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195、突発的デート
しおりを挟むヴィデロさんは起き上がった俺に気付くと、口元を緩めた。
「ヴィデロさん、寝ないの?」
「ああ、そろそろ寝るかな」
俺の問いにヴィデロさんは一度窓の外を見てから立ち上がった。ゆったりした仕草でこっちに歩いてくると、ベッドに座り、俺の顔を手のひらで撫でた。
ちゅ、と軽いキスをして、ベッドに横になる。そして座ったままだった俺の手を引いた。
すっぽりとヴィデロさんの胸に収まると、ヴィデロさんが満足そうに息を吐く。
「何か、あった?」
どうしてもさっきの様子が気になって、小さくそう訊くと、ヴィデロさんは俺の髪を抱き込むようにして撫でた。
「マックが獅子の像をもとの姿に戻そうとして必死なときに不謹慎なのはわかってるんだけどな」
きゅっと腕に力が込められて、さらに密着する。シャツ越しのヴィデロさんの身体が心地いい。俺の場所だってついつい思っちゃうくらいに。
「楽しくてな」
「楽しい?」
「ああ、楽しくて。ずっとマックと一緒に行動して、すぐ横でマックを助けることが出来る位置にいて、横を向けばそこにマックがいるこの旅が、今まで感じたことがないくらい、楽しくて」
腕の中からもそもそとヴィデロさんを見上げると、ヴィデロさんは少しだけ寂しそうに笑っていた。
「起きれば横にマックがいて、寝る時は腕の中にマックがいるこの状態が終わりある物だと思うと、寝るのがちょっとだけ惜しくてな」
「ヴィデロさん……」
声の響きも心なしか寂しそうで、俺はヴィデロさんの背中に腕を回してギュッと力を込めた。
「きっと、絶対そのうち、当たり前に同じ家に帰ってきて、一緒のベッドに寝て、そしていつも一緒にご飯を食べる生活が出来るようになるから」
そこはヴィルさんに頑張ってもらうしかないんだけど。でも物質転移とか成功したら、きっと俺は。
今度こそ横で目を瞑ったヴィデロさんの腕の中を堪能しながら、しばらくの間俺はヴィデロさんの寝顔を見つめていた。
セィから街道をひたすら進み、オットに向かう丁度中間地点付近で、南に逸れる。
馬でしばらく進むと、ちょっとした岩棚があり、木々に遮られるようにして、洞窟の入り口があった。
洞窟の周りはちょっとした森の様になっていたけれど、そこに生えた木にはたまに何かの爪痕や焦げ跡があった。きっと魔物が強いから道を逸れてレベル上げとかする人がいるんだろうな。
「また強いのがいたりしてね」
「そうでないことを祈ろう」
「うん」
ここら辺は俺、まだ進んだことないから。一人では倒せない魔物だらけなんだよな。ヴィデロさんだったら倒せるんだろうけど。
洞窟内を進み、たまに出てくる魔物をヴィデロさんが倒し、時折ある採取ポイントでちょっとだけ採取する。
一度俺一人で魔物と戦わせてもらったんだけど、なかなか致命傷にならなくて最後に諦めてヴィデロさんに止めを刺してもらった。やっぱり火力をつけよう。そうじゃないとここから先には進めない。パーソナルレベルは順調に上がってるんだよ。きっとヴィデロさんに経験値とレベルが見えるんだったら、ヴィデロさんもレベルが上がってると思う。前よりさらに強くなってるように見えるから。
最終的に次々出てくる魔物は俺が弱らせてヴィデロさんが止めを刺すことでスムーズに洞窟を進むことが出来た。
奥に行くと、明らかに人の手が加わったと思われる祭壇のようなものがあり、そこに、石が置いてあった。
鑑定するまでもない、石像の一部だった。
「あった……でも、どう考えても誰かがここに持ってきて設置したとしか思えないよな……」
もしかして教皇は、こうやって呪いを分散することで世界各地で呪いを蔓延させようとした、とか。そうすれば各地で教会にお金を落とす人が増えるだろうし。
それの犠牲になったのが、ライオンの石像だったの、かな。
太ももの毛並みのある所にそっと少しだけ酒を掛けて、そこに触れる。そしてインベントリに移動させると、インベントリには『壊れた石像の一部』が収まった。
これで、全部かな。そろったのかな。
「ヴィデロさん……ジャル・ガーさんの所に行こう」
後ろに立っていたヴィデロさんに声を掛けると、ヴィデロさんは苦笑して、「そうだな」と答えた。
帰りも行きと同じように二人で魔物を倒して外に出る。馬笛で馬を呼ぶと、少ししてから馬が顔を出した。
顔を撫でてから背中に乗る。この子にもずっとお世話になったなあ。ずっと一緒に旅をしてきたし。でも、もう少しだけ付き合ってね。
「セィじゃなくて、オット経由でセッテの街を通って帰ろう。果物買って行きたいし、探してた身体も無事見付かったからあんまりライオンさんをセィの街に近付けたくないし」
振り返ってそう提案すると、ヴィデロさんが俺の頭をくしゃっと撫でた。
オットの街はなかなかに賑わっていた。
初めての街ってちょっと興奮する。
門の所で馬を降りると、門番さんが手を上げて声を掛けて来た。
「オットの街へようこそ。兄さん初めてか?」
「はい。なかなか俺一人じゃ来れなくて」
「お、じゃあ強くなったってことだな。おめでとう。そして頑張れよ。そっちの兄さんは」
「同業者だ」
「そっか。まあオットの街を楽しんでくれ」
明るい門番さんに手を振って門を潜ると、見慣れない街並みが目に入った。
「ヴィデロさんはここに来たことがある?」
「何度か来たことはあるが、自由に街を歩いたことはないな」
「そっか。じゃあ、少し見て回ろうよ。あと、農園には挨拶に行きたいな。ちょっとした素材を手に入れたいし、この街の特産物もあるかもしれない」
「ああ、そうだな」
今日の残り時間はオットの街を楽しんで、明日出発することにして、俺とヴィデロさんは宿屋の厩舎に馬を預けると街に繰り出した。
セィとセッテの両方からの合流地点のここは、かなりにぎわっていて、ちょっとした露店なども道に連なっていた。すごい。
中にはプレイヤーが自作の色んなものを露店販売していたりもしている。
「ヴィデロさん用の白い鎧、どこかにないかなあ」
近衛騎士の鎧を思い出して思わず露店を探すと、ヴィデロさんは「それよりもマック用のローブはないかな」と俺用の装備を探し始めた。ちゃんと予備もあるよ。って言っても初期のころに買ったものだからあんまり防御力は高くないけど。
「ヴィデロさん! この籠手、水系防御力が高いって。あ、こっちの鎧、軽くて硬いって! 青くてかっこいいよ!」
さすがにここら辺の街の装備ランクは凄くて、色々目移りする。
胸当てを手に取ったところで、ヴィデロさんがくすくす笑ってるのに気が付いた。
「ヴィデロさん?」
「マック、俺の装備じゃなくて自分の装備を探さないのか。自分用のやつ、全く見てないぞ」
「忘れてた……」
だって鎧が目移りして。ヴィデロさんにどれも似合いそうで。自分の装備を探すのなんかよりよっぽど楽しいんだもん!
俺が主張を目で訴えていると、ヴィデロさんが露店のど真ん中で羽根のアミュレットを外した。そして、俺のすす汚れたローブを剥ぎ取ってしまう。
何事!? と驚いていると、バサッと何かが肩に掛けられて、留め具を止められた。
濃い目のクリーム色をしたローブを、ヴィデロさんが俺に羽織らせてくれていた。
カチっと音を立てて、羽根のアミュレットがそのローブにぶら下げられる。
「ヴィデロさん?」
「俺からの、プレゼント。魔法系に強い糸で編んでるそうだ。それに、この色はマックに似合うと思う。マックが鎧に夢中だったからその間に買ってたんだ」
思わず目を見開いて、自分の姿を見下ろす。
今まで暗い系の色のローブしか使ってなかったけど、このローブは裾にちょっとした刺繍が緑色で入っており、重し代わりの装飾がとても精巧で綺麗だった。
俺にこんなに立派なローブが似合うのかな。
その顔のままヴィデロさんを見上げると、ヴィデロさんは優しい顔つきをして「凄く似合う」と満足そうに頷いた。
「ありがとうヴィデロさん……。めちゃくちゃ大事にする」
「いや、バンバン使ってなんぼなんだろ。使ってくれた方が俺も嬉しい。ボロボロになったらまたプレゼントさせてくれよ」
そう言ってウインクするヴィデロさんの攻撃に打ち抜かれた俺は、少しの間固まって動けなかった。何なのこの人! やることがスマートすぎて心臓が苦しい! 好き!
真新しいローブを羽織ったまま、俺達は買い物を再開した。俺も、とヴィデロさんに鎧を買おうとしたら、「俺にはちゃんと鎧あるから」とやんわりと止められてしまった。全然スマートにできない自分が不甲斐ない……。
そしてちらりと見たローブの性能は、今まで見てきた中では断トツの魔法防御力だった。っていうか俺がいつも見てるのはトレだから比べちゃダメなんだろうなあ。
露店で見たことない素材とかも買って、その足で農園に向かう。
農園主さんはとても穏やかそうな夫婦だった。
「あなたが噂のマック君ね。よろしくね」
「何か、買っていくかい? うちの特産品はね、魔物避けの植物だよ。葉をね、ちょっと工夫するだけで、魔物が嫌がる匂いを出す芳香剤を作れるんだよ。ここから先は余計な戦闘は身を亡ぼすから、重宝するよ」
なんとここでは『破香の木』が特産品だったらしい。主に葉を取引しているようで、苗木で一本貰えないか聞いてみたら、それは個人取引してないんだそうだ。必要なところにだけ苗木を移植するらしい。ちょっと残念。
早速葉を買って、破魔香水の作り方を習ってから、農園を後にした。
宿までの帰り道もなかなかに賑やかで、途中とてもいい匂いのした店に引き寄せられるように入って夜ご飯を食べて、宿屋に帰り着いた。
真新しいローブが皺にならないように、そっとインベントリにしまう。
俺を見ていたヴィデロさんが、肩を震わせて笑っていた。
「ほんとマックって……」
単純とか言いたいんでしょ。わかってるよ。でもさ、ヴィデロさんが俺のためだけに選んでくれたものが増えていくのってすごく嬉しいんだよ。それを身に着けられるのが、すごく。
「大事にするから」
「装備品は消耗品だからな」
俺がしまい込んで大事にするとでも思ったのか、またも注意をされてしまった。しまい込んで大事にするのもすごく捨てがたいけど。
「ちゃんと身に着けるよ。そしてクラッシュに自慢するんだ。いいだろって」
「逆に揶揄われて終わりそうだけどな」
否定できない、と口を尖らすと、すかさずそこにチュッとキスをされた。
ヴィデロさんの腕にもぐりこみながら、俺は幸せってこういう気持ちを言うんだな、なんて改めて実感していた。
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