不幸な少女の”日常”探し

〚第五章〛〜不幸な少女の”日常”編〜

〚144話〛「変わり果てた思い出」

　意味がわからない意味がわからない意味がわからない何がどうして…………あぁ…。
　
　あ‥ぅ…………ぁあ……知ら…ない。
　
　ジャラジャラと耳障りな音が聞こえる。
　
　そんなのを知らない。
　
　腕に枷が嵌められる。
　
　知らない。
　
　何処かに…連れて行かれる。
　
　知ら‥ない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない。
　
　お母さんは生きてる生きてる生きてるんだ死ぬ…なんて‥こと‥…。
　
　「ぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあぁぁあぁあぁぁぁぁ」
　
　知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない、生きてるはず生きてるはず生きてるはずこんな知らない知らない知らない知らない知らない知らない。
　
　頭を掻きむし…ｶﾞｷﾝｯ
　
　「…ぁ？」
　
　
　
　
　
　
　ｼﾞｬﾗﾗｯ
　
　
　
　
　
　
　「…な…んだ…これ…」
　
　「ようやく気付いたか……自分の状況になぁっ」
　
　僕の両手両足は鎖で繋がれていた。
　
　「フハハハハッ！まさか自分から死ににくるとはなぁ、賢明な判断だ、なぁ犯罪者」
　
　「犯罪…者…？」
　
　「そうだ、知らなかったのか？今あの家に近付いた者はすべて捕まる事を」
　
　そう言いながら男は横に居た部下らしい奴に指示を出す。
　
　「実験前に一ついい物を見せてやろう、…私の最高傑作だ」
　
　その間に運ばれているらしくゴロゴロと音が近付いてくる。
　
　「きっとお前も気に入るだろう」
　
　そして僕がいる部屋へ人一人分位の檻が運ばれて来た。
　
　「…」
　
　「この顔…見覚え無いか？お前の雇い主だろう」
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　現実が受け止められなく、
　
　「……………………ぁあ…………ああ………あぁ………ぁぁ…………っ」
　
　僕はただ手を伸ばそうとしていた。
　
　
　
　
　
　
　
　
　変わり果てた姿のお父さんへと。