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〚第三章〛〜家族編〜
〚62話〛「貴族の金」
しおりを挟むそろそろ行かないと…。
妹の試合が始まってしまう。
早足で会場へ向かった。
「おっ、ちょうどリーネの試合が始まるぞ」
リーネの試合に間に合ったらしく、お父さんが伝えてくれた。
これから始まるのは5試合目だ。
妹が出てきた。
妹に対する人は思ったよりも太っていて学年が2つ上ぐらいに見える。
正直顔はニキビだらけだし肌は脂ぎっとで生理的に無理だ…と思う、遠くてなんとなくしか見えない。
妹は魔法特化型。
対するデブは意外な事に妹と同じ魔法特化だった。
遠くてよく見えないがデブが妹に向かって何かはなしかけていた。
すると妹が遠目でもわかるぐらい引いていた。
きっと「負けたら俺様の物になれ」とか言われたんだろう。
想像しかできないからこう言われたことにしておこう。
あのデブが、あの奴隷を犯していた貴族によく似ているので仕方ない。
私的に本当に無理な存在だどんどん貶していこう。
さっさと妹に倒してもらいたい、そう思いながら試合開始の合図を待った。
「あの男の方…前の戦いで不戦勝したやつだったか?」
「そう…だったかしらね」
「ああ、たしか相手の不正発覚で…」
「ああ、そういえば」
「そういえばあの貴族……何処かで見たような…」
「……」
嫌な空気を漂わせながら。
結果だけ言うと妹は負けた。
ただデブは妹より弱かった、 妹の最初の何発か普通に攻撃が入っていたがすぐに審判が中止した。
不正していないにも関わらず妹が不正判定、妹の不正でデブの勝ち。
妹は審判に訴えていたがまるで話を聞かずそこで終わってしまった。
リーネは泣きながら退場した。
帰ってきたリーネをお母さん達が励ましの言葉を掛けながらが抱き締めた。
「うぅ…負けちゃったよー…!!ぐすんっ……ひっ………く………」
「大丈夫よ、あなたは良く頑張ったわよ」
「ぐすっ…………いいとこ見せようと頑張っただけなのに………っ…!」
「ああ、良いところはちゃんと見たぞ!最初の試合、カッコ良かったぞ!!」
「…ぐすっ………ひくっ……………本当に…?」
「…ああ」
「…」
これだから貴族は……。
あのクソデブ許すまじ。
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