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〚アフターストーリー〛〜不幸な少女のその後〜

〚5〛「日向の様子見」

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 パッツンな前髪に、腰辺りまで伸びた後ろと横髪。
 左目の下に2つピアスがあり、口の左下にも3つ。
 
 そして左耳に2つリングのピアスがついている。
 僕は全身が映る鏡の前に立って自分の姿を見ていた。
 
 理由は一つ。
 目の下の隈が凄いのだ。イベントの周回で、レアアイテムがドロップして、マーケットでそれを売って金にして……ウハウハしてたら朝だった…。
 前髪が目に刺さり目を擦る。
 
 前髪切ろうかな…もう目の真ん中辺りまで伸びてる。
 まあいいや。
 
 シャワー浴びよ。
 
 
 
 
 
 
 
 ””
 
 
 
 
 
 
 
 シャワーを浴び終わった僕は、着替えて、朝ご飯を作った。
 
 何時もだったらポテチ食べながらFPSゲーム何回かやって学校に行くんだけどな…。
 
 「はぁ…ねむ」
 
 欠伸をすると日向を起こしに向かった。
 
 扉を叩き、まるで棒読みな声をかける。
 
 「起きろー、朝だぞー…はぁ…」
 
 眠すぎて死ねる。
 
 ガチャッと音がなり、日向が出てきた。
 
 「ごめん…なさい、今起きました」
 
 目を擦りながら出て来て、寝癖がかなり凄い事になってる。
 
 「朝飯出来てるから、それから僕は先に学校行ってるからな」
 
 「…うん」
 
 未だに寝ぼけているのか僕の横に向かって頷いている。
 
 「じゃ、寝癖凄いから直していけよ?」
 
 僕は学校へ向かった。
 
 
 
 
 
 ””
 
 
 
 
 
 学校へ向かう途中、コンビニでコーラを買い、異次元収納に収納しておいた。
 
 「こらっ、そこ!授業中にコーラを飲むな!」
 
 「へーい」
 
 休み時間にでも様子見に行こうかな、日向の。
 
 「こらっ、授業中だぞ!スマホを弄るな」
 
 「へーい」
 
 お、ログボいいやつゲット。
 
 
 
 
 
 ””
 
 
 
 
 
 休み時間。
 
 うわ…何あいつ、めっちゃ日向にちょっかい出してんじゃん。
 
 日向の教室を覗くと、椅子に座ってる日向の横腹にめっちゃ膝でどついてくる男子が二人居た。
 
 しかも他の奴らはそんな日向を見てゲラゲラ嘲笑ってるし。
 
 まあ今まであんまり風呂入れなかったんだし汚がられるなら分かるが……。
 
 僕は日向の教室に入ると、日向の方へと向かった。
 
 「日向、ちょっと外行こ」
 
 「え……?お姉ちゃん、なんで…ここに」
 
 「あ?お姉ちゃんだぁ?はははっ!お前にか?」
 
 うっさいガキだな。
 
 「お前は黙ってろや」
 
 「ひっ……………ちっ…くそが」
 
 僕の殺意にビビって出た悲鳴にクラスの皆が声を殺して笑いだした。
 
 「うん、行くよお姉ちゃん」
 
 「おっけ、行こうか」

 外へ着くと。

 「日向はなんで学校へ行くんだ?」
 
 「え…?」
 
 僕の唐突な言葉により…日向は声を漏らした。
 
 「学校へ行く理由だよ」
 
 「え…っと、お母さんに…怒られるから」
 
 なんだ…自分の意思で学校へ行きたいと思ってたけど、それなら。
 
 「じゃあ休んでみないか?学校」
 
 「え…学校を…?」
 
 日向は俯き考えているようだ。
 それはそうだ、考えたことなかったんだろう。学校を休むなんて。
 
 僕と違って特に縛られているわけでもない。あ…そうするとニートになるのか?
 いいなーニート。
 
 「もう少し…考えてみる…」
 
 「別に急いでるわけでもないからゆっくりでいいよ」
 
 「うん…」
 
 日向は教室に戻っていった。
 
 じゃ、僕も戻りますかね。って次あのウザイおっさんの授業か、よし屋上へ行こう。
 
 ……裏庭へ着いたと。
 
 そして、……転移の方がバレずに行けていいんじゃ…でも…いや…う~ん。
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