そう。いた方が…きっといいんだよね。

そう、そうだった…分かってたよ。

母さんに必要なのは僕じゃない。

分かってた、だから大丈夫大丈夫。

僕は大丈夫。でしょ?


だから抑えてよ。頼む。こんな、ところで泣いたってどうしようもないじゃないか。



どうしようもないよ。本当に。


帰りたくないな。

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