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〚第三章〛〜家族編〜

〚60話〛「リーネの試合」

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 「「「「うをおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!!!」」」」
 
 会場はすごい熱気と歓声に包まれていた。
 親達や街の観戦者が自分の子の名前やただ叫んだりしていた。
 
 今日は妹が言っていた大会の日なのだ。
 朝早く起きて私とお母さんでお弁当を詰めた、お母さんと私と妹とお父さんの分を。勿論水筒も忘れていない、氷もしっかりと入れてあり、準備は万端だ。
 
 お父さんはラッキーな事に今日は休みらしく、私の横で、会場の熱気と歓声の一部になっていた。
 朝、寝坊しかけたお父さんを起こすのは大変だった。
 
 しかも妹の大会があるとお母さん達に伝えられたときのお父さんの声で寝ていた私が起こされたし。
 
 まあ、無事大会を見にこれたし良いけどね。
 
 
 
 
 
 大会はこんな感じになっていて、
 
 
 •大会の参加可能人数は8人。
 
 •学校の生徒全員に参加権があり、参加拒否も自由。
 
 •武器は学校側が用意するか、自前の武器の使用可、魔法は使用可。
 
 •勝負が審判が決める。
 
 •試合形式はトーナメント制。
 
 
 最初は4試合あり、妹は2試合目の戦いに出る事なっている。
 全部で7試合ある。
 
 最初の試合は観客の静寂と共に開始された。
 皆試合を集中して見ているのだ、時々「おぉ…」などは聞こえるが皆静かに試合を見ていた。
 選手が集中出来る様に最低限のマナーとしてそうしていたのかもしれない。
 
 お互いに動きを見合い止まっていたが片方の選手が相手に突っ込んでいったことにより、白熱した戦いへと盛り上がっていった。
 
 長く激しい戦いの末、勝ったのは最初に突っ込んでいった選手だった、その選手は剣士で、剣術のみで勝っていった。
 
 相手の選手は魔法と剣術の両使いだった。負けた原因はきっと魔法と剣術両方に半々で熟練度上げをしていたせいで、技が劣っていたせいだろう。
 
 「あの二人の戦いすごかったな!」
 
 「そうねえ、あの負けた子の戦い方…どこかで見た気がするのよね…あ、それより次よ!次リーネの試合だわ!」
 
 「おぉ!そうか!たのしみだなあ!!」
 
 「ふふっ…そうね、それにあの子張り切っていたものね…!」
 
 「…」
 
 酔った…。
 人混みに酔った…。
 死ぬ…。
 
 「お母…」
 
 「あ!リーネよ!!リーネッ!!頑張って~!!」
 
 「お父さ…」
 
 「おお!!リーネだッ!!リーネッ!頑張れーー!!」
 
 「…」
 
 お母さん達リーネに夢中で話しかけづらいし…リーネの試合だけでも我慢しないと…。
 
 うぷっ………。
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