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アルバの高等学園編
自主学習教室の囚われの人
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『自主学習教室』は、広い部屋に勉強用の机が並んでいる部屋だ。
申請すれば放課後などに使える部屋で、教科書や参考書などが後ろの壁を埋めている。本当に自主学習用の部屋だ。
通常の教室のように机が並んだそこの隣には、机が一つだけ設置されている個室も十個ほど並んでいる。間を仕切っているのは移動できるパーティションなので、二人で個室に入ったりすることも出来るようになっている。
俺はいつもここを借りて、リコル先生と魔法の勉強をしている。放課後じゃなくて授業中に使用するので、個室ではなく、大きな教室の方を二人で向かい合って広々と使っている。今はまだ中等学園で習うところを一生懸命覚えているんだけれど、毎回攻撃魔法のところで躓く。リコル先生も回復特化とはいえ、攻撃魔法もちゃんと使えていて、魔法でメノウの森に出てくる魔物くらいは倒せるらしい。すごい。
いつもは二人きりでいる教室には、今日は上級生が待ち構えていた。
俺たちが入っていくと、にこやかに迎えてくれた。
「ようこそ自主学習教室へ。こちらで課題を出していますので、代表の方だけどうぞ」
そう言われて案内されたのは、 パーティションで仕切られた個室の方。個室に入った瞬間、そこにいた上級生が風で声を遮断する魔法を使った。
「ここは代表の方の人を見る目と動かす力が試される課題となっています。ここにあるお題を知るのは、代表の方だけ。そのお題を直接口に出さないようにして、チームのメンバーにそのお題をクリアさせないといけません。向こうでもメンバーにどのようなことをするのか、説明をしていますので、ルールは伝わると思います」
「お題を口にしてはいけない……?」
「そう。そのお題に沿った何かをすることで、代表の方がメンバーの元に戻ることが出来ます。制限時間は十分。それでクリア出来なかったら、点数はゼロ点です。もしお題を口にしてしまっても、ゼロ点」
「難しそうですね……わかりました」
俺が頷くと、数枚の封筒が机の上に並べられた。そこから一枚引いたらそれがお題になるらしい。
手近な一枚を引くと、上級生が封を開けて中身を確認した。
それをそっと俺の前に出す。
『花瓶に入っている花の色を魔法で変える』
「……こんなことまで魔法ってできるんですね。すごい。でもこれを口にださずに皆に行動させるって難しくないですか?」
眉をハの字にすると、上級生は口角を上げた。
「難しいのが醍醐味です。どうやって上手に指示を出すか。班長に選ばれた子は、皆家格的に他の者を率いないといけない場合もあるのです。ええと、アルバ様ですよね。公爵家はまさに皆を引っ張っていく立場になります。これはそれのちょっとした練習です。間違えても大丈夫です」
どうやっていいのか検討もつかなかったのでさらに眉を下げると、上級生が目を細めた。
「指示と言いましても、例えば、『○○、どこにこういう魔法を』『○○、何々を持て』等、簡単な指示で大丈夫です。それを忠実に下の者が動けるか、いかに的確に、けれど課題に触れない指示で課題をこなすことが出来るかが鍵となります」
「それでいいんですね。僕も何も出来ずに足を引っ張るくらいなら、こういうところで胸を借りて勉強します」
「その意気です。……僕はオルシス様が在学中にここに入学しましたが、あの方の指示は冷静にして鋭く、そして無駄のないとてもクールなものでした。尊敬しています。それに、僕の兄がオルシス様と同じ学年で、よくアルバ様の話をして下さいました。小さいのにとても頑張っていると。お元気な姿でお会いすることは適わないと思っていましたが、お会いできて嬉しいです」
フッと微笑む顔は、兄様と同じ学年の人達が俺に向けてくれる温かい視線と同じだった。
一気に心が軽くなって、テンションが上がる。
兄様の指示は冷静にして鋭く、無駄なくクール……!
きっと先頭に立って陣頭指揮を執る兄様はめちゃくちゃにかっこいいんだろうなあ! まるで軍神のようなりりしさと慈愛の女神のような美しさの同居した兄様は、最高に見応えがあるんだろうなあ!
俺にはそんな真似はできないけれど、少しでも近付けたらいいのに。
軍神兄様を想像してうっとりしていると、横から「では、開始します」と声を掛けられて我に返った。
上級生が俺の前に『囚われ人』というよくわからない札を立てる。それが立った瞬間、何やらふと圧迫感を感じた。でも周りを見回してもさっきと何も変わりなかった。何だったんだろう。
「代表の方はここから動いてはいけません。声だけで指示をお願いします」
俺に注意事項を伝えると、上級生はパーティションを外して、声の遮断魔法を解いた。
開けた教室の中では、班のメンバーがじっとこっちを見ていた。
ぐるりと見回すと、教卓のような場所には花瓶が置かれており、白い花が生けられていた。
直接指示を出すことなく、あの花の色を変えないといけないなんて、どれだけ冷静でクールでも難しくないかな。
むしろ花の色を変える魔法なんて俺は知らない。花の色を変えて下さいと言わなければセーフなのかな。
班のメンバーは俺の指示を今か今かと待っている。
色の指定はされていないんだよね。
俺は皆の属性を思い出しながら、口を開いた。
「……フレッド君、この教室にある水を、闇に染めて下さい。そしてセピア嬢はその水を吸収促進させて下さい」
水属性は二人いたけれど、より緻密な魔法が使えそうなセピア嬢を指名してみた。
ここで花にと付け足すと多分点数引かれるんだよね。だったら、この教室にある水指定で。
フレッド君はキリッとした顔で頷くと、教室内を見回した。
ここ、水道とかないから、水と言ったら花瓶の中くらいしかないと思うんだよね。
「闇よ、澄んだ水を黒く染めろ」
フレッド君はちゃんと気付いてくれたようで、花瓶に向かって魔法を打った。黒いモヤモヤが花瓶に纏わり付き、じわりと吸収されて行く。
「水よ、その清き流れで潤いを与えよ」
続いてセピア嬢が詠唱する。
すると、花瓶にはいった花の茎が水を吸ってじわじわと黒くなっていく。セピア嬢の魔法で素早く浸透していった闇の水は、その白い花びらに黒い筋をつけていった。
「そういうやり方か……考えましたね。合格です」
説明してくれた上級生が立ち上がって宣言すると、メンバーの方にいた上級生がランド君に鍵のような物を渡した。
「では、その鍵で囚われ人の代表を助けて下さい」
助ける? と首を傾げていると、すぐ様こっちに走り寄ってきたランド君が手にした鍵を俺の前に立てられた札に掲げた。
瞬間、カチリ、という音が響き、少しだけ感じた圧迫感がなくなった。もしかして今の、結界的な何か?
「代表は動かないのではなく、物理的に動けない状態にしていたんです。中には暴れようとして面白い姿の状態で固まっている新入生もいて、なかなか面白かったですよ」
そっと上級生が教えてくれる。俺はじっとしていてまったく動かなかったから気付かなかっただけで、本当にあの鍵がないと出られない仕様になっていたらしい。すごすぎる。
「今回のお題は、『花瓶に入っている花の色を魔法で変える』でした。一つの言葉も使わず、きちんと班のメンバーの特性を理解して指示を題した代表も、指示通りきっちりとこなしたメンバーも素晴らしかったです」
にこやかに言われて、セピア嬢とフレッド君がほっと息を吐いたのが目に入った。
椅子から立ち上がって足を踏み出すと、ランド君がにかっと笑って流石ですと手をハイタッチの形にした。なので遠慮なくその手にパンと自分の手を当てた。
申請すれば放課後などに使える部屋で、教科書や参考書などが後ろの壁を埋めている。本当に自主学習用の部屋だ。
通常の教室のように机が並んだそこの隣には、机が一つだけ設置されている個室も十個ほど並んでいる。間を仕切っているのは移動できるパーティションなので、二人で個室に入ったりすることも出来るようになっている。
俺はいつもここを借りて、リコル先生と魔法の勉強をしている。放課後じゃなくて授業中に使用するので、個室ではなく、大きな教室の方を二人で向かい合って広々と使っている。今はまだ中等学園で習うところを一生懸命覚えているんだけれど、毎回攻撃魔法のところで躓く。リコル先生も回復特化とはいえ、攻撃魔法もちゃんと使えていて、魔法でメノウの森に出てくる魔物くらいは倒せるらしい。すごい。
いつもは二人きりでいる教室には、今日は上級生が待ち構えていた。
俺たちが入っていくと、にこやかに迎えてくれた。
「ようこそ自主学習教室へ。こちらで課題を出していますので、代表の方だけどうぞ」
そう言われて案内されたのは、 パーティションで仕切られた個室の方。個室に入った瞬間、そこにいた上級生が風で声を遮断する魔法を使った。
「ここは代表の方の人を見る目と動かす力が試される課題となっています。ここにあるお題を知るのは、代表の方だけ。そのお題を直接口に出さないようにして、チームのメンバーにそのお題をクリアさせないといけません。向こうでもメンバーにどのようなことをするのか、説明をしていますので、ルールは伝わると思います」
「お題を口にしてはいけない……?」
「そう。そのお題に沿った何かをすることで、代表の方がメンバーの元に戻ることが出来ます。制限時間は十分。それでクリア出来なかったら、点数はゼロ点です。もしお題を口にしてしまっても、ゼロ点」
「難しそうですね……わかりました」
俺が頷くと、数枚の封筒が机の上に並べられた。そこから一枚引いたらそれがお題になるらしい。
手近な一枚を引くと、上級生が封を開けて中身を確認した。
それをそっと俺の前に出す。
『花瓶に入っている花の色を魔法で変える』
「……こんなことまで魔法ってできるんですね。すごい。でもこれを口にださずに皆に行動させるって難しくないですか?」
眉をハの字にすると、上級生は口角を上げた。
「難しいのが醍醐味です。どうやって上手に指示を出すか。班長に選ばれた子は、皆家格的に他の者を率いないといけない場合もあるのです。ええと、アルバ様ですよね。公爵家はまさに皆を引っ張っていく立場になります。これはそれのちょっとした練習です。間違えても大丈夫です」
どうやっていいのか検討もつかなかったのでさらに眉を下げると、上級生が目を細めた。
「指示と言いましても、例えば、『○○、どこにこういう魔法を』『○○、何々を持て』等、簡単な指示で大丈夫です。それを忠実に下の者が動けるか、いかに的確に、けれど課題に触れない指示で課題をこなすことが出来るかが鍵となります」
「それでいいんですね。僕も何も出来ずに足を引っ張るくらいなら、こういうところで胸を借りて勉強します」
「その意気です。……僕はオルシス様が在学中にここに入学しましたが、あの方の指示は冷静にして鋭く、そして無駄のないとてもクールなものでした。尊敬しています。それに、僕の兄がオルシス様と同じ学年で、よくアルバ様の話をして下さいました。小さいのにとても頑張っていると。お元気な姿でお会いすることは適わないと思っていましたが、お会いできて嬉しいです」
フッと微笑む顔は、兄様と同じ学年の人達が俺に向けてくれる温かい視線と同じだった。
一気に心が軽くなって、テンションが上がる。
兄様の指示は冷静にして鋭く、無駄なくクール……!
きっと先頭に立って陣頭指揮を執る兄様はめちゃくちゃにかっこいいんだろうなあ! まるで軍神のようなりりしさと慈愛の女神のような美しさの同居した兄様は、最高に見応えがあるんだろうなあ!
俺にはそんな真似はできないけれど、少しでも近付けたらいいのに。
軍神兄様を想像してうっとりしていると、横から「では、開始します」と声を掛けられて我に返った。
上級生が俺の前に『囚われ人』というよくわからない札を立てる。それが立った瞬間、何やらふと圧迫感を感じた。でも周りを見回してもさっきと何も変わりなかった。何だったんだろう。
「代表の方はここから動いてはいけません。声だけで指示をお願いします」
俺に注意事項を伝えると、上級生はパーティションを外して、声の遮断魔法を解いた。
開けた教室の中では、班のメンバーがじっとこっちを見ていた。
ぐるりと見回すと、教卓のような場所には花瓶が置かれており、白い花が生けられていた。
直接指示を出すことなく、あの花の色を変えないといけないなんて、どれだけ冷静でクールでも難しくないかな。
むしろ花の色を変える魔法なんて俺は知らない。花の色を変えて下さいと言わなければセーフなのかな。
班のメンバーは俺の指示を今か今かと待っている。
色の指定はされていないんだよね。
俺は皆の属性を思い出しながら、口を開いた。
「……フレッド君、この教室にある水を、闇に染めて下さい。そしてセピア嬢はその水を吸収促進させて下さい」
水属性は二人いたけれど、より緻密な魔法が使えそうなセピア嬢を指名してみた。
ここで花にと付け足すと多分点数引かれるんだよね。だったら、この教室にある水指定で。
フレッド君はキリッとした顔で頷くと、教室内を見回した。
ここ、水道とかないから、水と言ったら花瓶の中くらいしかないと思うんだよね。
「闇よ、澄んだ水を黒く染めろ」
フレッド君はちゃんと気付いてくれたようで、花瓶に向かって魔法を打った。黒いモヤモヤが花瓶に纏わり付き、じわりと吸収されて行く。
「水よ、その清き流れで潤いを与えよ」
続いてセピア嬢が詠唱する。
すると、花瓶にはいった花の茎が水を吸ってじわじわと黒くなっていく。セピア嬢の魔法で素早く浸透していった闇の水は、その白い花びらに黒い筋をつけていった。
「そういうやり方か……考えましたね。合格です」
説明してくれた上級生が立ち上がって宣言すると、メンバーの方にいた上級生がランド君に鍵のような物を渡した。
「では、その鍵で囚われ人の代表を助けて下さい」
助ける? と首を傾げていると、すぐ様こっちに走り寄ってきたランド君が手にした鍵を俺の前に立てられた札に掲げた。
瞬間、カチリ、という音が響き、少しだけ感じた圧迫感がなくなった。もしかして今の、結界的な何か?
「代表は動かないのではなく、物理的に動けない状態にしていたんです。中には暴れようとして面白い姿の状態で固まっている新入生もいて、なかなか面白かったですよ」
そっと上級生が教えてくれる。俺はじっとしていてまったく動かなかったから気付かなかっただけで、本当にあの鍵がないと出られない仕様になっていたらしい。すごすぎる。
「今回のお題は、『花瓶に入っている花の色を魔法で変える』でした。一つの言葉も使わず、きちんと班のメンバーの特性を理解して指示を題した代表も、指示通りきっちりとこなしたメンバーも素晴らしかったです」
にこやかに言われて、セピア嬢とフレッド君がほっと息を吐いたのが目に入った。
椅子から立ち上がって足を踏み出すと、ランド君がにかっと笑って流石ですと手をハイタッチの形にした。なので遠慮なくその手にパンと自分の手を当てた。
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