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547、俺無双!俺無双!
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「というわけで、今日は俺は見物としゃれこむことにする」
「私は撮影係」
「俺はサポート」
「私は、マック君と一緒にメイン火力、かな。ガンガン行こうね!」
ガンガン行こうね、なんてそんな笑顔で言われても。
すっごく楽しそうな4人に、思わず笑う。
でも俺が活躍できそうな場所なんてそんなにないから、気合入れるけどね。ガンガン行くユイを見るのはちょっと怖い……なんて、思ってみたりして。
気合いを入れていると、雄太がポン、と肩に手を置いた。
「実は俺たち、まだここを攻略してないんだ。全然ボスまでたどり着けないんだよ。辛うじてクリアした奴らの話では、ここのボスドロップ品を鎧に組み込むと滅茶苦茶強い闇耐性が付くらしくて、それが欲しいんだけど。どうしても皆いつも死に戻るんだ。それこそ勇者が呆れるくらい。だから、マックだけが頼りなんだ。クリアして、俺たちにボスドロップを恵んでくれ」
真顔でそんな事を言う雄太から、すぐさまパーティー加入の申請が飛んで来た。
なるほど、俺を誘ったのはそういうわけか。と納得しつつ、「YES」を押して雄太のパーティーの一員になる。
ってことは俺、今日は愉快な仲間になるってことか。
でも俺、全然愉快じゃないから、愉快なのはユイと海里に任せておこう。
俺は聖短剣にちらりと視線を向けて、鑑定眼を使った。
今日一日でどれくらい経験値が貰えるのか、ちょっと気になるから。辺境のゴーストなんて、めちゃくちゃ経験値くれそうじゃん。
確認すると、【456/***(-4)】となっていた。
結構溜まったんだな、とひとりウキウキしながら聖短剣を構える。
そこから、俺とユイの無双が始まった。
ユイは言葉通り、ガンガン魔法を使って魔物を蹴散らしていく。
何度か入った時は、ユイのこの魔法だけが頼りだったとか。
俺も負けずに聖魔法の攻撃魔法を唱えまくり、ユイ以上に無双した。
魔物をガンガン無双していくのがこんなに爽快なんて、初めて知ったよ。
なるほど戦闘厨はこの爽快感がいいんだな。なんとなくわかる気がする。かといって四六時中魔物退治をしたいとは絶対に思わないけど。何せ錬金楽しいし。調薬楽しいし。無双するヴィデロさんを見るのが楽しいし。
しばらく進むと、目の前に墓地の様な場所が現れた。
ボロボロに朽ちて、表面に何か文字の入った墓石が大量に並んでいる。
ポツポツと生えている木は枯れて垂れ下がり、更に怖い雰囲気を盛り上げている気がする。
っていうか感知を使うとこの墓地ヤバいってすぐわかる。
「何ここ……」
「ここね、通り過ぎるまでは、普通に何もない墓場なの。でも、この広場を抜けた瞬間にここから大量に魔物が湧いて襲ってくるのよ。しかもそこら辺に出てくる雑魚よりワンランク強いやつ。さっさと逃げないとここの先で死に戻り。上手く逃げても、さらに先に同じようなところがあったから、そこで死に戻り。それ以上先に進んだことないのよ。ユイがやられちゃうともう私達お手上げじゃない」
「なるほど。墓石の下に色々いるわけだ」
でも通り過ぎないと出てこないって、トラップの一種なのかな。
そんなことを口に出すと、ブレイブが首を振った。
「トラップではないって。前にユーリナさんが言ってた。ここから先に抜けれたのは、『白金の獅子』が一緒に入った時だったんだけど、あの人たちがいてすら、二度目の墓場で全員死に戻った。ユーリナさん『聖狩人セインアーチャー』なのに。ドレインさんは光とか回復系がメインなのにも関わらず」
「それ、俺一人がいたところでどうしようもないやつじゃないかな。俺終了のお知らせ?」
思わずブレイブにそう零すと、雄太が吹き出した。
「俺は既に終わってる。ユキヒラがどんなことをしてここを攻略したのかは聞かなかったけど、マックがダメだったらきっと俺らにここはクリアできない」
笑いながら、雄太は何ともダメダメなことを言っていた。
ユキヒラはここをどうやって攻略したんだろう。聖魔法と聖剣の組み合わせ? 攻撃だけじゃなくて、ユキヒラは聖魔法の状態異常とか浄化とかも使うから……とそこまで考えて、ハッと気付く。
「通り過ぎないで、まずここを浄化してこの嫌な気をなくせばいいんじゃないかな」
「なるほどやってくれ」
俺の独り言に律儀に返してくる雄太にサムズアップすると、俺はインベントリからドイリーを取り出した。
腕に巻いて、減ったMPを回復する。
そして、聖短剣を構えて、魔法欄に出てくる言葉をなぞる。
『この世界を見守る最上の神よ。その気高き聖なる神気でこの禍なる気を包みこみ給え。円状鎮魂歌』
聖短剣が凄くやる気満々で共鳴してくる。
MPがぐっと一気に減り、俺の周辺の墓石は、まばゆい光に包まれた。
前よりも少し範囲が広くなってる気がする。
MPも結構増えたのに、やっぱり残りはわずか。もしかして、MPによって範囲が変わってくるってことかな。
でも奥の方の墓石までは入りきらなくて、真ん中で唱えればよかったと少し後悔しながら、MP枯渇の眩暈をやり過ごした。
浄化の光が消えていくと、光に入っていた範囲の墓石は、綺麗な石になっていた。朽ちて読めなかった文字も、なんか読めるようになっている。
一つ一つを確認していくと、誰かの名前が入ってるみたいだった。まあ、墓石ならそうだよね。
MPを回復して、今度こそ全部の範囲が入るような位置に立つ。
そして、もう一度『円状鎮魂歌』を唱えた。
浄化の光が消えていくと、思わぬものが目に入った。
朽ちていた木が復活していたんだ。
しかも何か赤黒い実をつけて。
素材かな、と鑑定をしてみると『イデアの実:別名知恵の実とも呼ばれる果実。朽ち果ててなお憤怒の念に晒され続けたイデアの木を浄化することで生った果実。知能+5、レア度4』となっていたので、ありがたくゲットすることにした。
「私は撮影係」
「俺はサポート」
「私は、マック君と一緒にメイン火力、かな。ガンガン行こうね!」
ガンガン行こうね、なんてそんな笑顔で言われても。
すっごく楽しそうな4人に、思わず笑う。
でも俺が活躍できそうな場所なんてそんなにないから、気合入れるけどね。ガンガン行くユイを見るのはちょっと怖い……なんて、思ってみたりして。
気合いを入れていると、雄太がポン、と肩に手を置いた。
「実は俺たち、まだここを攻略してないんだ。全然ボスまでたどり着けないんだよ。辛うじてクリアした奴らの話では、ここのボスドロップ品を鎧に組み込むと滅茶苦茶強い闇耐性が付くらしくて、それが欲しいんだけど。どうしても皆いつも死に戻るんだ。それこそ勇者が呆れるくらい。だから、マックだけが頼りなんだ。クリアして、俺たちにボスドロップを恵んでくれ」
真顔でそんな事を言う雄太から、すぐさまパーティー加入の申請が飛んで来た。
なるほど、俺を誘ったのはそういうわけか。と納得しつつ、「YES」を押して雄太のパーティーの一員になる。
ってことは俺、今日は愉快な仲間になるってことか。
でも俺、全然愉快じゃないから、愉快なのはユイと海里に任せておこう。
俺は聖短剣にちらりと視線を向けて、鑑定眼を使った。
今日一日でどれくらい経験値が貰えるのか、ちょっと気になるから。辺境のゴーストなんて、めちゃくちゃ経験値くれそうじゃん。
確認すると、【456/***(-4)】となっていた。
結構溜まったんだな、とひとりウキウキしながら聖短剣を構える。
そこから、俺とユイの無双が始まった。
ユイは言葉通り、ガンガン魔法を使って魔物を蹴散らしていく。
何度か入った時は、ユイのこの魔法だけが頼りだったとか。
俺も負けずに聖魔法の攻撃魔法を唱えまくり、ユイ以上に無双した。
魔物をガンガン無双していくのがこんなに爽快なんて、初めて知ったよ。
なるほど戦闘厨はこの爽快感がいいんだな。なんとなくわかる気がする。かといって四六時中魔物退治をしたいとは絶対に思わないけど。何せ錬金楽しいし。調薬楽しいし。無双するヴィデロさんを見るのが楽しいし。
しばらく進むと、目の前に墓地の様な場所が現れた。
ボロボロに朽ちて、表面に何か文字の入った墓石が大量に並んでいる。
ポツポツと生えている木は枯れて垂れ下がり、更に怖い雰囲気を盛り上げている気がする。
っていうか感知を使うとこの墓地ヤバいってすぐわかる。
「何ここ……」
「ここね、通り過ぎるまでは、普通に何もない墓場なの。でも、この広場を抜けた瞬間にここから大量に魔物が湧いて襲ってくるのよ。しかもそこら辺に出てくる雑魚よりワンランク強いやつ。さっさと逃げないとここの先で死に戻り。上手く逃げても、さらに先に同じようなところがあったから、そこで死に戻り。それ以上先に進んだことないのよ。ユイがやられちゃうともう私達お手上げじゃない」
「なるほど。墓石の下に色々いるわけだ」
でも通り過ぎないと出てこないって、トラップの一種なのかな。
そんなことを口に出すと、ブレイブが首を振った。
「トラップではないって。前にユーリナさんが言ってた。ここから先に抜けれたのは、『白金の獅子』が一緒に入った時だったんだけど、あの人たちがいてすら、二度目の墓場で全員死に戻った。ユーリナさん『聖狩人セインアーチャー』なのに。ドレインさんは光とか回復系がメインなのにも関わらず」
「それ、俺一人がいたところでどうしようもないやつじゃないかな。俺終了のお知らせ?」
思わずブレイブにそう零すと、雄太が吹き出した。
「俺は既に終わってる。ユキヒラがどんなことをしてここを攻略したのかは聞かなかったけど、マックがダメだったらきっと俺らにここはクリアできない」
笑いながら、雄太は何ともダメダメなことを言っていた。
ユキヒラはここをどうやって攻略したんだろう。聖魔法と聖剣の組み合わせ? 攻撃だけじゃなくて、ユキヒラは聖魔法の状態異常とか浄化とかも使うから……とそこまで考えて、ハッと気付く。
「通り過ぎないで、まずここを浄化してこの嫌な気をなくせばいいんじゃないかな」
「なるほどやってくれ」
俺の独り言に律儀に返してくる雄太にサムズアップすると、俺はインベントリからドイリーを取り出した。
腕に巻いて、減ったMPを回復する。
そして、聖短剣を構えて、魔法欄に出てくる言葉をなぞる。
『この世界を見守る最上の神よ。その気高き聖なる神気でこの禍なる気を包みこみ給え。円状鎮魂歌』
聖短剣が凄くやる気満々で共鳴してくる。
MPがぐっと一気に減り、俺の周辺の墓石は、まばゆい光に包まれた。
前よりも少し範囲が広くなってる気がする。
MPも結構増えたのに、やっぱり残りはわずか。もしかして、MPによって範囲が変わってくるってことかな。
でも奥の方の墓石までは入りきらなくて、真ん中で唱えればよかったと少し後悔しながら、MP枯渇の眩暈をやり過ごした。
浄化の光が消えていくと、光に入っていた範囲の墓石は、綺麗な石になっていた。朽ちて読めなかった文字も、なんか読めるようになっている。
一つ一つを確認していくと、誰かの名前が入ってるみたいだった。まあ、墓石ならそうだよね。
MPを回復して、今度こそ全部の範囲が入るような位置に立つ。
そして、もう一度『円状鎮魂歌』を唱えた。
浄化の光が消えていくと、思わぬものが目に入った。
朽ちていた木が復活していたんだ。
しかも何か赤黒い実をつけて。
素材かな、と鑑定をしてみると『イデアの実:別名知恵の実とも呼ばれる果実。朽ち果ててなお憤怒の念に晒され続けたイデアの木を浄化することで生った果実。知能+5、レア度4』となっていたので、ありがたくゲットすることにした。
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