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385、熱を発散
しおりを挟む酷くしてもいいよ。っていうか俺でしか発散して欲しくない。
俺はヴィデロさんを見上げながら「ベッドに行こ」と誘った。
まだ日は高いけど、でも愛し合うのに、発情するのにお日様は関係ないよね。
すっかり愛し合う気満々だった俺を見下ろしたヴィデロさんは、眉間に皺を寄せて口を引き締めた。
「いや、他のことをしよう。クラッシュの店に遊びに行くか? それともカイルの所に素材を買いに行ってもいい。トレの森で素材集めなんかどうだ?」
「ヴィデロさん」
あくまで身体の中の熱を俺で発散する気はないらしいヴィデロさんは、話の流れを変えようとそんなことを言い始めた。
普段だったらそれも嬉しいんだけどさ。今は発情して欲しい。
俺は、必殺の物をこっそりインベントリから取り出して、手の中にそっと握りしめた。
そして抱きしめられたまま下を向いて、ヴィデロさんの背中に回した腕を解く。
手の中の物をそっと口に含んで、もう一度ヴィデロさんを見上げた。
「ヴィデロさん、じゃあ、キスして欲しい」
囁くと、ヴィデロさんは目を細めてから、そっと口を重ねてきた。
よし。
俺は舌で強引にヴィデロさんの唇を開けて、口に含んだものをヴィデロさんの口の中に詰め込んだ。
ヴィデロさんが目を見開く。口を離そうとしたところを首に腕を回して抑え込み、ヴィデロさんの口に突っ込んだままの俺の舌でそれを転がす。
そう、固形媚薬を。
かあっと身体が熱くなってくる。二人で固形媚薬を舌で転がしてるんだから当たり前だ。
ヴィデロさんの口からも吐息が洩れ、たまに喘ぎが零れるから、すごく効いてるんだと思う。何せ俺作ランクS固形媚薬。ランクCですらものすごい効きだったから、これで外に行こうなんて言わず、俺で熱を発散してくれるだろ。好戦的なんて、どんとこいだよ。受けて立つよ、っていうか俺も好戦的になっていいよね。
「ヴィデロさ……ベッド……」
舌を絡める合間にそう呟くと、ふわっと身体が浮いた。
俺を抱き上げたヴィデロさんが、キスを止めて奥の部屋に向かう。
しっかりとドアを閉めてから、ヴィデロさんは俺を見つめて唸った。
「酷くしたくないから……って、言ったぞ」
「聞いたよ。でも、俺が思いっきりヴィデロさんに愛されたかったんだ。ちょっと強引だけど……俺も一緒に舐めたから、ここで止まられると俺も辛い……だから、俺のせいだから、酷くしてもいいから、だから」
めちゃくちゃに愛して。
身体の火照りを感じながらまだ躊躇っているヴィデロさんを煽る様にバードキスを繰り返すと、はぁ、と大きく一度溜め息を吐いてから、ヴィデロさんが俺をベッドに下ろした。
ローブを寛げ、胸当てを器用に外して、インナーを胸元まで持ち上げるヴィデロさんの顔が赤いのは、きっと媚薬がしっかりと効いてるから。
胸当てが床に落ちる音がして、ヴィデロさんの膝がベッドに乗り上がった場所が少し沈む。
晒された腹筋にキスをしながら、ズボンを下げようと手を掛けた。
でも俺の足は太ももまでのブーツがしっかりと上まで締められていて、まずそれを脱がさないとインナーが脱げない。
ヴィデロさんはそれにイラっとしたのか、ズボンとパンツに両手をかけて、「ごめん、あとで買うから」と熱のこもった声で呟きながらその手に力を込めた。
ビリビリっと音がして、下半身にスッと空気が通る。
下を向くと、縫われていたズボンの中心が見事に半分に割けていた。強いはずのパンツは、ヴィデロさんの力で単なる布になって足の付け根に絡まっている。
裂けたズボンの間から、興奮マックスの俺のモノが顔を出して、それを見たヴィデロさんがごくりと喉を鳴らした。
まだ十分好戦的だった。ワイルドなヴィデロさんに興奮しかしない。こういうのもたまには、すごくいい。
ブーツを履いたままの足を割り開かれて、まだ邪魔なズボンが更にビリビリされる。ズボンが布になる度にさらに俺の熱も高まってく。興奮する。すっごく、興奮する。
ヴィデロさんはすっかり晒された俺のモノを、ためらいなく口に含んだ。
それだけでもう頭がパーンとなりそうだった俺は、思わずヴィデロさんの頭を鷲掴んでぐいっと奥に突っ込んだ。
「あ、あぁ……っ!」
奥に突っ込まれてもヴィデロさんはそのまま俺のモノを口で愛撫して、吸って、舐めて、舌でなぞった。
「も、待って、イく……っ!」
きゅっと吸われて、腰がズンと痺れる。まるで自分の声じゃないような中途半端に高い嬌声が耳について、さらに頭が白くなる。
早く出せとでも言うように先の部分を舌でなぞられて、俺はすぐに陥落した。
ゆっくりと俺のモノから口を離したヴィデロさんは、枕元にいつでも置いてある潤滑香油を手に取ると、蓋を開けてそのまま俺の腹の上に垂らした。零れた香油がベッドとローブと俺の下半身部分を濡らしていく。
それを手で塗り広げたヴィデロさんは、そのヌルヌルの手を俺の足の間に滑らせた。
香油のぬめりを借りて、ヴィデロさんの指が入って来る。
「ふ……あ」
「……マック」
囁かれて、俺は自分から足を開いて手で支えた。
早く欲しい。指だけじゃなくて。
もっと強引でもいいのに。
そう訴えるようにヴィデロさんを見ると、ヴィデロさんは目を細めて、軽く俺の太腿を噛んだ。
太腿を噛まれるとヤバいっていうの、初めて知った。
指で中を慣らす間、ヴィデロさんが我慢できなくて俺の太腿を噛んだり付け根を舌でなぞったりしたせいか、俺の口からはもう嬌声しか出なかった。
まだ挿入前なのにこんなんで俺最後までもたなそう。何をされても気持ちいい。いつもよりもちょっと乱暴な指使いがまた刺激になってすごくいい。
相変わらず身体の中の熱はこもりっぱなしで、媚薬効果がしっかりと持続してるのがなんとなくわかる。
たまにピリッと痛みが太腿から走るのが、さらに刺激になってヤバい。
欲しい。はやく、一つになりたい。痛くてもいいから、はやく。
無意識に俺はそう口走ってたらしい。
指がずるりと抜かれて思わず腰を跳ねさせていると、足をぐっと広げられた。
そして、待ちわびた熱が、今まで解されていたところに宛がわれた。
ヴィデロさんの息がちょっと荒いのが嬉しい。その息遣いでさらに俺も煽られる。
足をぐっと胸の方に押し付けられて腰が浮く。
そのまま、ぐぐぐ、とヴィデロさんのヴィデロさんが挿ってきた。
割り開かれる感覚が、頭の中をショートさせる。
いつもはゆっくりの挿入が、今日は一気に奥まで突き上げられて、悲鳴にも近い嬌声が口から洩れた。
「は……っ、あああ!」
しっかりと香油を纏った俺の中が、ヴィデロさんの早急な動きにもちゃんと快感を拾っていく。
最初から奥をガンガン突かれても、それがいい。
足がヴィデロさんの肩に掛けられて腰が完璧に浮いちゃってる状態で奥を突かれるのが、眩暈がするほど気持ちいい。内臓がひっくり返りそうになって、脳みそが沸騰する。
「あ! ん、んんっ」
動きに合わせて声が洩れる。
たくし上げられたインナーからちらりと見える刺青に唇を這わされてさらに声が大きくなる。
一回一回の動きがすべて俺の快感を煽って、耐えきれない。ぐ、と奥を突かれるたびに俺のモノから液が飛び出す。
「ヴィデロさ、好き、あ、んん、好き」
「マック、マック……っ」
俺を呼ぶヴィデロさんの声が、いつもよりもすごい熱を伴ってて、胸がぎゅうぎゅう締め付けられる。
ベッドに押し付けられるように激しく動かれて、動くたびにヴィデロさんの口からも喘ぎが洩れる。たまに耐えられない様に顔を顰めては、顔の横にある俺の足に歯を立てる。
歯を立てられるたびに俺の中がギュッと締まるのが自分でもわかる。
その状態でさらに激しく奥に熱をぶつけられて、頭の中が沸騰する。
「……っ、マック……っ」
感情を全て込めたような艶のある声が耳に飛び込んできて、目の前がスパークした。
声にならない喘ぎが俺の口から洩れ、奥に熱の奔流が渦巻く。
あまりの気持ちよさに身体が震え、身体が中の熱を締め付ける。
ずるりとヴィデロさんのヴィデロさんが抜けていき、その刺激でまたも甘い声が洩れた。でもそれを気にするほど余裕もなくて、ようやくベッドに触れたお尻がシーツのちょっとした冷たさで熱を冷まされるのが心地よかった。
大きく満足の息を吐いて視線を下に向けると、ブーツとボロボロのズボンの間から見える俺の足には、数個の歯型が付いていた。うん、エロい。
ロングブーツもこういう時に見るとなんかかなりエロく見えるし、引き裂かれたズボンがそれに拍車をかけて、生っ白い俺の素肌にはヴィデロさんの綺麗な歯型。エロい。
そのエロさに反応するように、中身を出し切ってぐったりしていたはずの俺のモノがまたも元気に……。待って、まだ媚薬効果抜けてないの? それをしっかりと目で追ってるヴィデロさんも、アレだけ激しく動いてたくさん出したにも拘わらず、やっぱりしっかりと元気で……。
ドキドキしていると、くるりとひっくり返された。
「ごめん、まだ足りない……っ」
いまだにしっかりと欲情した声でそう言うと、ヴィデロさんが俺の腰をぐいっと持ち上げ、間を置かずにまたも一気に挿入してきた。
羽織ったままのローブが、ベッドに押し付けられてる頭にパサッと落ちる。
視界が暗くなって、ただヴィデロさんの息遣いと、求められてる熱、そして俺のモノを掴んで愛撫するヴィデロさんの手の動きに、ただただ翻弄されるしかなかった。
好戦的ってすごい……。
ヴィデロさんの熱がこれでもかと俺の中に出されて、ようやくヴィデロさんのヴィデロさんが大人しくなるころには、俺は全身が性感帯だったんじゃなかろうかと思うくらいに愛されまくってぐったりしていた。
スタミナ切れ寸前で身体の中からヴィデロさんがいなくなり、これだけ愛されたのに寂しいと思った俺は、きっとヴィデロさんよりもっと好戦的だったと思う。
でも終わってみると、ローブはドロドロズボンはズタボロ太腿とわき腹は歯型がついていて、なんか凌辱された後という感じの惨憺たる状態になっていた俺。それはそれですごく興奮する。
俺の姿を見下ろしてハッと息を呑んだヴィデロさんに、俺は思わず「……最高に気持ちよかった」と呟いていた。
だって、あれだけガツガツ求められるって、ほんとに嬉しいんだよ。しかも手加減なし。最高。
その言葉を聞いたヴィデロさんは、眉間のしわを消して、驚いたような顔をしてから、フッと優しく笑った。
その顔でわかる。ちゃんと発散されたんだ。
もう、我慢してるわけじゃなくて、ちゃんといつも通りに戻ったんだってわかった。
よかった。好き。
「つい夢中で……マック、ここら辺、痛くないか……?」
血がにじんでるとかそこまで咬まれたわけじゃない歯型をヴィデロさんが優しく撫でる。むしろ、そういうふうに撫でられると俺の雄の本能がまたも目覚めるから。
「痛くない。むしろ頭が真っ白になるくらい気持ちよかった……また勃っちゃうから撫でないで……」
「俺はもう一戦くらい余裕だからマックが勃っても問題ない」
「……スタミナポーション、取ってくれる……?」
手渡されたスタミナポーションを一気に呷った俺は、もう一度ヴィデロさんの愛と熱を吸い取ろうとヴィデロさんをベッドに押し倒した。
熱がすっかり発散されて穏やかになったエッチを堪能しつつ、さっきみたいなぐいぐい来るのもすごくよかったな、なんて思う俺なのだった。
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