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〚プロローグ〛〜不幸な少女の”日常”編〜

〚プロローグ〛「失って スタート」

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 夜の暗闇の中、弱々しく歩く少女の姿があった。
 03:31という時間なので車や人が通らず、街灯もない道を歩く少女の姿を見る者はいない。
 もしその少女の姿を見たら思わず目を背けてしまうだろう、裸足で…異様なほど痩せていて…痛々しい痣や傷を全身に作り…服はだらしなく伸びきっており…肩口が破け…髪はボサボサで…。
 だが…その少女は虚ろな目をしながら微かに笑っていた。
 ………
 ……
 …
 
 
 
 
 夜風が吹き、草木が擦れる音がする。
 鈴虫やカエルの鳴き声が響き、たまに、遠くで車が通る音。
 
 何もかもが終わった…なんのしがらみも無いこの瞬間に微かに胸が高鳴る。
 
 「っぁあ……!…もう殴られたりしないんだ…………!」
 
 思わず呟いてしまった……そして…自然に涙が頬をつたる。
 
 「……?」
 
 知らないうちに流していた涙に驚くが、今はそんな事気にならなかった。
 夜の冷たい空気…そんなのいつもだ。
 今は…今だけでいい…この瞬間が…僕にとって…!
 
 ドンッ
 
 鈍い音と共に、僕の体が中を舞う。
 
 「…ぇ……?」
 
 それは偶然か…必然か…居眠り運転をしていた車に轢かれ…ガードレールに飛ばされ…そして、首が丁度切れる位置で落ち………そのまま少女は……。
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