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第三章 偽装婚約?
幕間① 一度目の出会い side ルイナルド
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私が初めてリリアーヌと出会ったのは王宮の図書館だった。そう、これは時を遡る前の話。
その頃の私は少し傲慢なところもあり、勉学にあまり熱心ではなかった。なぜなら、私は国王の一人息子という立場で、周囲にとてもちやほやされていたから。その分、両親からは厳しく叱責されることが多かったが、それでも王家に直系の後継は自分一人ということもあり、非常に大事にされていることは肌で感じていた。
元々両親のおかげで頭のできも良かったようで、習ったことはすぐに吸収して身につけることができた。
私の人生は何もかもが順風満帆だったが、王座に縛りつけられる未来が確定していることが不満だった。それに、周囲は「ルイナルド」という私個人ではなく、「国王の一人息子」もしくは「未来の国王」としてしか見てくれていないことに鬱屈した思いを抱えていた。
そんなふうに、自分の置かれている環境に対して反抗心を抱いていた私は、その発露として授業を度々放棄して好き勝手に行動することをやめられなかった。
その日は、理由は覚えていないが調べたいことでもあったのだろう。いつものように予定されていた授業を放棄して、滅多に訪れることのない王宮の図書館にいた。
そして、私の運命に出会ったのだ。
図書館に入り、ふと視線を向けた一角、そこに静かに佇んで本を読んでいる女の子がいた。
私以外でそこに出入りできる人間は限られていたし、その上自分と同じくらいの年齢の子どもだったので純粋に興味を惹かれた。――というのは建前で。同じ年頃だと思ったその女の子は座った姿が凛としてとても美しく、私は一瞬で心を奪われ見惚れたのだ。
茶色のくるりと巻かれたくせ毛が洗練された雰囲気を少し和らげていてかわいらしく、真剣に本へと視線を落とす表情はあどけなさも相まってとても可憐だった。
私はどうしても彼女の視界に入りたくて、そう思ったときには既に声をかけたあとだった。
「きみ、初めてみるね」
「? あら、こんなところでどうしたの? 迷子になったの?」
本に独占されていた視線を奪えて満足はしたが、私は当時まだ背が低かったから、年下と間違えられたらしかった。その事実にムッとしながらも、私は普段の傲慢さを隠し、答えた。
彼女の前では少しでも「大人」に見られたかったのかもしれない。
「私はルイ。迷子ではないよ。きみは?」
「あら、そうだったの。ごめんなさい。私はリリアーヌよ。リリアーヌ・ジェセニアっていうの」
――ジェセニア伯爵家なら名門だ。
そこでどうして胸を撫で下ろしたのか自覚もないまま、私は彼女との会話に夢中になっていった。
「そう。何の本を読んでいたの?」
「これは、今勉強している外国語の資料よ」
「ふーん……」
彼女が開いているページを覗き込んでみると、私には全然理解できなくて。彼女が勉強している内容が自分の勉強している範囲より遥かに上だと判断して、悔しくて問いかけた。
「どうして女の子なのに勉強しているの?」
「女の子が勉強してはだめ?」
政治は男性がするもので、女性は家政を取り仕切るもの。当時の私はそう習ってはいたが、確かに王妃である母も政治に関わるため勉強をしているのを知っていた。
「いや、だめではないけど。貴族令嬢のきみには必要ないんじゃないかと思って……」
「……うん。そうね。私には必要ないかもしれない。でも、私の婚約者には必要なの」
そう言って照れたように笑う彼女が本当にかわいくて。でも、「私の婚約者」という言葉に私は多大なるショックを受けていて――。
「え? だったらきみの婚約者が勉強すればいいじゃないか。それともそんなに出来が悪い人なの?」
嫉妬という感情すら知らなかった私は、悔し紛れにそんな言葉をぶつけていた。
「いいえ。私の婚約者はとても優秀なの。だからね、私も彼を理解して支えるために勉強しているの」
「……。それって必要?」
婚約者は優秀な男。でも、彼女はそんな彼を理解し、支えるために勉強するのだと――。
自分で噛み砕いてみたが、なぜだかわからない大きな衝撃が襲ってくるので、私は細かく考えないことにした。
彼女に必要ないかもしれない苦労を強いているなんて、その婚約者とやらは悪い男なのではないかと思った。彼女を助けなければと考えたのだ。
複雑な気持ちを抱えたままなおも食い下がる私に、リリアーヌは困ったように笑って言った。
「そうよね。彼には私の助けなんて必要ないかもしれない。それでも、彼のためになることだったら、何もしないでいられないのよ」
そう言われてしまったらもう、それ以上は何も言えなかった。
彼女は婚約者のことを心から大切に想っていて、何もせずにはいられないほどもどかしい気持ちを抱えているのだとよく理解できたから。
「ふーん。きみの婚約者は幸せものだね」
そう投げやりに言った瞬間、彼女はぱあっと瞳を輝かせ、満面の笑みを浮かべて答えた。
「そう? そう思う? 私、彼を幸せにするためにこれからも頑張るわ」
これが私の初恋が砕け散った瞬間。私の初恋は始まったことにも気づかないうちに終わってしまったわけだ。
だが、それからもリリアーヌの笑顔はいつまでも私の頭から離れてくれなくて。
彼女の父親が王宮に訪れるとき、彼女も一緒にやってきて、父親を待つ間一人で図書館に来るのだと知り、できる限り時間を合わせて会いに行った。
別の男に恋する彼女のことを誰よりも好きになってしまったのだと気づいたのは、彼女がぱたりと王宮を訪れなくなってからのことだった。
その頃の私は少し傲慢なところもあり、勉学にあまり熱心ではなかった。なぜなら、私は国王の一人息子という立場で、周囲にとてもちやほやされていたから。その分、両親からは厳しく叱責されることが多かったが、それでも王家に直系の後継は自分一人ということもあり、非常に大事にされていることは肌で感じていた。
元々両親のおかげで頭のできも良かったようで、習ったことはすぐに吸収して身につけることができた。
私の人生は何もかもが順風満帆だったが、王座に縛りつけられる未来が確定していることが不満だった。それに、周囲は「ルイナルド」という私個人ではなく、「国王の一人息子」もしくは「未来の国王」としてしか見てくれていないことに鬱屈した思いを抱えていた。
そんなふうに、自分の置かれている環境に対して反抗心を抱いていた私は、その発露として授業を度々放棄して好き勝手に行動することをやめられなかった。
その日は、理由は覚えていないが調べたいことでもあったのだろう。いつものように予定されていた授業を放棄して、滅多に訪れることのない王宮の図書館にいた。
そして、私の運命に出会ったのだ。
図書館に入り、ふと視線を向けた一角、そこに静かに佇んで本を読んでいる女の子がいた。
私以外でそこに出入りできる人間は限られていたし、その上自分と同じくらいの年齢の子どもだったので純粋に興味を惹かれた。――というのは建前で。同じ年頃だと思ったその女の子は座った姿が凛としてとても美しく、私は一瞬で心を奪われ見惚れたのだ。
茶色のくるりと巻かれたくせ毛が洗練された雰囲気を少し和らげていてかわいらしく、真剣に本へと視線を落とす表情はあどけなさも相まってとても可憐だった。
私はどうしても彼女の視界に入りたくて、そう思ったときには既に声をかけたあとだった。
「きみ、初めてみるね」
「? あら、こんなところでどうしたの? 迷子になったの?」
本に独占されていた視線を奪えて満足はしたが、私は当時まだ背が低かったから、年下と間違えられたらしかった。その事実にムッとしながらも、私は普段の傲慢さを隠し、答えた。
彼女の前では少しでも「大人」に見られたかったのかもしれない。
「私はルイ。迷子ではないよ。きみは?」
「あら、そうだったの。ごめんなさい。私はリリアーヌよ。リリアーヌ・ジェセニアっていうの」
――ジェセニア伯爵家なら名門だ。
そこでどうして胸を撫で下ろしたのか自覚もないまま、私は彼女との会話に夢中になっていった。
「そう。何の本を読んでいたの?」
「これは、今勉強している外国語の資料よ」
「ふーん……」
彼女が開いているページを覗き込んでみると、私には全然理解できなくて。彼女が勉強している内容が自分の勉強している範囲より遥かに上だと判断して、悔しくて問いかけた。
「どうして女の子なのに勉強しているの?」
「女の子が勉強してはだめ?」
政治は男性がするもので、女性は家政を取り仕切るもの。当時の私はそう習ってはいたが、確かに王妃である母も政治に関わるため勉強をしているのを知っていた。
「いや、だめではないけど。貴族令嬢のきみには必要ないんじゃないかと思って……」
「……うん。そうね。私には必要ないかもしれない。でも、私の婚約者には必要なの」
そう言って照れたように笑う彼女が本当にかわいくて。でも、「私の婚約者」という言葉に私は多大なるショックを受けていて――。
「え? だったらきみの婚約者が勉強すればいいじゃないか。それともそんなに出来が悪い人なの?」
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「……。それって必要?」
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「そうよね。彼には私の助けなんて必要ないかもしれない。それでも、彼のためになることだったら、何もしないでいられないのよ」
そう言われてしまったらもう、それ以上は何も言えなかった。
彼女は婚約者のことを心から大切に想っていて、何もせずにはいられないほどもどかしい気持ちを抱えているのだとよく理解できたから。
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そう投げやりに言った瞬間、彼女はぱあっと瞳を輝かせ、満面の笑みを浮かべて答えた。
「そう? そう思う? 私、彼を幸せにするためにこれからも頑張るわ」
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だが、それからもリリアーヌの笑顔はいつまでも私の頭から離れてくれなくて。
彼女の父親が王宮に訪れるとき、彼女も一緒にやってきて、父親を待つ間一人で図書館に来るのだと知り、できる限り時間を合わせて会いに行った。
別の男に恋する彼女のことを誰よりも好きになってしまったのだと気づいたのは、彼女がぱたりと王宮を訪れなくなってからのことだった。
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