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後日談
職を辞す 1
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そうして私のセイバーンでの生活が、再開しました。
戻ってみますと、アヴァロンを去った者もそれなりにおりまして、街の雰囲気もまだ、落ち着いたとは言い難いようでした。
例えば我々と共に職務にあたっていた派遣官や、研修に赴いていた職人ら。セイバーンに仕官しておりました者や、衛兵の中にも……当然のようにあったはずの顔がございません。
前ここにいた頃は普通に会話をしていたはずの方が、私を避け、困ったような視線をこちらに向けてくることもございました。
故郷に呼び戻された者だけでなく、レイシール様に対する不信を叫び自ら去った者もいたようです。
しかしレイシール様は、それらを全て受け入れておりました。
「申し訳ない。
私も貴方が変わったわけではないと分かってはいるのだけれど、不信感を拭えない者のうちのひとりだ」
クロード様にもそのように言われましたが、私としては、特に気にしておりません。
「お気になさらず。我々獣人にとって、重要なのは主の名誉。
貴方がレイシール様を主とされ、忠義を尽くしてくださるならば、私に異存はございませんので」
それよりも大きな懸念事項はいくらでもございます。
まず何よりも問題なのが……。
全く私が役に立たないということです。
◆
身の回りのことは、極力自分で行えるように訓練してきたつもりでした。
しかしやはり、それはまだまだ未熟で、自身の身支度ひとつすらまともに行えませんでした。
「おはようございます」
朝一番、ウォルテールがやって来て、私の身繕いの手助けをしてくださるのですが、それがまず苦痛でした。
極力彼が来るまでに色々を済ませておきたかったのですが、思う量の半分も進まないのです。
「……毎朝お手数をお掛けしますね」
ある朝、自分の不甲斐なさに嫌気がさして謝罪したのですが。
「……いえ。貴方の手脚を奪ったのは、俺の所業なので」
そう言われました。
ウォルテールは、私がセイバーンに戻れないでいる間に、従者見習いとしての道を歩み出しておりました。
獣人である彼を起用されたのは当然レイシール様です。
「ハインという前例があるのだし、気持ちがあるなら挑戦したら良い。やりたいと思うことをやったら良いよ」
と、彼の道を後押ししたそう。
当然読み書き等もままなりませんでしたので、見習いからですが、耳や尾、脚が狼のそれであるウォルテールは、従者として振る舞う以前のことから苦労しているようでした。
私と違い彼は、見るからに獣人なのです。
私には違和感を感じる程度で済んでいる方も、ウォルテールには恐怖心や嫌悪感を抱きます。
人の身体に狼の部位が生えている姿は、やはり奇異であると感じるのでしょう。
そんな、居心地の悪い日々を過ごしているであろうウォルテール。
「……何故、従者をしようと思ったのです?」
獣化できる彼は、獣人の中でも優秀と判断されます。
現状の獣人で、貴族に雇用される者の殆どが獣化できる者であると聞いておりますし、彼も今まで通り、吠狼の一員として過ごせば、今よりはまだ過ごしやすかったかもしれません。
何より彼は、どの獣人よりも獣化を得意としておりますし、体型にも恵まれているのです。
獣化できる獣人として、もう少々高待遇を望めたでしょうに。
私の問いに、ウォルテールは短くなった耳をピクリと震わせました。
そこには銀の飾りがあります。
人の姿であっても狼の特徴を持つ獣人が、きちんと貴族の元で管理されていると証明するために新しく考案された印で、これにより彼が貴族に囲われていることを示しています。
まぁ……獣化できる者はいざという時危険であるから、目の届く範囲で分かりやすく管理しておきたいという、貴族側の考えも透けて見えますし、一概に良いものとは言い難いのですが……。
「……俺は本来なら、斬首に等しい罪を犯してますのを、レイシール様が庇ってくださったから生きています。
彼の方が許されこの地に戻る時も、俺のことは問題になった。実際に貴族を襲っているのに危険だと……。
それを彼の方が、もう自分が俺の主になったと……自分の管理下に置くからと、そういう形で救ってくださったんです。
だから……ちゃんとあの人の管理下にいると示す必要があったのと……」
もごもごと言いにくそうにウォルテールは視線を彷徨わせました。
「……ふ、ふたりの側に、いたかった……。
もしまた、姉ちゃんに会った時にも、俺……。それでも、ちゃんと、抗えるように……」
血の繋がりにより、幼くから姉を主としてきた身です。
レイシール様がウォルテールを庇い、右手を失ったあの時、多分ですが……姉との本能の鎖は絶たれているはず。
それでも姉に再会したら、また気持ちを引っ張られてしまうかもしれない。そんな不安があるのでしょう。
その気持ちは、分からなくもないです……が。
それではレイシール様の負担が増すばかりです。従者となったからには、彼の方に守られるのではなく、守る側に立たねばなりません。
「……持論ですが、獣人は従者に向いていると思うのですよ」
急に話の方向を変えた私に、ウォルテールは不思議そうな視線を向けてきました。
私の非難を甘んじて受ける覚悟であったのかもしれません。確かに、以前の私であれば彼を排除しようとしたでしょう。しかし……。
私は構わず、言葉を続けることに致しました。
「我々獣人は、主を仰ぐことが本能としてありますから。
主の命に従い、行動することを喜びとし、生きる意味とできます。
ですが……。
我々の祖先はきっと、それで失敗したのでしょう」
「……失敗……ですか?」
「はい。獣人が悪魔の使徒と言われることとなった要因は、ただ獣人が利用されたということではなく、やはり理由があったと思うのです」
純粋な獣人に近かったであろう我々の祖先は、ただ従うのみで、その意味をきっと、考慮しなかった。
人の社会構造と獣人のそれに、大きな隔たりがあるなどとは考え付かなかったのかもしれません。
その結果が獣人の地位を貶め、悪魔の使徒となる道へ繋がったのではないかと思うのです。
ですから我々は、同じ過ちに踏み込んではならない。
二千年過去と同じであっては、ならないのです。
「せっかく人の血も持っているのですから……ただ主に従うだけなどという、愚かなことをしてはいけません。
それは指示がなければ動けないと同義ですし、貴方が前の主に傅いていた頃となんら変わらない……。それは、褒められた従者とは申せません。
ウォルテール。レイシール様の従者を目指すならば、貴方は彼の方の心を拾えるようにならなければならないのです」
「…………心……ですか?」
「えぇ。彼の方は、口で言うことと心で言うことが案外違うのですよ」
かつて私も、師であるワドルに言われたのです。
「彼の方の言葉の表面ではなく、心を見つめられるようにならなければなりません。
彼の方の言葉のままを、その通りにこなすのは、貴方も彼の方も、傷付け孤独にすることですから。
難しいことだと思います……。でもどうか、彼の方の心を、掬えるようになってください」
過去から学ばなければいけません。
人は間違う生き物で、それはレイシール様とて同じなのです。
ですから、主に全てを委ねてはいけません。己の責任は己で背負うべきですし、主が間違っているならば諌めなければなりません。
正しい忠義を身につけ、良い従者となってください。そして……。
どうか私の代わりに、彼の方を支えてほしい。
私はもう、盾とはなれそうにありません。
戻ってみますと、アヴァロンを去った者もそれなりにおりまして、街の雰囲気もまだ、落ち着いたとは言い難いようでした。
例えば我々と共に職務にあたっていた派遣官や、研修に赴いていた職人ら。セイバーンに仕官しておりました者や、衛兵の中にも……当然のようにあったはずの顔がございません。
前ここにいた頃は普通に会話をしていたはずの方が、私を避け、困ったような視線をこちらに向けてくることもございました。
故郷に呼び戻された者だけでなく、レイシール様に対する不信を叫び自ら去った者もいたようです。
しかしレイシール様は、それらを全て受け入れておりました。
「申し訳ない。
私も貴方が変わったわけではないと分かってはいるのだけれど、不信感を拭えない者のうちのひとりだ」
クロード様にもそのように言われましたが、私としては、特に気にしておりません。
「お気になさらず。我々獣人にとって、重要なのは主の名誉。
貴方がレイシール様を主とされ、忠義を尽くしてくださるならば、私に異存はございませんので」
それよりも大きな懸念事項はいくらでもございます。
まず何よりも問題なのが……。
全く私が役に立たないということです。
◆
身の回りのことは、極力自分で行えるように訓練してきたつもりでした。
しかしやはり、それはまだまだ未熟で、自身の身支度ひとつすらまともに行えませんでした。
「おはようございます」
朝一番、ウォルテールがやって来て、私の身繕いの手助けをしてくださるのですが、それがまず苦痛でした。
極力彼が来るまでに色々を済ませておきたかったのですが、思う量の半分も進まないのです。
「……毎朝お手数をお掛けしますね」
ある朝、自分の不甲斐なさに嫌気がさして謝罪したのですが。
「……いえ。貴方の手脚を奪ったのは、俺の所業なので」
そう言われました。
ウォルテールは、私がセイバーンに戻れないでいる間に、従者見習いとしての道を歩み出しておりました。
獣人である彼を起用されたのは当然レイシール様です。
「ハインという前例があるのだし、気持ちがあるなら挑戦したら良い。やりたいと思うことをやったら良いよ」
と、彼の道を後押ししたそう。
当然読み書き等もままなりませんでしたので、見習いからですが、耳や尾、脚が狼のそれであるウォルテールは、従者として振る舞う以前のことから苦労しているようでした。
私と違い彼は、見るからに獣人なのです。
私には違和感を感じる程度で済んでいる方も、ウォルテールには恐怖心や嫌悪感を抱きます。
人の身体に狼の部位が生えている姿は、やはり奇異であると感じるのでしょう。
そんな、居心地の悪い日々を過ごしているであろうウォルテール。
「……何故、従者をしようと思ったのです?」
獣化できる彼は、獣人の中でも優秀と判断されます。
現状の獣人で、貴族に雇用される者の殆どが獣化できる者であると聞いておりますし、彼も今まで通り、吠狼の一員として過ごせば、今よりはまだ過ごしやすかったかもしれません。
何より彼は、どの獣人よりも獣化を得意としておりますし、体型にも恵まれているのです。
獣化できる獣人として、もう少々高待遇を望めたでしょうに。
私の問いに、ウォルテールは短くなった耳をピクリと震わせました。
そこには銀の飾りがあります。
人の姿であっても狼の特徴を持つ獣人が、きちんと貴族の元で管理されていると証明するために新しく考案された印で、これにより彼が貴族に囲われていることを示しています。
まぁ……獣化できる者はいざという時危険であるから、目の届く範囲で分かりやすく管理しておきたいという、貴族側の考えも透けて見えますし、一概に良いものとは言い難いのですが……。
「……俺は本来なら、斬首に等しい罪を犯してますのを、レイシール様が庇ってくださったから生きています。
彼の方が許されこの地に戻る時も、俺のことは問題になった。実際に貴族を襲っているのに危険だと……。
それを彼の方が、もう自分が俺の主になったと……自分の管理下に置くからと、そういう形で救ってくださったんです。
だから……ちゃんとあの人の管理下にいると示す必要があったのと……」
もごもごと言いにくそうにウォルテールは視線を彷徨わせました。
「……ふ、ふたりの側に、いたかった……。
もしまた、姉ちゃんに会った時にも、俺……。それでも、ちゃんと、抗えるように……」
血の繋がりにより、幼くから姉を主としてきた身です。
レイシール様がウォルテールを庇い、右手を失ったあの時、多分ですが……姉との本能の鎖は絶たれているはず。
それでも姉に再会したら、また気持ちを引っ張られてしまうかもしれない。そんな不安があるのでしょう。
その気持ちは、分からなくもないです……が。
それではレイシール様の負担が増すばかりです。従者となったからには、彼の方に守られるのではなく、守る側に立たねばなりません。
「……持論ですが、獣人は従者に向いていると思うのですよ」
急に話の方向を変えた私に、ウォルテールは不思議そうな視線を向けてきました。
私の非難を甘んじて受ける覚悟であったのかもしれません。確かに、以前の私であれば彼を排除しようとしたでしょう。しかし……。
私は構わず、言葉を続けることに致しました。
「我々獣人は、主を仰ぐことが本能としてありますから。
主の命に従い、行動することを喜びとし、生きる意味とできます。
ですが……。
我々の祖先はきっと、それで失敗したのでしょう」
「……失敗……ですか?」
「はい。獣人が悪魔の使徒と言われることとなった要因は、ただ獣人が利用されたということではなく、やはり理由があったと思うのです」
純粋な獣人に近かったであろう我々の祖先は、ただ従うのみで、その意味をきっと、考慮しなかった。
人の社会構造と獣人のそれに、大きな隔たりがあるなどとは考え付かなかったのかもしれません。
その結果が獣人の地位を貶め、悪魔の使徒となる道へ繋がったのではないかと思うのです。
ですから我々は、同じ過ちに踏み込んではならない。
二千年過去と同じであっては、ならないのです。
「せっかく人の血も持っているのですから……ただ主に従うだけなどという、愚かなことをしてはいけません。
それは指示がなければ動けないと同義ですし、貴方が前の主に傅いていた頃となんら変わらない……。それは、褒められた従者とは申せません。
ウォルテール。レイシール様の従者を目指すならば、貴方は彼の方の心を拾えるようにならなければならないのです」
「…………心……ですか?」
「えぇ。彼の方は、口で言うことと心で言うことが案外違うのですよ」
かつて私も、師であるワドルに言われたのです。
「彼の方の言葉の表面ではなく、心を見つめられるようにならなければなりません。
彼の方の言葉のままを、その通りにこなすのは、貴方も彼の方も、傷付け孤独にすることですから。
難しいことだと思います……。でもどうか、彼の方の心を、掬えるようになってください」
過去から学ばなければいけません。
人は間違う生き物で、それはレイシール様とて同じなのです。
ですから、主に全てを委ねてはいけません。己の責任は己で背負うべきですし、主が間違っているならば諌めなければなりません。
正しい忠義を身につけ、良い従者となってください。そして……。
どうか私の代わりに、彼の方を支えてほしい。
私はもう、盾とはなれそうにありません。
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