119 / 125
アルバの高等学園編
行かない選択肢はないんだよなあ
しおりを挟む
「「なんてことを言うんだ……」」
俺の言葉にヴォルフラム陛下は遠い目をして、アドリアン君は頭を抱えた。
そして、ミラ妃殿下は我が意を得たり、というにやり顔を披露してくれた。
「ほら、ヴォル。私が行くのが一番手っ取り早いって。ちょっと視察に行ってくるわね。アドリアン、オルシス、行くわよ。アルバくんは危ないから留守番ね!」
「ダメです!」
留守番を言い渡された瞬間、俺は慌てて首を横に振った。
そんな、兄様が竜を退治するところを見逃すなんてそんな手はない!
ミラ妃殿下特等席で見れるのずるい!
それに俺は絶対にいかないといけないんだから!
「僕が見た中では、僕が皆に指示を出してました! 僕なら竜攻略指示出来ます! なので、連れて行ってください!」
「オルシスの勇姿が見たいって顔に書いてあるわよ」
笑いながら妃殿下そう返され、俺は咄嗟に顔を手で覆ってしまい、またしてもセドリック君に噴き出された。
「そ、それも……ありますけど」
最後尻すぼみな言葉だったのは見逃して貰おう。
「でも、『終焉の厄災』で本当に的確な指示を出せたのはもう身を以て知ってるから……断れないわ」
でも、危ないし、とブツブツ呟くミラ妃殿下に、セドリック君がいきなり「はい!」と手を上げた。
「だったら僕が一緒に行ってアルバをひたすら守ってます! ミラ義姉様とオルシス様とアドリアン様は主戦力でしょ。だったら、僕が補助役として」
「ツヴァイトはどうかしら。補佐役であの人の右に出る者はいないのよ」
確かに、バフ掛けめっちゃすごかったしね。
セドリック君はどっちかというと攻撃の方だよね。
「回復は僕がするとして……」
「アルバ君が回復していたら咄嗟の指示が出せないわよ。リコル先生にご協力願いましょう。アルバ君のことも守ってくれるわ」
「義姉様!」
敢えてセドリック君の言葉を遮ったミラ妃殿下は、身を乗り出したセドリック君にチラリと視線を向けた。
「セドリックの強さは、まだ足手まといよ」
ミラ妃殿下は、はっきりとそう言った。
確かに、兄様達の年代に比べて俺たちの年代の魔法や剣技は比べものにならない。兄様達が突出してただけと言えばそれまでなんだけど。
それに、ドラゴンは最後の方に行けるようになるマップだったから、レベル的に高等学園一年生程度では多分瞬殺されるんだ。勿論俺が一人で行ったら一瞬どころじゃなく消し炭にされるけれど。
だから、俺はじゃあおいでという口添えはできなかった。だってセドリック君が大事だから。
「アルバが行くんでしょう。俺は、友人を守りたいんです」
「守りたいって気持ちだけではどうしようもないのよ、セドリック」
言い聞かせるミラ妃殿下の顔は、戦歴の戦士のような雰囲気だった。俺たちなんかよりもよほど修羅場をくぐってきてるから、その言葉は結構重い。
「どのような種類が視えたのか、教えて貰ってもいいか」
ヴォルフラム陛下も、セドリック君に声を掛けずに話を進めて行く。
それは兄様もアドリアン君も皆同じで。
俺はまっすぐ陛下に視線を向けて答えた。
「地を這い爪で攻撃してくる地竜と、羽根があり空から来る竜、そして二本足で立ち口からブレスを吐く竜の三種です」
「三種類もいるのね。腕が鳴るわ」
楽しそうに呟くミラ妃殿下に、誰もが鳴らさなくていいよ、と心の中でツッコむ。
「地竜は地属性に強く水に弱いです。そして空の竜は風属性に強く、氷属性が苦手、二本足の竜はとにかく魔法全般に強いです。ただ、足がとても細いので、風魔法で押し切るか物理で押し込めばすぐにバランスを崩します。ただし倒れてもブレスは健在なので、不用意に近付くのは危ないです」
持っていた鞄の中から一枚紙を取り出して、それぞれの竜を描いていくと、皆がその絵に釘付けになった。
トカゲの大きな物と、俗に言うドラゴンと呼ばれるようなもの、そして恐竜のような形の物を皆に見せると、誰ともなくすごい、という呟きが漏れ聞こえてきた。
その絵の下に、兄様が俺の説明した弱点を書き入れていく。
「これがあれば、アルバ君の指示がなくても大丈夫かしら……」
思案顔のミラ妃殿下に、俺は再度ダメ出しをした。
「攻撃パターンも何種類かあるので、その都度指示しないと難しいです!」
兄様の勇姿が見たいのです! 前の視察のときは見逃してしまったので、今度こそ絶対に見逃せません!
気合いを入れてぐっと拳を握ると、兄様の肩が震えた。
「僕は無様な姿は見せられないね」
にこりと微笑むその顔は、降臨した女神そのもので、きっと地を這う姿すら神々しいんだろうなと思わずうっとりする。
無理せず怪我せず安全に。
兄様に何かあれば、俺はきっともう生きて行けないから。
俺の絵を見て眉間に皺を寄せていたヴォルフラム陛下は、しばらく思案した後に顔を上げた。
「……南の国境付近が不安定で近隣の国民は不安に思っていることだろう。その者たちを元気づけるため、ミラが慰問に向かう。護衛でアドリアン、オルシス、治癒術士にリコルとブルーノを。それと、魔術陣技師として研修のため、アルバも同行。それの補助で、セドリックと……ジュールに依頼を出そう。彼は後の宰相補佐候補。少し早いが実地訓練だ」
いきなりのご指名に、セドリック君は歓喜の表情で両手を挙げた。
「あくまでミラは慰問。その間に襲撃があった場合は周りの者たちが撃退を許す」
溜息とともにヴォルフラム陛下が告げる。
そして、喜色満面なセドリック君に視線を向けた。
「遊びじゃない。が、アルバの能力の高さを実感するのは悪くないと思う。セドリックも将来王宮に通うのだから」
「かしこまりました」
うやうやしくセドリック君が頭を下げる。
もしかしてヴォルフラム陛下は、王宮での俺の立ち位置を今から固めるつもりなんだろうか。
将来ジュール君もセドリック君も立場的に父親の地位を継ぐことになるから、今のうちから自覚を持ってその立ち位置を盤石に、とか。
セドリック君とジュール君なら信頼できるからね。そして俺をいいように使い潰すこともないだろうし。
セドリック君はめっちゃ喜んでるけど、本当に後悔しないのかな。
それにしてもヴォルフラム陛下、ちょっとスパルタ過ぎないだろうか。
いきなり実地訓練みたいに竜の集団に放り込むなんて。
兄様達は苦労しない強さなのはわかってるけど、セドリック君とジュール君は大変そう。頑張れ~……
っていうかそこまでして俺のことを大事にしてくれるヴォルフラム陛下はきっと下心はないんだろうなあ。あるとしてもきっと俺が王宮にいる間は兄様が側近としていてくれるからとかそんな感じなんじゃなかろうか。
プレッシャーがすごいけど、できる限り頑張ります。
だって兄様の側近制服がかっこよすぎるから……! 思う存分愛でる所存……!
俺の言葉にヴォルフラム陛下は遠い目をして、アドリアン君は頭を抱えた。
そして、ミラ妃殿下は我が意を得たり、というにやり顔を披露してくれた。
「ほら、ヴォル。私が行くのが一番手っ取り早いって。ちょっと視察に行ってくるわね。アドリアン、オルシス、行くわよ。アルバくんは危ないから留守番ね!」
「ダメです!」
留守番を言い渡された瞬間、俺は慌てて首を横に振った。
そんな、兄様が竜を退治するところを見逃すなんてそんな手はない!
ミラ妃殿下特等席で見れるのずるい!
それに俺は絶対にいかないといけないんだから!
「僕が見た中では、僕が皆に指示を出してました! 僕なら竜攻略指示出来ます! なので、連れて行ってください!」
「オルシスの勇姿が見たいって顔に書いてあるわよ」
笑いながら妃殿下そう返され、俺は咄嗟に顔を手で覆ってしまい、またしてもセドリック君に噴き出された。
「そ、それも……ありますけど」
最後尻すぼみな言葉だったのは見逃して貰おう。
「でも、『終焉の厄災』で本当に的確な指示を出せたのはもう身を以て知ってるから……断れないわ」
でも、危ないし、とブツブツ呟くミラ妃殿下に、セドリック君がいきなり「はい!」と手を上げた。
「だったら僕が一緒に行ってアルバをひたすら守ってます! ミラ義姉様とオルシス様とアドリアン様は主戦力でしょ。だったら、僕が補助役として」
「ツヴァイトはどうかしら。補佐役であの人の右に出る者はいないのよ」
確かに、バフ掛けめっちゃすごかったしね。
セドリック君はどっちかというと攻撃の方だよね。
「回復は僕がするとして……」
「アルバ君が回復していたら咄嗟の指示が出せないわよ。リコル先生にご協力願いましょう。アルバ君のことも守ってくれるわ」
「義姉様!」
敢えてセドリック君の言葉を遮ったミラ妃殿下は、身を乗り出したセドリック君にチラリと視線を向けた。
「セドリックの強さは、まだ足手まといよ」
ミラ妃殿下は、はっきりとそう言った。
確かに、兄様達の年代に比べて俺たちの年代の魔法や剣技は比べものにならない。兄様達が突出してただけと言えばそれまでなんだけど。
それに、ドラゴンは最後の方に行けるようになるマップだったから、レベル的に高等学園一年生程度では多分瞬殺されるんだ。勿論俺が一人で行ったら一瞬どころじゃなく消し炭にされるけれど。
だから、俺はじゃあおいでという口添えはできなかった。だってセドリック君が大事だから。
「アルバが行くんでしょう。俺は、友人を守りたいんです」
「守りたいって気持ちだけではどうしようもないのよ、セドリック」
言い聞かせるミラ妃殿下の顔は、戦歴の戦士のような雰囲気だった。俺たちなんかよりもよほど修羅場をくぐってきてるから、その言葉は結構重い。
「どのような種類が視えたのか、教えて貰ってもいいか」
ヴォルフラム陛下も、セドリック君に声を掛けずに話を進めて行く。
それは兄様もアドリアン君も皆同じで。
俺はまっすぐ陛下に視線を向けて答えた。
「地を這い爪で攻撃してくる地竜と、羽根があり空から来る竜、そして二本足で立ち口からブレスを吐く竜の三種です」
「三種類もいるのね。腕が鳴るわ」
楽しそうに呟くミラ妃殿下に、誰もが鳴らさなくていいよ、と心の中でツッコむ。
「地竜は地属性に強く水に弱いです。そして空の竜は風属性に強く、氷属性が苦手、二本足の竜はとにかく魔法全般に強いです。ただ、足がとても細いので、風魔法で押し切るか物理で押し込めばすぐにバランスを崩します。ただし倒れてもブレスは健在なので、不用意に近付くのは危ないです」
持っていた鞄の中から一枚紙を取り出して、それぞれの竜を描いていくと、皆がその絵に釘付けになった。
トカゲの大きな物と、俗に言うドラゴンと呼ばれるようなもの、そして恐竜のような形の物を皆に見せると、誰ともなくすごい、という呟きが漏れ聞こえてきた。
その絵の下に、兄様が俺の説明した弱点を書き入れていく。
「これがあれば、アルバ君の指示がなくても大丈夫かしら……」
思案顔のミラ妃殿下に、俺は再度ダメ出しをした。
「攻撃パターンも何種類かあるので、その都度指示しないと難しいです!」
兄様の勇姿が見たいのです! 前の視察のときは見逃してしまったので、今度こそ絶対に見逃せません!
気合いを入れてぐっと拳を握ると、兄様の肩が震えた。
「僕は無様な姿は見せられないね」
にこりと微笑むその顔は、降臨した女神そのもので、きっと地を這う姿すら神々しいんだろうなと思わずうっとりする。
無理せず怪我せず安全に。
兄様に何かあれば、俺はきっともう生きて行けないから。
俺の絵を見て眉間に皺を寄せていたヴォルフラム陛下は、しばらく思案した後に顔を上げた。
「……南の国境付近が不安定で近隣の国民は不安に思っていることだろう。その者たちを元気づけるため、ミラが慰問に向かう。護衛でアドリアン、オルシス、治癒術士にリコルとブルーノを。それと、魔術陣技師として研修のため、アルバも同行。それの補助で、セドリックと……ジュールに依頼を出そう。彼は後の宰相補佐候補。少し早いが実地訓練だ」
いきなりのご指名に、セドリック君は歓喜の表情で両手を挙げた。
「あくまでミラは慰問。その間に襲撃があった場合は周りの者たちが撃退を許す」
溜息とともにヴォルフラム陛下が告げる。
そして、喜色満面なセドリック君に視線を向けた。
「遊びじゃない。が、アルバの能力の高さを実感するのは悪くないと思う。セドリックも将来王宮に通うのだから」
「かしこまりました」
うやうやしくセドリック君が頭を下げる。
もしかしてヴォルフラム陛下は、王宮での俺の立ち位置を今から固めるつもりなんだろうか。
将来ジュール君もセドリック君も立場的に父親の地位を継ぐことになるから、今のうちから自覚を持ってその立ち位置を盤石に、とか。
セドリック君とジュール君なら信頼できるからね。そして俺をいいように使い潰すこともないだろうし。
セドリック君はめっちゃ喜んでるけど、本当に後悔しないのかな。
それにしてもヴォルフラム陛下、ちょっとスパルタ過ぎないだろうか。
いきなり実地訓練みたいに竜の集団に放り込むなんて。
兄様達は苦労しない強さなのはわかってるけど、セドリック君とジュール君は大変そう。頑張れ~……
っていうかそこまでして俺のことを大事にしてくれるヴォルフラム陛下はきっと下心はないんだろうなあ。あるとしてもきっと俺が王宮にいる間は兄様が側近としていてくれるからとかそんな感じなんじゃなかろうか。
プレッシャーがすごいけど、できる限り頑張ります。
だって兄様の側近制服がかっこよすぎるから……! 思う存分愛でる所存……!
5,131
お気に入りに追加
14,621
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。