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311、ヴィルさんの「こっちが気になる」の威力は半端ない
しおりを挟む「兄弟で走り回って遊びたかったし、父に高い高いして欲しかった。それに、家族でご飯を食べて、弟とおかずの取り合いをしてみたかった。うちは最初から家族という物が破綻していたから、たとえ母がこっちにずっといたとしてもその家族という物を味わうことは出来なかったんだっていうのはわかってるんだ。だからこそ、母から伝え聞く君たちの様子を見て、とても羨ましかったし、混ざりたかった。でもな」
「……」
「俺は一人じゃなかったよ。ずっと一緒にいてくれた祖父と祖母がとことん可愛がってくれた。俺の境遇が世に言う可哀そう、というのもあったんだろうが、それ以上に、ちゃんと孫として可愛がってくれたし、あらゆるものから守ってくれた。もちろん、母方の祖父母も俺にたっぷり愛情を注いでくれたし、母とはちゃんと連絡を取れていたから、独りで寂しいということはなかった。だから君が気に病むようなことは何もないから気にするな」
軽いウィンクと共に、全然軽くない内容のことを軽くさらっと流すヴィルさんに、ヴィデロさんがきゅっと口を引き締める。そして。
「……兄、さん」
ポツリと呟いたヴィデロさんの言葉に、ヴィルさんが目を見開いた。
ヴィデロさんがヴィルさんを兄さんなんて呼ぶの、初めて聞いた。それはヴィルさんも同じだったようで。
しばし驚いた顔をしていたヴィルさんは、つい呟いてしまって後悔している、みたいな表情のヴィデロさんを見て凄く嬉しそうに笑った。でもその後、すぐにその笑顔は引っ込んで、今度はニヤリと笑う。
「やっぱり弟の方がガタイがいいのは複雑だ」なんて、照れ隠しかな。
そしてヴィルさんは、ニヤニヤとヴィデロさんを見てから、不意に俺に視線を向けた。
「やっぱり健吾が俺をお兄ちゃんって呼んでくれたほうが楽しいな。君は俺より強くて大きいから、複雑だ。健吾、お兄ちゃんって呼んでくれ。さっきみたいに」
「マックはお前の弟じゃない! って無理やり呼ばせたのか……!」
「無理やりじゃない。ちゃんと健吾が自発的に呼んでくれたんだ。そうそう、明日は健吾にサバの味噌煮を作ってもらうんだ」
「勝手に俺のマックと約束するな……! マック、こいつに「お兄ちゃん」なんて、可愛い顔を見せるんじゃない!」
顔を険しくして俺に抗議してくるヴィデロさんに、ヴィルさんが大笑いする。
大丈夫、全然可愛くない顔だったから。ヴィデロさん心配し過ぎだよ。
こんな風に隙をみてはヴィデロさんを揶揄い始めるヴィルさんは、なんだかんだでヴィデロさんのことが好きだよなぁ、なんて俺は、凄く微笑ましい気分になったのだった。翻弄されるヴィデロさんも可愛くて好き。
深夜の森の散策は、始終そんな感じで進んだ。
俺といる時には見せないヴィデロさんの顔をたっぷり見れて、俺も有意義な時間を過ごしている。
既に山沿いの魔物が強くなっている境界線を越えて久しい俺たちは、ヴィルさんを守りながら進むというがっつりパワーレベリング的な状態に落ち着いていた。
魔物がワンランク強くなっているので、すでにヴィルさんのレベルでは太刀打ちできず、ヴィデロさんがサクサク倒しながら山に向かって着々と進む。こっちに何かあるのかな。俺が知ってるのは、レア素材が取れる場所があることくらい。でも一人で来ると、たまに魔物に倒されそうになるから、あまり素材集めもしてないけど。
ここら辺を仕事で巡回するヴィデロさんも、ここら辺は特に何もないって言ってるし、プレイヤーたちもトレの適正レベルではここの魔物は強くて死に戻り必至だからとこっちには近寄らずにクワットロに旅立つから、ほぼ足を踏み入れない。魔物も、そこまでレアな素材を落とすわけじゃないし、かといって魔物の経験値がバカ高いわけでもないからと、ほんとに物好きか素材集め以外では足を延ばさない場所なんだよここら辺て。
ここからもう少し東に向かえば、すっかりふれあいパークと化したジャル・ガーさんの洞窟があるんだけど、そこからも軌道がずれてるから、こっちにはほんとに山しかないはず。
「そろそろ戻った方がいいんじゃないか?」
「でもこんな機会じゃないと行きたい方向に進めないだろ。最高の護衛がいるんだから、突き進むべし。もちろん報酬は払うよ。健吾が向こうの世界で作った向こうの世界の料理でどうだ。ちゃんと時間を合わせて送るから、その時はしっかりとあの狼の所にいてくれよ」
「仕方ないな……で、こっちに何があるんだ」
二人で交渉が成立したらしい。でも待って、ヴィルさんそういうのを勝手に決めないように。作る本人はここにいるんだから。
……でも俺が作った和食をヴィデロさんに食べてもらえるのは……なんか、うん。仕方ない。ヴィルさんの護衛頑張ろう。
そんな感じで乗せられた俺たちが、ヴィルさんの行きたい方向に向かって山のふもとまでついたときには、すでにヴィルさんのレベルは10を軽く超えていた。一晩でどれだけパワーレベリングしたんだよ。普通はそんなに簡単にパーソナルレベルがんがん上がらないよ。
ヴィルさんが「ここら辺なんだけどな」と足を止めた時には、俺のインベントリもヴィデロさんの鞄も魔物の素材でかなりパンパンになっていた。
辺りを見回しても、目の前は崖の岩肌、後ろは深い森が視界に広がるばかり。まだ深夜だから辺りは真っ暗。俺が魔法陣で描いた明かりの魔法は、辺りをうすぼんやりとしか照らしてはくれない。
「何でこっちの方に何かあると思ったんですか?」
素朴な疑問をヴィルさんに投げかけると、ヴィルさんは首を捻りながら「こっちの方が何か気になる、っていう気分だったから、かな」なんていう曖昧な答えをくれた。
そしてヴィルさんがその場で動きを止めて、目を閉じた。
「……やっぱり、何かある気がする」
スッと目を開けて、岩肌を見上げた。
俺はもちろん、ヴィデロさんも何も感じないみたいだった。俺の「感知」でも引っかかるものは何もない。
何だろうなと思っていると、ヴィルさんがおもむろにデコボコの岩に足をかけて、暗い崖を登り始めた。
慌てて明かりの魔法陣をヴィルさんに向かって飛ばすけれど、ヴィルさんは辺りの様子がわかっているんじゃないかと思うほどスムーズに登って行った。
待って、何でそんなに軽々登れるんだ。これ、絶対に俺は登れないよ。腕力だけで身体を持ち上げるとか、無理だから。
ひょいひょい登っていくヴィルさんは、絶対にボルダリングの経験があるんじゃないかと思うほど、足取りに迷いがなかった。
二人でしばらくヴィルさんを見上げていると、だいぶ上の少し出っ張った岩に登って姿の見えなくなったヴィルさんが、ひょいと顔を出した。う、ヴィルさんが小さい。
「さっき健吾が魔法陣に書いていた言語が描かれてた。残念ながら俺にはなんて書いてあるのか読めないんだけどな」
「マジですか?!」
まさかの岩の上にギミック発見だった。
この中では俺しか古代魔道語は読めないから、俺が上に行くしかないんだけど。どう考えてもヴィルさんの所まで行ける気がしない。だって多分ビルで言うと3~4階くらいの高さはあるから。それを命綱なしで登れってどんな鬼仕様。雄太の持ってる飛翔の魔法が欲しい。
それでも気になってしまって、俺が岩に足をかけると、ヴィデロさんが俺のすぐ下に立った。
弱めの明かりに照らされながら、半分俺に覆いかぶさるようにして横を登るヴィデロさんが、一歩登る度に助言をくれる。
「マック、そこに足をかけて、上の岩を掴め」
「わかった……っ、て、身体が持ち上がら……わ!」
腕をプルプルさせて必死で岩に登ろうとした俺の身体がふわっと宙に浮いたように軽くなる。
ヴィデロさんが、自分の身体を両足と腕一本で支えつつ、もう一本の腕で俺の身体を持ち上げてくれていた。ううう、力強い。カッコいい。好き。
時に落ちそうになる俺を支えてくれたり、なかなか登れない俺を持ち上げてくれたりと、ヴィデロさんの多大な助けを借りて、俺はようやくヴィルさんのいる場所まで辿り着いた。息を切らした俺とは対照的に、二人分の体重を支えたはずのヴィデロさんは全く疲れを見せておらず、涼しい顔で最後まで俺の身体を支えてくれた。好き。
俺たちが降り立った場所は、畳一畳分くらいの広さがある崖の中盤の岩の出っ張りだった。下を見ると、随分と岩を上って来たんだということがわかって、ちょっとだけ足が竦む。これ、落ちたら一発で死に戻る高さだ。
そしてヴィルさんの横に立った俺達三人の目の前の岩肌には、古代魔道語の文字が薄っすらと描かれていた。
『更なる力を求めんとする者 ここに祈りを捧げ 奥の神殿にて力を示せ』
ああ、これ、多分俺たちだけではヤバい洞窟だ。
俺が悟った瞬間、ピコンと音が響いた。
新しいクエストが発生したのは、俺だけじゃなかったらしい。
俺が文字を読んで聞かせた瞬間、ヴィルさんにも俺と同じクエストが発生したらしい。すごく楽しそうな顔になった。
「新しいクエスト……限界突破せよ、って。レベルがようやく二桁になった俺にも発生するものなんだな。でも、これはさすがに俺たちだけじゃ無理だな。日暮を呼ぶか」
「多分、赤片喰さんだけでもダメだと思います。高橋たちを呼んだら行けるかな。それとも、『白金の獅子』か『マッドライド』辺り誘ったらここまで来てくれるかな……。ユキヒラとか」
「健吾はそうそうたるメンバーとフレンドになってるんだな。俺でも知ってる名前ばかりだ。ユキヒラは運営とは関係はないけれど母にこき使われてるから多少は知らない間柄じゃないが」
俺とヴィルさんでその新しいクエストのためのメンバーを話し合っていると、少しだけ険しい顔をしたヴィデロさんが口を挟んだ。
「マック、一体ここはなんなんだ?」
「ええと、さらに強くなるための試練の洞窟みたいなもの、だと思う。一番奥に凄く強い守護者がいるみたいで、それを倒すと限界を超えた力が手に入るみたい」
クエスト欄を見ながらそう説明すると、ヴィデロさんが眉間の皺を深くして、俺を覗き込んできた。
「ここに入る時は、絶対に俺も行く。連れて行ってくれ」
真剣な眼差しで射抜かれて、俺はその顔に見惚れながら、もちろん、とヴィデロさんと約束した。ただし、ヴィデロさんがヤバそうだったら、ヴィデロさんを抱えて魔法陣で逃げよう、そう心に誓って。
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