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374、素材集めに行った先で
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無事押し売りに成功して意気揚々と工房に帰ってきた俺は、今日は素材を集めることにした。
調薬するにも錬金するにも素材がぐいぐいなくなるから。
出歩くたびに採取はしてたりするんだけど、やっぱり質のいい物が欲しい俺は、素材集片手にどこに行こうか考えた。
調薬の素材もそこそこ減ったけど、錬金素材も結構減ったからなあ。
パタンと素材集を閉じて、俺は倉庫のインベントリを開いた。
「ああ、エルフの里産の素材が数種類ないか……」
他では手に入らない素材が残り一桁になっている。
取りに行こうかな。いきなり転移で跳んでも大丈夫かな。とりあえず行ってみようかな。
とインベントリを閉じようとしてふと目に入ったピエラの実。
そうだ。手ぶらで行くのも悪いかも。
俺はピエラの実を数個取り出すと、キッチンに向かった。
必要な素材をキッチンのインベントリから取り出して、久し振りにお菓子を作る。
オーブンが大きくなったから、数個いっぺんに突っ込めるのがとてもいい。
鼻歌交じりにお菓子を焼いて、出来上がったピエラのパイの上に果実を切った物を飾り、最後にハーブを乗せて完成品をインベントリにしまった。うん、工房に甘いいい香りが漂う。今度またヴィデロさんにお菓子を作ろう。そして一緒に食べよう。そしてそして、あーんなんかしちゃったらもう最高。
ちょっとだけニヤニヤしながら、俺はエルフの里指定で転移の魔法陣を描いた。
一発でエルフの里に跳べたことにホッとしながら、前に雪森草を採取したことのある広場に出ると、前に入り口から奥に案内してくれたエルフさんがいた。
「誰かと思えばマック殿。いきなりどうしました」
「こんばんは。素材の採取をさせてもらおうと思って来たんですけど、なんか、前より人が少なくないですか?」
前は他の街と同様にエルフの人たちで活気のあった里は、今はかなりガランとしている。
俺が首を傾げると、エルフさんは少しだけ眉を寄せた。
「少しお時間をいただけますか。説明は長老の所で」
「時間は大丈夫なんですけど、もしかして忙しいとか」
「それも含めて、奥で説明します」
こちらへ、と里の奥に案内される。
前にも通ったことのある木々に囲まれた細い道を抜けて、大きな樹のある長老様の長屋に着くと、そこでは前と変わらずフルオープンな長屋の部屋の真ん中にちょこんと長老様が座っていた。
「こんばんは。とても騒がしい夜ね」
「こんばんは。いきなりお邪魔してすいません。騒がしい夜って、何かあったんですか?」
「そんなところに立っていないでどうぞおあがりなさい」
長老様に促されて、俺はブーツを脱いで部屋に上がった。
すぐに前も色々と持ってきてくれたエルフのお姉さんがお茶を持ってきてくれる。相変わらず綺麗なお茶。ありがとうございます。
お礼を言うと、お姉さんは「どういたしまして」と微笑して部屋を出ていった。
「まずは喉を潤してね。ちょっと最近とても地脈が騒がしいのよ。だから里の者が皆忙しくて」
「地脈が騒がしい、ですか?」
「あなたからも、地脈から感じるちょっとした気を感じるわ。何か変な物を持っていないかしら。とても大きな穢れから落ちた身体の一部とかそんな感じの物」
長老様の言葉に、あっとなった。
インベントリには骨が二本入っている。もしかしてそれのことかな。そう思って骨を出してみると、長老様はあらあら、と呟いた。
「それね。それを落とした魔物は、地脈に紛れ込んだ穢れた魔素の一部みたいね」
「え、もしかして、あの骸骨が?」
確かに今まで見たことない魔物だったけど。トレの適正レベルじゃ全然敵わないような感じの魔物だったけど。生半可なレベルの物理と魔法攻撃じゃ全くダメージ通らなかったけど。
「魔王の欠片、みたいな物でしょうか」
「欠片とも言えない小さな塵芥だけど、厄介なのがその小ささなのよ。網の目の様に防護柵を張り巡らせているはずなのに、その隙間から侵入されてしまうの。一瞬の隙を突かれてしまったわ。こういうことが増えてしまって。私たちももっと気を引き締めないといけないということかしら」
長老様は少しだけ沈んだような表情になって、溜め息を吐いた。そして気を取り直すようにお茶に口をつける。
茶器に注がれた湯が揺れる度に香る花の香りが気分を安定させてくれるかのように、ゆっくりゆっくりと手の中の茶器を傾げる長老様は、目を閉じると、しばらくの間は『香緑花』のお茶を味わうことにすべての神経を使っているみたいだった。
「その子も頑張っているのだけれど、やっぱり若いから少しだけ注意力散漫なのよね……」
顔を上げると、長老様は誰にともなく呟いた。
途端に、奥にあった大きな樹が風もないのにわさわさと揺れる。
「あらいやだ。若いから駄目ねって言ってるわけじゃないのよ。ただ、あなたは色々なものが気になりすぎるじゃない。だから網から塵芥が零れ落ちてしまうのよ。これから経験していけば、そういうこともなくなるから落ち込まないの」
長老様が苦笑しながら奥の木に話しかけている。まるで会話をしているかのように枝が揺れるのが何とも不思議だった。
揺れた拍子に葉がひらりと落ち、宙を舞う。
何の気なしにそれを目で追っていると、ゆっくりと宙を舞う葉はそよ風に吹かれたかのように旋回し、俺の膝の上に落ちてきた。
思わず摘まみ上げると、長老様が笑った。
「それをあげるから今の話は忘れてくれって言ってるわ。だから若いっていうの。こういうところが可愛いのよねえ」
「え、っと。ありがとうございます……?」
俺は奥の木に目を向けて、葉を持ったままお礼を言うと、またも枝がさわりと揺れた。
照れ隠し? 賄賂? 確かにそう思うと可愛いかも。って俺なんかよりは全然長生きなんだろうけど。
「それにしても、塵芥を処分してくれてありがとう。他にも数個どこかに零れ落ちてしまったけれど、あと残りの一体以外はすべて消えたみたいね。その一体を消しに里の子たちが出て行ってるのよ。活気がなくてごめんなさいね」
「いえ、そんな忙しい時にお邪魔してしまってすいません」
「いいのよ。それにあなたはお手伝いをしてくれたんですもの。歓迎するわ。でもこんなおばあちゃんの相手でつまらないかもしれないけれどね。素材はまた育ってきているから、好きなだけ持って行ってね」
長老様は可愛らしくコロコロと笑った。
あの骸骨、地脈を通ってきた魔大陸の魔物だったんだ。でもこの骨、触っても穢れたりしないけど。
出しっぱなしの骨を摘まんでまじまじと見ていると、長老様が困ったような顔をした。
「あまり触っていい物じゃないと思うのだけれど」
「でもこれ、穢れませんよ。素材ですし」
「あまりいい物は作れなそうね。それはもともと魔大陸の魔素から出来ている素材だから、何に入れても劇薬にしかならない気がするわ」
「確かに、猛毒を作る素材ってなってましたけど……魔大陸の魔素なんだ……うわあ」
出所を教えて貰ったせいか、段々と骨がとてもばっちいものに見えてきてしまった。
ってことは、もしかして素材としてじゃなくて、聖短剣の餌とかにならないかな。
だって魔大陸の魔素から出来てるし。
いい思い付きだと思って、俺は長老様に一言断ってから腰にある聖短剣を鞘から抜いた。
途端に空気がキン、と張り詰めた様な感覚が身体を巡る。
手に吸い付くように落ち着いた聖短剣は、引っ切り無しに俺に何かを訴えているみたいだった。
なんか、餌を前にして待ちきれない犬みたいなんだけど。
「あら、面白い物を持っているのね」
長老様が俺の聖短剣に目を向けて、呟く。その声に反応するかのように、刃先に光が走った、気がした。
そして魔法の呪文のように、ステータス欄の隅に呪文が現れる。
「『闇から生まれしものよ、その身を聖なる光で包み、我が糧となれ』」
聖短剣の切っ先を骨にくっつけて呪文を唱えた瞬間、骨がパキパキとひび割れ、目の前で崩れ落ち、砂になった。その砂に光が纏い、その光が短剣に吸い込まれるように消えて行く。そこに残ったのは、白い砂だけ。
手の中の短剣は、何ごともなかったかのように、シン……となった。
終わりかな。
聖短剣を鞘に戻すと、俺は残った砂を鑑定してみた。
「鑑定眼」
『無垢の灰塵:(×2)纏っていた穢れをはがされ、残った灰塵。何にでも混ざるため、無垢と呼ばれる。その属性を強く前面に押し出す性質をしているため、あらゆる調薬に適している。レア素材』
読んで思わずガッツポーズを取った俺。
猛毒になるものから、何にでも混入可能なものになった。よし。
早速ろ紙を取り出して、砂を丁寧に包む。レア素材とか書かれてるとテンション上がるよね。
灰塵の入ったろ紙をしまうと、俺は今度は聖短剣を鞘ごと腰から外した。
こっちは「ルミエールダガールーチェ【2/***】」となっている。今のが経験値になったんだ。でも二つで2。先は長いね。ってどれくらいの経験値でレベルが上がるのか、そもそもレベルっていう物があるのか、そしてこの***が一体何なのかも何もわからないんだけど。
調薬するにも錬金するにも素材がぐいぐいなくなるから。
出歩くたびに採取はしてたりするんだけど、やっぱり質のいい物が欲しい俺は、素材集片手にどこに行こうか考えた。
調薬の素材もそこそこ減ったけど、錬金素材も結構減ったからなあ。
パタンと素材集を閉じて、俺は倉庫のインベントリを開いた。
「ああ、エルフの里産の素材が数種類ないか……」
他では手に入らない素材が残り一桁になっている。
取りに行こうかな。いきなり転移で跳んでも大丈夫かな。とりあえず行ってみようかな。
とインベントリを閉じようとしてふと目に入ったピエラの実。
そうだ。手ぶらで行くのも悪いかも。
俺はピエラの実を数個取り出すと、キッチンに向かった。
必要な素材をキッチンのインベントリから取り出して、久し振りにお菓子を作る。
オーブンが大きくなったから、数個いっぺんに突っ込めるのがとてもいい。
鼻歌交じりにお菓子を焼いて、出来上がったピエラのパイの上に果実を切った物を飾り、最後にハーブを乗せて完成品をインベントリにしまった。うん、工房に甘いいい香りが漂う。今度またヴィデロさんにお菓子を作ろう。そして一緒に食べよう。そしてそして、あーんなんかしちゃったらもう最高。
ちょっとだけニヤニヤしながら、俺はエルフの里指定で転移の魔法陣を描いた。
一発でエルフの里に跳べたことにホッとしながら、前に雪森草を採取したことのある広場に出ると、前に入り口から奥に案内してくれたエルフさんがいた。
「誰かと思えばマック殿。いきなりどうしました」
「こんばんは。素材の採取をさせてもらおうと思って来たんですけど、なんか、前より人が少なくないですか?」
前は他の街と同様にエルフの人たちで活気のあった里は、今はかなりガランとしている。
俺が首を傾げると、エルフさんは少しだけ眉を寄せた。
「少しお時間をいただけますか。説明は長老の所で」
「時間は大丈夫なんですけど、もしかして忙しいとか」
「それも含めて、奥で説明します」
こちらへ、と里の奥に案内される。
前にも通ったことのある木々に囲まれた細い道を抜けて、大きな樹のある長老様の長屋に着くと、そこでは前と変わらずフルオープンな長屋の部屋の真ん中にちょこんと長老様が座っていた。
「こんばんは。とても騒がしい夜ね」
「こんばんは。いきなりお邪魔してすいません。騒がしい夜って、何かあったんですか?」
「そんなところに立っていないでどうぞおあがりなさい」
長老様に促されて、俺はブーツを脱いで部屋に上がった。
すぐに前も色々と持ってきてくれたエルフのお姉さんがお茶を持ってきてくれる。相変わらず綺麗なお茶。ありがとうございます。
お礼を言うと、お姉さんは「どういたしまして」と微笑して部屋を出ていった。
「まずは喉を潤してね。ちょっと最近とても地脈が騒がしいのよ。だから里の者が皆忙しくて」
「地脈が騒がしい、ですか?」
「あなたからも、地脈から感じるちょっとした気を感じるわ。何か変な物を持っていないかしら。とても大きな穢れから落ちた身体の一部とかそんな感じの物」
長老様の言葉に、あっとなった。
インベントリには骨が二本入っている。もしかしてそれのことかな。そう思って骨を出してみると、長老様はあらあら、と呟いた。
「それね。それを落とした魔物は、地脈に紛れ込んだ穢れた魔素の一部みたいね」
「え、もしかして、あの骸骨が?」
確かに今まで見たことない魔物だったけど。トレの適正レベルじゃ全然敵わないような感じの魔物だったけど。生半可なレベルの物理と魔法攻撃じゃ全くダメージ通らなかったけど。
「魔王の欠片、みたいな物でしょうか」
「欠片とも言えない小さな塵芥だけど、厄介なのがその小ささなのよ。網の目の様に防護柵を張り巡らせているはずなのに、その隙間から侵入されてしまうの。一瞬の隙を突かれてしまったわ。こういうことが増えてしまって。私たちももっと気を引き締めないといけないということかしら」
長老様は少しだけ沈んだような表情になって、溜め息を吐いた。そして気を取り直すようにお茶に口をつける。
茶器に注がれた湯が揺れる度に香る花の香りが気分を安定させてくれるかのように、ゆっくりゆっくりと手の中の茶器を傾げる長老様は、目を閉じると、しばらくの間は『香緑花』のお茶を味わうことにすべての神経を使っているみたいだった。
「その子も頑張っているのだけれど、やっぱり若いから少しだけ注意力散漫なのよね……」
顔を上げると、長老様は誰にともなく呟いた。
途端に、奥にあった大きな樹が風もないのにわさわさと揺れる。
「あらいやだ。若いから駄目ねって言ってるわけじゃないのよ。ただ、あなたは色々なものが気になりすぎるじゃない。だから網から塵芥が零れ落ちてしまうのよ。これから経験していけば、そういうこともなくなるから落ち込まないの」
長老様が苦笑しながら奥の木に話しかけている。まるで会話をしているかのように枝が揺れるのが何とも不思議だった。
揺れた拍子に葉がひらりと落ち、宙を舞う。
何の気なしにそれを目で追っていると、ゆっくりと宙を舞う葉はそよ風に吹かれたかのように旋回し、俺の膝の上に落ちてきた。
思わず摘まみ上げると、長老様が笑った。
「それをあげるから今の話は忘れてくれって言ってるわ。だから若いっていうの。こういうところが可愛いのよねえ」
「え、っと。ありがとうございます……?」
俺は奥の木に目を向けて、葉を持ったままお礼を言うと、またも枝がさわりと揺れた。
照れ隠し? 賄賂? 確かにそう思うと可愛いかも。って俺なんかよりは全然長生きなんだろうけど。
「それにしても、塵芥を処分してくれてありがとう。他にも数個どこかに零れ落ちてしまったけれど、あと残りの一体以外はすべて消えたみたいね。その一体を消しに里の子たちが出て行ってるのよ。活気がなくてごめんなさいね」
「いえ、そんな忙しい時にお邪魔してしまってすいません」
「いいのよ。それにあなたはお手伝いをしてくれたんですもの。歓迎するわ。でもこんなおばあちゃんの相手でつまらないかもしれないけれどね。素材はまた育ってきているから、好きなだけ持って行ってね」
長老様は可愛らしくコロコロと笑った。
あの骸骨、地脈を通ってきた魔大陸の魔物だったんだ。でもこの骨、触っても穢れたりしないけど。
出しっぱなしの骨を摘まんでまじまじと見ていると、長老様が困ったような顔をした。
「あまり触っていい物じゃないと思うのだけれど」
「でもこれ、穢れませんよ。素材ですし」
「あまりいい物は作れなそうね。それはもともと魔大陸の魔素から出来ている素材だから、何に入れても劇薬にしかならない気がするわ」
「確かに、猛毒を作る素材ってなってましたけど……魔大陸の魔素なんだ……うわあ」
出所を教えて貰ったせいか、段々と骨がとてもばっちいものに見えてきてしまった。
ってことは、もしかして素材としてじゃなくて、聖短剣の餌とかにならないかな。
だって魔大陸の魔素から出来てるし。
いい思い付きだと思って、俺は長老様に一言断ってから腰にある聖短剣を鞘から抜いた。
途端に空気がキン、と張り詰めた様な感覚が身体を巡る。
手に吸い付くように落ち着いた聖短剣は、引っ切り無しに俺に何かを訴えているみたいだった。
なんか、餌を前にして待ちきれない犬みたいなんだけど。
「あら、面白い物を持っているのね」
長老様が俺の聖短剣に目を向けて、呟く。その声に反応するかのように、刃先に光が走った、気がした。
そして魔法の呪文のように、ステータス欄の隅に呪文が現れる。
「『闇から生まれしものよ、その身を聖なる光で包み、我が糧となれ』」
聖短剣の切っ先を骨にくっつけて呪文を唱えた瞬間、骨がパキパキとひび割れ、目の前で崩れ落ち、砂になった。その砂に光が纏い、その光が短剣に吸い込まれるように消えて行く。そこに残ったのは、白い砂だけ。
手の中の短剣は、何ごともなかったかのように、シン……となった。
終わりかな。
聖短剣を鞘に戻すと、俺は残った砂を鑑定してみた。
「鑑定眼」
『無垢の灰塵:(×2)纏っていた穢れをはがされ、残った灰塵。何にでも混ざるため、無垢と呼ばれる。その属性を強く前面に押し出す性質をしているため、あらゆる調薬に適している。レア素材』
読んで思わずガッツポーズを取った俺。
猛毒になるものから、何にでも混入可能なものになった。よし。
早速ろ紙を取り出して、砂を丁寧に包む。レア素材とか書かれてるとテンション上がるよね。
灰塵の入ったろ紙をしまうと、俺は今度は聖短剣を鞘ごと腰から外した。
こっちは「ルミエールダガールーチェ【2/***】」となっている。今のが経験値になったんだ。でも二つで2。先は長いね。ってどれくらいの経験値でレベルが上がるのか、そもそもレベルっていう物があるのか、そしてこの***が一体何なのかも何もわからないんだけど。
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