1,112 / 1,121
後日談
新たな事業 1
しおりを挟む
諸々の手配と処理を終えて戻ったのは半月後。
そしてまた忙しく冬を過ごし、春を迎える頃合いとなりました。
「では行ってくるから、サヤは無理をしないようにな」
「かんにん、ほんまは一緒に行くはずやったのに……」
陛下らご一家が王都へと旅立つと同時に、サヤ様は床に襖されました。
この越冬中はと引き締めていた気持ちが、責任を果たし緩んだのでしょう。ナジェスタ女師の診断により、妊娠中ということもございますから、社交界を含む春の長旅は控えることとなり、本日はその社交界への出発予定日。
「忙しなるこんな時に……」
「サヤ様。それはレイシール様の自業自得ですから、貴女が自らをお責めになる必要はございません」
ザクリと釘を刺すと、レイシール様は「いやその通りだけどさ……」と、苦笑。
足の傷はとっくに癒え、また身体に一つ傷痕を増やしましたが、元気なものです。
そしてその怪我の原因であった、オースト流民らの今後に手を打つため、アギーの社交界は前哨戦となる予定でした。
「サヤが留守番なのは寂しいけどね……、でも身体のことを思えばホッとしていたりもするんだ。
初めての出産になるのだし、長旅はやっぱり心配だ。
春の終わりまでには帰る。その間、セイバーンと腹の子を頼むな」
「はい……」
そう言ったレイシール様は、うわ掛けの上からサヤ様の腹を愛おしそうに撫でてから、サヤ様に口づけを。
離れがたく思っているのでしょうが、そろそろお時間ですと私が告げると、渋々立ち上がり。
「ではハイン……」
「サヤ様はお守り致しますから早く出発してください」
「もうちょっとくらい……」
「駄目です」
まったく、諦めが悪いですね。
ブーブー文句を言う主を馬車に押し込み、出発する一団を見送ってから、今一度サヤ様の寝室に戻りますと、我が妻と女近衛の一同が旅装で訪れておりました。
本日は彼女らも、王都へと帰還するため旅立ちます。数日遅れての出発ですが、馬車行列の陛下らより、馬を走らせる彼女たちの方が早く王都に辿り着くことでしょう。
「サヤはとにかく、身体を慈しんで」
「領主様がお帰りになる頃には、きっとお腹もしっかり大きくなってる」
「大変世話になった。次は元気なお子を見せてもらえるのを、楽しみにしておく」
明るい面々の言葉に、微笑んでこくりと頷くサヤ様。
「それじゃ、出産の知らせ待ってる」
「その時は祝いの品を贈るでござる!」
「あ、ロレンはちゃんと旦那さんとお別れしてから来てよ。馬の準備して外門で待ってるからね!」
職務中に私情は持ち込まないと、あれほど申しておりますのに……。
私の言い分など完全に無視した皆様と、気遣いの人であるサヤ様に、応接室を勧められてしまいまして断るに断れず……。
結局私は妻と職務中に、最後の別れを惜しむこととなってしまいました。
「朝、家で別れは済ませたというのに……」
そう言い表情を歪める私に、妻は申し訳なさそうな、なんとも言えぬ面持ち……。
一冬共に過ごしましたから、その表情がどういったものかはもうしっかりと理解いたしました。
ですから引き締められた唇を解くために、妻の頬に左手を添えて「違いますよ」と、言葉にします。
「少しでも、貴女との時間を得られたことは、ちゃんと嬉しいです。
しかし別れの後にまた別れをするなど、胸が痛むではありませんか……」
そう告げますと、一瞬だけホッとした表情になった妻は、くすぐったそうに笑い。
「ボクは、ほんの少しでも別れが遠退いたと考える」
真逆の捉え方だなと言った妻を、腕に抱き寄せました。
「……すまない。また長く離れる」
「構いません。職務ですから当然と理解しております」
「…………あまり得意じゃないけど、もっと手紙を書く……」
「そういった無理はしなくて結構です。
そのかわり……また冬を勝ち取ってください」
そう言いますと、妻が驚いたように瞳を丸くするものですから、少し居心地悪くなってしまいました。
ええ、私らしくないことを言っているのは承知しておりますとも。
しかしそれはそうでしょう……冬の間中、貴女の存在が身近にあり、手を伸ばせば温もりがあるのを当然としてしまったのですから、身体も頭もそれを日常と覚えてしまったのです。
ルオード様のお話では、王子らの獣人理解を深めるため、越冬は毎年アヴァロンで過ごすとされる心算であるよう。
それならば、この地に家庭を持ち、獣人の夫を持つ身は有利にも働くことでしょう。
どうかそれを大いに利用していただきたい。
「越冬の全てに同行してほしいと思っていますよ。できることなら。
職務だというのに、そんなことを考えてしまうくらいには、私は貴女に固執しているのだと、伝えておきます」
言わなければ曲解しますからね、貴女は。
そして、慣れない言葉に戸惑い顔を赤らめる貴女を見るのが、私は楽しい。貴女の中の私の大きさが見えることが、こんなにも心躍ることだとは。
「貴女をまたロアと呼びたい。
ですから次の冬を、心待ちにしておきます」
そう言うと、妻はやはりくすぐったそうに、困ったように、けれど嬉しそうに……こくりと頷きました。
◆
さて。
レイシール様が戻られる春の終わりまでに、我々もしなければならないことが沢山あります。
まずはアヴァロンに住まう石工や大工、土建組合員の代表を呼び集めました。さながら土嚢壁を作った時の様相ですね。
このアヴァロンでの土建組合長はルカです。
貴族に対する礼儀というものをどうにも覚えない彼は、数年前よりこのアヴァロンでの長となりました。ここなら彼も長生きできるでしょうし、これからはこのアヴァロンがセイバーンの中心地となるからです。
石工の代表はシェルト。
大工の代表は比較的若い職人、ルアン。彼は元々、遍歴の職人でございました。
仕事上での付き合いが長い彼らですから、呼び出されたということの意味は理解しているよう。
「んで、今度は何おっ始めようってんだ?」
ルカの発言を否定できないのが甚だ遺憾です。
その言葉に、書類束を脇に寄せたマルが、上の一枚を手に取りました。
マルもこちらのことを調整するため、このアヴァロンに残っておりました。なにせ、彼の頭脳が必要であろう大掛かりな事案なのです。
そのマルが、とてもニコニコとご機嫌なのは、色々な計算をやり尽くした達成感から。この変人は、あらゆる数字を掛け合わせるのが楽しくて仕方がないのです。
そして彼の頭脳は、レイシール様の奇案を可能と判断致しました。
「まあまずはこれを見てください」
持っていた一枚の紙を、ひらひらと弄んでから、座る三人の前に差し出します。
そこには一つの絵が描かれておりました。
サヤ様が、越冬の最中に描いてくださった予想図……。
とはいえ見ただけでは墨で描かれた風景画でしかございません。真っ直ぐ流れる川に、船が行き違うその光景はまだ、この世界に存在しないものです。
その絵が誰の絵かは、三人も理解しておりますから、しげしげと眺めてから……。
「やっぱサヤ坊絵がうめぇな……」
ルカの頭をシェルトが叩きました。
男爵夫人を坊呼ばわりするのはいい加減やめろ。という意味でしょう。
その様子をニコニコと眺めていたマルでしたが、皆の視線がもう一度自分に集まるのを待ってから……。
「その風景画をこの世に再現するために、レイ様はアギーの社交界へと旅立たれました。
そしてそのまま王都に赴き、春の会合に国の新たな新事業として提案する予定です。
主要な交易路はもう整ってきましたし、次がそろそろ必要ですからね」
莫大な資金が動いていた事業は、来年辺りで終了となる予定でございました。
そのため、国の主導する新たな公共事業を提案する……と、いうのが、レイシール様の考えられた、新たな一手。
「次は、川を掘ります」
さも当然と吐かれた言葉に返ったのは、三つ重なった「はぁ⁉︎」という音でした。
そしてまた忙しく冬を過ごし、春を迎える頃合いとなりました。
「では行ってくるから、サヤは無理をしないようにな」
「かんにん、ほんまは一緒に行くはずやったのに……」
陛下らご一家が王都へと旅立つと同時に、サヤ様は床に襖されました。
この越冬中はと引き締めていた気持ちが、責任を果たし緩んだのでしょう。ナジェスタ女師の診断により、妊娠中ということもございますから、社交界を含む春の長旅は控えることとなり、本日はその社交界への出発予定日。
「忙しなるこんな時に……」
「サヤ様。それはレイシール様の自業自得ですから、貴女が自らをお責めになる必要はございません」
ザクリと釘を刺すと、レイシール様は「いやその通りだけどさ……」と、苦笑。
足の傷はとっくに癒え、また身体に一つ傷痕を増やしましたが、元気なものです。
そしてその怪我の原因であった、オースト流民らの今後に手を打つため、アギーの社交界は前哨戦となる予定でした。
「サヤが留守番なのは寂しいけどね……、でも身体のことを思えばホッとしていたりもするんだ。
初めての出産になるのだし、長旅はやっぱり心配だ。
春の終わりまでには帰る。その間、セイバーンと腹の子を頼むな」
「はい……」
そう言ったレイシール様は、うわ掛けの上からサヤ様の腹を愛おしそうに撫でてから、サヤ様に口づけを。
離れがたく思っているのでしょうが、そろそろお時間ですと私が告げると、渋々立ち上がり。
「ではハイン……」
「サヤ様はお守り致しますから早く出発してください」
「もうちょっとくらい……」
「駄目です」
まったく、諦めが悪いですね。
ブーブー文句を言う主を馬車に押し込み、出発する一団を見送ってから、今一度サヤ様の寝室に戻りますと、我が妻と女近衛の一同が旅装で訪れておりました。
本日は彼女らも、王都へと帰還するため旅立ちます。数日遅れての出発ですが、馬車行列の陛下らより、馬を走らせる彼女たちの方が早く王都に辿り着くことでしょう。
「サヤはとにかく、身体を慈しんで」
「領主様がお帰りになる頃には、きっとお腹もしっかり大きくなってる」
「大変世話になった。次は元気なお子を見せてもらえるのを、楽しみにしておく」
明るい面々の言葉に、微笑んでこくりと頷くサヤ様。
「それじゃ、出産の知らせ待ってる」
「その時は祝いの品を贈るでござる!」
「あ、ロレンはちゃんと旦那さんとお別れしてから来てよ。馬の準備して外門で待ってるからね!」
職務中に私情は持ち込まないと、あれほど申しておりますのに……。
私の言い分など完全に無視した皆様と、気遣いの人であるサヤ様に、応接室を勧められてしまいまして断るに断れず……。
結局私は妻と職務中に、最後の別れを惜しむこととなってしまいました。
「朝、家で別れは済ませたというのに……」
そう言い表情を歪める私に、妻は申し訳なさそうな、なんとも言えぬ面持ち……。
一冬共に過ごしましたから、その表情がどういったものかはもうしっかりと理解いたしました。
ですから引き締められた唇を解くために、妻の頬に左手を添えて「違いますよ」と、言葉にします。
「少しでも、貴女との時間を得られたことは、ちゃんと嬉しいです。
しかし別れの後にまた別れをするなど、胸が痛むではありませんか……」
そう告げますと、一瞬だけホッとした表情になった妻は、くすぐったそうに笑い。
「ボクは、ほんの少しでも別れが遠退いたと考える」
真逆の捉え方だなと言った妻を、腕に抱き寄せました。
「……すまない。また長く離れる」
「構いません。職務ですから当然と理解しております」
「…………あまり得意じゃないけど、もっと手紙を書く……」
「そういった無理はしなくて結構です。
そのかわり……また冬を勝ち取ってください」
そう言いますと、妻が驚いたように瞳を丸くするものですから、少し居心地悪くなってしまいました。
ええ、私らしくないことを言っているのは承知しておりますとも。
しかしそれはそうでしょう……冬の間中、貴女の存在が身近にあり、手を伸ばせば温もりがあるのを当然としてしまったのですから、身体も頭もそれを日常と覚えてしまったのです。
ルオード様のお話では、王子らの獣人理解を深めるため、越冬は毎年アヴァロンで過ごすとされる心算であるよう。
それならば、この地に家庭を持ち、獣人の夫を持つ身は有利にも働くことでしょう。
どうかそれを大いに利用していただきたい。
「越冬の全てに同行してほしいと思っていますよ。できることなら。
職務だというのに、そんなことを考えてしまうくらいには、私は貴女に固執しているのだと、伝えておきます」
言わなければ曲解しますからね、貴女は。
そして、慣れない言葉に戸惑い顔を赤らめる貴女を見るのが、私は楽しい。貴女の中の私の大きさが見えることが、こんなにも心躍ることだとは。
「貴女をまたロアと呼びたい。
ですから次の冬を、心待ちにしておきます」
そう言うと、妻はやはりくすぐったそうに、困ったように、けれど嬉しそうに……こくりと頷きました。
◆
さて。
レイシール様が戻られる春の終わりまでに、我々もしなければならないことが沢山あります。
まずはアヴァロンに住まう石工や大工、土建組合員の代表を呼び集めました。さながら土嚢壁を作った時の様相ですね。
このアヴァロンでの土建組合長はルカです。
貴族に対する礼儀というものをどうにも覚えない彼は、数年前よりこのアヴァロンでの長となりました。ここなら彼も長生きできるでしょうし、これからはこのアヴァロンがセイバーンの中心地となるからです。
石工の代表はシェルト。
大工の代表は比較的若い職人、ルアン。彼は元々、遍歴の職人でございました。
仕事上での付き合いが長い彼らですから、呼び出されたということの意味は理解しているよう。
「んで、今度は何おっ始めようってんだ?」
ルカの発言を否定できないのが甚だ遺憾です。
その言葉に、書類束を脇に寄せたマルが、上の一枚を手に取りました。
マルもこちらのことを調整するため、このアヴァロンに残っておりました。なにせ、彼の頭脳が必要であろう大掛かりな事案なのです。
そのマルが、とてもニコニコとご機嫌なのは、色々な計算をやり尽くした達成感から。この変人は、あらゆる数字を掛け合わせるのが楽しくて仕方がないのです。
そして彼の頭脳は、レイシール様の奇案を可能と判断致しました。
「まあまずはこれを見てください」
持っていた一枚の紙を、ひらひらと弄んでから、座る三人の前に差し出します。
そこには一つの絵が描かれておりました。
サヤ様が、越冬の最中に描いてくださった予想図……。
とはいえ見ただけでは墨で描かれた風景画でしかございません。真っ直ぐ流れる川に、船が行き違うその光景はまだ、この世界に存在しないものです。
その絵が誰の絵かは、三人も理解しておりますから、しげしげと眺めてから……。
「やっぱサヤ坊絵がうめぇな……」
ルカの頭をシェルトが叩きました。
男爵夫人を坊呼ばわりするのはいい加減やめろ。という意味でしょう。
その様子をニコニコと眺めていたマルでしたが、皆の視線がもう一度自分に集まるのを待ってから……。
「その風景画をこの世に再現するために、レイ様はアギーの社交界へと旅立たれました。
そしてそのまま王都に赴き、春の会合に国の新たな新事業として提案する予定です。
主要な交易路はもう整ってきましたし、次がそろそろ必要ですからね」
莫大な資金が動いていた事業は、来年辺りで終了となる予定でございました。
そのため、国の主導する新たな公共事業を提案する……と、いうのが、レイシール様の考えられた、新たな一手。
「次は、川を掘ります」
さも当然と吐かれた言葉に返ったのは、三つ重なった「はぁ⁉︎」という音でした。
0
お気に入りに追加
836
あなたにおすすめの小説
転生悪役令嬢の前途多難な没落計画
一花八華
恋愛
斬首、幽閉、没落endの悪役令嬢に転生しましたわ。
私、ヴィクトリア・アクヤック。金髪ドリルの碧眼美少女ですの。
攻略対象とヒロインには、関わりませんわ。恋愛でも逆ハーでもお好きになさって?
私は、執事攻略に勤しみますわ!!
っといいつつもなんだかんだでガッツリ攻略対象とヒロインに囲まれ、持ち前の暴走と妄想と、斜め上を行き過ぎるネジ曲がった思考回路で突き進む猪突猛進型ドリル系主人公の(読者様からの)突っ込み待ち(ラブ)コメディです。
※全話に挿絵が入る予定です。作者絵が苦手な方は、ご注意ください。ファンアートいただけると、泣いて喜びます。掲載させて下さい。お願いします。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる