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幼少期の推し編
お城のパーティに行く妖精
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建国記念日の最終日。首都にある城では多くの貴族が招かれたパーティが開かれ、水の国では1年で最も盛大なパーティとなる。
5日ほどかけてゆっくりと侯爵家の人と共に首都に向かった私は、大急ぎでベルるんと共に首都の仕立て屋で服を作ってもらった。時間がなかったため、ベルるんは既存の服を購入することになったが、私サイズの服はなかったため仕立て屋さんが寝ずに作ってくれたらしい。
「本当にアリサ似合ってるよー」
「ええ。アリサ様にぴったりですね」
首都にある屋敷からお城へ向かう馬車の中。にこにこと隣に座るベルるんと向かいに座る侯爵夫人が、お揃いの銀色の瞳で嬉しそうにこちらを見ている。
昨日侯爵と二人で大司祭に会いに行ったベルるんは、夕方頃に銀色の瞳になって帰ってきた。大司祭には私の話をしたらしく、後日時間を取ってもらったので会いに教会に行く予定だ。その時に、女神に会って詳しく話を聞くつもりでもある。
「ありがとうございます」
真っ白のワンピースだけれど、細部までこだわりの細やかなレースが美しい。裾の部分はふんわりとしており、くるっと回ると美しく揺れる。また、背中も羽が出るようなデザインにしてくれた。
「私目立ちますよね」
ふう、とため息をついて言うと、推しが嬉しそうにドンっと胸を叩いた。
「僕に任せて!守ってあげるから!」
侯爵夫人はベルるんの男らしい台詞に「まぁ」と言って感動している。侯爵夫人の隣に座る侯爵も、うんうんと頷いている。
「アリサ殿に直接話しかけてくるような、無礼な者はおそらくいないだろう。美味しい料理やお酒を楽しんでくれれば幸いだ」
「美味しいご飯一緒に食べようね!」
「うん。それじゃあパーティー中はベルるんのそばにずっといるね」
城へと続く一本道は貴族たちが乗る馬車で溢れかえっており、ここからさらに1時間ほどがかかった。
「オーガスト侯爵、侯爵夫人と御子息ベルンハルト様。め、女神様の使徒であられる妖精様の入場です」
「わあ!」
入場の際に名前を呼んでくれる中年の男性が動揺しているのを横目で見ながら、中に入るとあまりの煌びやかさに感嘆の声が出た。
「キラキラしてるね」
ベルるんにそう言って笑いかけると、ベルるんも少し興奮しているようだ。ぶんぶんと首を縦振っている。可愛い。
侯爵が進む方向へベルるんと一緒に向かう。その際、ヒソヒソと扇で口を隠した貴族の女性や、驚いたような表情で周りと話す貴族の男性の声が耳に入る。
「まさか、本当に妖精様が?」
「ベルンハルト卿の目の色が本当に銀色になっているぞ」
話題の中心にいるベルるんは、周りの様子を気にすることはない。
「アリサ!これ美味しそう!」
スモークされたお魚の上に、茶色のジュレがかかっている前菜を取り私にくれる。テーブルの上には色々な料理が置いてあり、全種類制覇するのは難しそうなほどに種類が多い。
「最高級のホテルビュッフェよりすごい!」
日本で行った有名なホテルのビュッフェ。結構な値段がしたけれど、その時よりもこちらの方が豪勢だ。
「びゅっふぇ?」
「あ、なんでもないよ!それよりも食べよ!」
ビュンっと飛ぶと、わあっと歓声が上がる。どうやらずっとベルるんの肩に乗って移動をしていたから、ただ飛んだだけなのに歓声が湧いたようだ。
「やりずらいなあ。まあ、いいや。ベルるん!あそこのお肉食べよ!」
「ベルンハルト様!」
ベルるんの腕を掴んで移動しようとすると、背後から鋭い声が聞こえた。そちらを見ると、赤い髪の毛をまとめ上げた女の子が立っている。髪の色と合わせたのか、ドレスも赤色だ。顔つきは可愛らしいが、ギッと恐ろしい顔でベルるんと私を睨んでいる。
「ヘレナ。何の用?」
「あ。あの子がヘレナなんだ」
ベルるんは元婚約者のヘレナを冷たい目線で見て、一言だけ返す。私への対応とすごい差があるが、話を聞く限りはヘレナという子の身から出た錆だろう。
「パーティに参加するなら、なぜ婚約者の私を連れて行ってくださらないの!」
「へ、ヘレナ。落ち着きなさい」
後ろから少し髪の毛の薄くなった中年男性が現れる。彼はヘレナの肩にそっと手を置いてたしなめているが、ヘレナに振り払われていた。
「お父様は黙っていてください!」
「侯爵さん、あの人は?」
「ハリス子爵だね。ヘレナ嬢の父親でもある」
私に説明をしてくれると、ずいっと侯爵が一歩前に出た。
「お久しぶりだね。ハリス子爵とヘレナ嬢」
「侯爵様。お久しぶりでございます。ベルンハルト様の婚約者のヘレナですわ」
婚約者、という言葉を強調するヘレナに、ヒクッと私の頬がひきつる。
気持ち悪い、とか悪口言っておいて、よくもそんな堂々と婚約者って言えるな。と私がイライラした様子で見ていると、表情に出ていたのか周りの人がざわめき出した。
「妖精様を怒らせるのでは?」
「避難をした方がいいのかもしれない」
散々な言われようだ。
「アリサ、落ち着いて」
ちょいちょい、とベルるんに撫でられて、思わず表情が緩む。その反応に周りが「おお!」と声を漏らして喜んでいるのが腹立たしい。でも、妖精を手懐けているという評価がベルるんのためになるなら、まあいいかとも思う。
「そのことで話がある。二人とも少し時間はいいかな?」
「私もお伝えしたいことがありますので、着いていきますね」
侯爵の発言の後に、スッと侯爵に寄り添って侯爵夫人がそう言う。笑顔でいるが怒っている雰囲気が伝わってくる。おそらく、ベルるんにしたことを聞き出して怒るつもりなんだろう。
「ベルンハルト、少し行ってくるからゆっくり過ごすように」
「アリサ様。ベルンハルトをお願いしますね」
そう言って二人はハリス子爵とヘレナを連れて、パーティー会場から消えていった。
「それじゃあ僕たちは美味しいもの食べよっか」
「そうだね!」
気を取り直して美味しいものを食べることにする。
しばらくベルるんと美味しいものを堪能していると、入口の辺りがざわめいている。
「ふぁんかあったのはな?(何かあったのかな?)」
「アリサ、口についてるよ」
もがもがとお肉を頬張ったまま話すと、唇の端を推しが拭いてくれた。ベルるんは私の顔を拭った後で、入口の方をチラリと見る。
「多分、第一王子が来たんじゃないかな?」
「ローレン王子?」
パッと入り口を見ると、ベルるんと同い年くらいの少年がいる。金髪と緑の色の瞳、と魔法をかけられていたベルるんと同じ配色だけれど、不思議とローレンの方が男らしさを感じる。
「水の国の攻略対象者だー!」
ふわっと飛んでローレンの方へ近づく。
四つ龍の世界ではそれぞれの国に攻略対象者が一人いる。火や風の国などは龍を宿りし者が攻略対象なのだが、なぜか水の国は龍を宿すベルるんではなく、ローレンが攻略対象になるのだ。
「妖精様?」
し、しまった!思わず透明化も忘れて、ローレンに近寄っちゃった!これが攻略対象者の魅力か!
先ほどまでローレンに群がっていた人たちは、綺麗に二つに割れて私が通る道を作ってくれていた。私の顔を見たローレンはキョトンとした表情をしている。
「あ、初めまして」
挨拶をしようとすると、後ろからバタバタと音がする。慌ててベルるんが追いかけてきてくれたようだ。
「水の国の希望の星であられる第一王子に会えて光栄です。私はオーガスト侯爵の息子、ベルンハルトと申します」
「ん。ああ。会うのは初めてだな。同年代だからずっと会いたいと思っていたんだ」
ベルるんの挨拶に爽やかな笑顔で答えるローレン。
「そちらの妖精様は?」
「アリサ、といいます」
「初めまして。侯爵家にお世話になっている妖精です?」
我ながらなんて名乗っていいかわからず、とりあえず侯爵家に世話になっていることだけを伝える。ローレンは私に手を差し出してくれたので、とりあえず人差し指を握らせてもらう。
「妖精様と知り合えたとは、今夜はとてもいい日だ。また、侯爵家に遊びに行かせてもらいたい」
「はい。ぜひ」
はい!ここスチル(乙女ゲームに出てくる1枚絵)にしてください!
今の場所にゲームに登場するキャラはローレンとベルるんだけで、さすがにその二人が揃うと美しすぎて目が危ない。現に、周りの貴族の子女たちはうっとりとした表情で二人を見ている。
「アリサ、行こうか」
いつの間にか会話が終わったようで、ベルるんが私の手を引いてその場から去ろうとする。私はローレンの方を見て、ペコリとお辞儀をしてからベルるんの後をついていった。
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「うん。それじゃあパーティー中はベルるんのそばにずっといるね」
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「わあ!」
入場の際に名前を呼んでくれる中年の男性が動揺しているのを横目で見ながら、中に入るとあまりの煌びやかさに感嘆の声が出た。
「キラキラしてるね」
ベルるんにそう言って笑いかけると、ベルるんも少し興奮しているようだ。ぶんぶんと首を縦振っている。可愛い。
侯爵が進む方向へベルるんと一緒に向かう。その際、ヒソヒソと扇で口を隠した貴族の女性や、驚いたような表情で周りと話す貴族の男性の声が耳に入る。
「まさか、本当に妖精様が?」
「ベルンハルト卿の目の色が本当に銀色になっているぞ」
話題の中心にいるベルるんは、周りの様子を気にすることはない。
「アリサ!これ美味しそう!」
スモークされたお魚の上に、茶色のジュレがかかっている前菜を取り私にくれる。テーブルの上には色々な料理が置いてあり、全種類制覇するのは難しそうなほどに種類が多い。
「最高級のホテルビュッフェよりすごい!」
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「びゅっふぇ?」
「あ、なんでもないよ!それよりも食べよ!」
ビュンっと飛ぶと、わあっと歓声が上がる。どうやらずっとベルるんの肩に乗って移動をしていたから、ただ飛んだだけなのに歓声が湧いたようだ。
「やりずらいなあ。まあ、いいや。ベルるん!あそこのお肉食べよ!」
「ベルンハルト様!」
ベルるんの腕を掴んで移動しようとすると、背後から鋭い声が聞こえた。そちらを見ると、赤い髪の毛をまとめ上げた女の子が立っている。髪の色と合わせたのか、ドレスも赤色だ。顔つきは可愛らしいが、ギッと恐ろしい顔でベルるんと私を睨んでいる。
「ヘレナ。何の用?」
「あ。あの子がヘレナなんだ」
ベルるんは元婚約者のヘレナを冷たい目線で見て、一言だけ返す。私への対応とすごい差があるが、話を聞く限りはヘレナという子の身から出た錆だろう。
「パーティに参加するなら、なぜ婚約者の私を連れて行ってくださらないの!」
「へ、ヘレナ。落ち着きなさい」
後ろから少し髪の毛の薄くなった中年男性が現れる。彼はヘレナの肩にそっと手を置いてたしなめているが、ヘレナに振り払われていた。
「お父様は黙っていてください!」
「侯爵さん、あの人は?」
「ハリス子爵だね。ヘレナ嬢の父親でもある」
私に説明をしてくれると、ずいっと侯爵が一歩前に出た。
「お久しぶりだね。ハリス子爵とヘレナ嬢」
「侯爵様。お久しぶりでございます。ベルンハルト様の婚約者のヘレナですわ」
婚約者、という言葉を強調するヘレナに、ヒクッと私の頬がひきつる。
気持ち悪い、とか悪口言っておいて、よくもそんな堂々と婚約者って言えるな。と私がイライラした様子で見ていると、表情に出ていたのか周りの人がざわめき出した。
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「避難をした方がいいのかもしれない」
散々な言われようだ。
「アリサ、落ち着いて」
ちょいちょい、とベルるんに撫でられて、思わず表情が緩む。その反応に周りが「おお!」と声を漏らして喜んでいるのが腹立たしい。でも、妖精を手懐けているという評価がベルるんのためになるなら、まあいいかとも思う。
「そのことで話がある。二人とも少し時間はいいかな?」
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侯爵の発言の後に、スッと侯爵に寄り添って侯爵夫人がそう言う。笑顔でいるが怒っている雰囲気が伝わってくる。おそらく、ベルるんにしたことを聞き出して怒るつもりなんだろう。
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