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失った地 1
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早春。
しかし北の地であるここには、まだまだ雪も多く残り、山間へと続く道は閉ざされている場所も多かった。
そんな中の旅人だ。
荒野が隣国からの侵略を受けていたと知らない、内地の住人たちは、この早い時期の来訪者に興味津々の様子。
「ねぇ、やっぱり戦かい?」
痺れを切らしたのだろう。
水の入った樽を荷車に積み込む様子を見守っていたら、近くの細道にあった店のご婦人にそう話し掛けられた。
少し表情が強張っているのは、俺たちを怖いと思う気持ちもあるからだろう。
命のやり取りを仕事にする傭兵は、その日暮らしの者も多く、野盗やごろつきまがいの者もいる。
そして、戦や諍いがあると、どこからともなくそれを嗅ぎつけ、やって来るのだ。
そんな輩にわざわざ声を掛けてきたのは、この先の不安が、それよりも大きいってことだな……。
「まぁそうですね……。でも、思ってたより状況は悪くないようですよ」
にこりと笑ってそう言うと、ちょっと驚いたように瞳を見張るご婦人。
どうやら話ができる相手だと思ったのだろう。ちょいちょいと手招きされ、温かい白湯を出してくれた。
寒いからこれは嬉しい。有り難く左手で受け取って、頂いた。
「あんたら、北の方からきなすったね? あっちは酷かったのかい?」
「んー……」
更に後方に、動く複数人の影があったから、少し声を大きく張り、そちらにも聞こえるように言葉を続ける。
「スヴェトランからの侵入はあったようですけど、そちらも対処はされているようで、ここに来る道中も特別荒れていた地域は無かったです。
国軍の到着も随分早かったようだし……傭兵の仕事は無さそうでしたよ」
「そ、そうなのかい?」
「えぇ」
「そりゃ……せっかく足を伸ばしたのに、残念だったね」
ほっとしたものの……。傭兵稼業の者からしたら、飯の種を逃したことになるわけで。
気分を損ねてしまっては大変だと思ったのだろう。付け足された言葉に、なんのなんのと、言葉を返す。
「国同士の争いごとなど無いにこしたことはないですよ。我々だってほら、仕事は要人警護等の方が有難い」
自分たちが旅の護衛中だと示すと、それはそうかとご婦人も笑う。ホッとしたように息を吐くのも聞こえてきた。
命のやり取りを仕事としているからといって、傭兵も別に、死にたいわけではないのだと気付いたのだろう。
そのついでに、どうやらこの男はそれほど怖くもないようだとも思ったようで……。
「……それにしても、あんたさんは斬り合いしてるよりは、役者でもしてる方が合いそうだけどねぇ」
「俺がですか? いやぁ、そういうのは考えたことなかったなぁ」
「切った張ったは役者さんもよくやるじゃないか」
うーん……やっぱり俺は、傭兵には見えにくいらしい。旅の楽団とかに変装した方が、違和感無かったかもしれないな……。
とはいえ片手で演奏できる楽器って何かあるだろうか……。
そんなことを考えていたら「レイール、どこで油を売ってる」と、少し不機嫌そうな声が。
「あ、すいません」
「何か揉め事か?」
そう言い来たのは十七、八の小柄な少年。ご婦人が首をかしげたのは、その少年が随分と身綺麗な格好をし、偉そうに振る舞っていたからだろう。
いかにも豪商の子息か重役の使用人といった風情だ。
そしてその少年の後方に、これまた綺麗な使用人風の少年がおり、ご婦人はあれまぁという驚きの顔。
この子もまた綺麗な子だわ。女の子かと思った……と、そんな風に考えているのが、ご婦人の表情から見え、潮時かなと、湯呑みを近くの小机に戻した。
「水の確保はできましたよ」
「そう言うならさっさと戻れ」
「あー、はい。それではご婦人、ご馳走になりました。
役者、この仕事にあぶれたら考えてみますよ」
へらりと笑ってそう言い、身なりの良い少年に歩み寄る。
横をすり抜けざま。
「ごめんアイル」
「あまり気安くうろつくな……」
小声で添えられたのは、そんな言葉。
アイルの左後方に控えると、隣の使用人風の少年が、少しむくれている。
美しくて凛々しい我が妻は、やっぱり男装が良く似合うなぁと思わずにはいられない。本日は赤毛のカツラを被って、鼻から頬にかけてそばかすを描いているので、異国人風の顔も然程気にならないのだが、はて、何をすねているんだろう?
そう思い顔を覗き込もうとしたものの、ふいと逸らされてしまった。うーん……。
馬車に戻ると、留守番役を押し付けられた様子のオブシズが、やっと戻ってきたと息を吐いて、俺たちを迎えてくれたのだけど。
「なんでそうフラフラ歩き回る!」
「情報収集だよ。俺は下っ端傭兵役なんだから」
水の買い出しついでだし、せっかく話し掛けてくれたならと思ったんだ。
「変でもなんでも一人で彷徨かない!
一瞬で見えなくなるからヒヤッとしたろうがっ」
彷徨くなって……通り一本入っただけなのに……。
砂色の髪で目元を隠したオブシズは、まばらな無精髭をザリと撫でて、変装するといちいち大胆になるんだよなぁ……と、小言を吐く。
こそこそしてる方が目立つと思うんだけど……。
「手配書が出回ってないからって、俺たちを探している者がいないと決まったわけじゃないんだから。
いっときでも目の届かない場所に入らないでくれ。行くなら言ってからだ」
「心得ました。以後気をつけます」
そう言うと「うん、まぁそうしてくれ」と、オブシズ。
「俺たちの顔を知った者がいるかもしれないし、とにかく慎重にだな……」
「なら余計、一人で歩く方が目立たないのじゃ……」
「…………今の話をどう聞いた?」
はい……。一人で彷徨かないようにします。
神経質になってピリピリしてる方がバレやすいと思うのだけど……。仕方がないかなと肩を竦める。
なにせここはもうオゼロ領内。奇しくも、ハインを失う切っ掛けとなった街だ。
神経質になるなと言う方が難しいのだろう……。
それにしても……俺の手配が回っていないのは、何故だ?
ここはオゼロのなかでも重要な位置づけとなっている街で、物も人もよく出入りがある、賑やかな所だった。
まだ春も走りだというのに、街にはそれなりに人の往来もある。
セイバーンで言うところのメバックと同じ位置付けなのだが……まぁ、規模は三倍以上なので、もう街というより都だな。
そして現在ここは、オゼロ公爵家の主要人物が滞在中とのこと。
公にはされていないが、隣接領地とのやり取りがしやすいよう、この地に赴いているのだと思う。なにせここから距離にして三日ほどの場所が荒野となるのだ。
荒野からの侵略を開始したスヴェトランが、まず狙っていたであろう重要拠点でもあった。
そのためオゼロもここに、前線基地を設けたのだろう。
道中も、交易路沿いには土嚢が積まれ、侵略に備えた準備が進められていた。
おそらくグラヴィスハイド様が、何かしら手を打ってくれたのだろうと思う。荒野からスヴェトランと獣人が攻めてくるなんて荒唐無稽な展開、普通なら歯牙にもかけてもらえないだろうから。
越冬前の逃走中、手配が回っている様子はあったと聞いている。
国からの急使であろう騎士隊を見かけて道を変更したとも聞いたし、神殿騎士団に襲われたことを考えると、ここに話が届いていないとは考えられない。
スヴェトランとの戦に備えて……か? いや、伏せる理由が無いよな……。それとも、もう死んだと思われている?
でも俺だけでなく、サヤや共に逃走した仲間の手配も無いし……?
まぁ、貴族の失態だから、公にはしていないだけだったり、陛下の進めてきた政策の要だから表沙汰にしなかった……とか、その辺りが理由だとは思うのだけど。
山間の死闘が噂にすらなってないのが気になる……。
神殿騎士団とは、殺し合いになる以外の道が無い。
なにより、最後にハインと別れた獣人らも、それが不可避であった雰囲気を感じていたし、微かだが剣戟の音も聞いているのだ。
それとも、隣国との戦の予感で、それどころではないということなのか?
…………ハインが埋葬されているなら、墓を探したかったんだがな……。
望みは薄いだろう。
罪人の死体など、名すら残さず捨てられても文句は言えない。
だからせめて、噂を拾って埋葬の有無だけでも、調べたかったんだが……。
その辺りのことは、エルピディオ様の件を片付けてからとなりそうだった。
しかし北の地であるここには、まだまだ雪も多く残り、山間へと続く道は閉ざされている場所も多かった。
そんな中の旅人だ。
荒野が隣国からの侵略を受けていたと知らない、内地の住人たちは、この早い時期の来訪者に興味津々の様子。
「ねぇ、やっぱり戦かい?」
痺れを切らしたのだろう。
水の入った樽を荷車に積み込む様子を見守っていたら、近くの細道にあった店のご婦人にそう話し掛けられた。
少し表情が強張っているのは、俺たちを怖いと思う気持ちもあるからだろう。
命のやり取りを仕事にする傭兵は、その日暮らしの者も多く、野盗やごろつきまがいの者もいる。
そして、戦や諍いがあると、どこからともなくそれを嗅ぎつけ、やって来るのだ。
そんな輩にわざわざ声を掛けてきたのは、この先の不安が、それよりも大きいってことだな……。
「まぁそうですね……。でも、思ってたより状況は悪くないようですよ」
にこりと笑ってそう言うと、ちょっと驚いたように瞳を見張るご婦人。
どうやら話ができる相手だと思ったのだろう。ちょいちょいと手招きされ、温かい白湯を出してくれた。
寒いからこれは嬉しい。有り難く左手で受け取って、頂いた。
「あんたら、北の方からきなすったね? あっちは酷かったのかい?」
「んー……」
更に後方に、動く複数人の影があったから、少し声を大きく張り、そちらにも聞こえるように言葉を続ける。
「スヴェトランからの侵入はあったようですけど、そちらも対処はされているようで、ここに来る道中も特別荒れていた地域は無かったです。
国軍の到着も随分早かったようだし……傭兵の仕事は無さそうでしたよ」
「そ、そうなのかい?」
「えぇ」
「そりゃ……せっかく足を伸ばしたのに、残念だったね」
ほっとしたものの……。傭兵稼業の者からしたら、飯の種を逃したことになるわけで。
気分を損ねてしまっては大変だと思ったのだろう。付け足された言葉に、なんのなんのと、言葉を返す。
「国同士の争いごとなど無いにこしたことはないですよ。我々だってほら、仕事は要人警護等の方が有難い」
自分たちが旅の護衛中だと示すと、それはそうかとご婦人も笑う。ホッとしたように息を吐くのも聞こえてきた。
命のやり取りを仕事としているからといって、傭兵も別に、死にたいわけではないのだと気付いたのだろう。
そのついでに、どうやらこの男はそれほど怖くもないようだとも思ったようで……。
「……それにしても、あんたさんは斬り合いしてるよりは、役者でもしてる方が合いそうだけどねぇ」
「俺がですか? いやぁ、そういうのは考えたことなかったなぁ」
「切った張ったは役者さんもよくやるじゃないか」
うーん……やっぱり俺は、傭兵には見えにくいらしい。旅の楽団とかに変装した方が、違和感無かったかもしれないな……。
とはいえ片手で演奏できる楽器って何かあるだろうか……。
そんなことを考えていたら「レイール、どこで油を売ってる」と、少し不機嫌そうな声が。
「あ、すいません」
「何か揉め事か?」
そう言い来たのは十七、八の小柄な少年。ご婦人が首をかしげたのは、その少年が随分と身綺麗な格好をし、偉そうに振る舞っていたからだろう。
いかにも豪商の子息か重役の使用人といった風情だ。
そしてその少年の後方に、これまた綺麗な使用人風の少年がおり、ご婦人はあれまぁという驚きの顔。
この子もまた綺麗な子だわ。女の子かと思った……と、そんな風に考えているのが、ご婦人の表情から見え、潮時かなと、湯呑みを近くの小机に戻した。
「水の確保はできましたよ」
「そう言うならさっさと戻れ」
「あー、はい。それではご婦人、ご馳走になりました。
役者、この仕事にあぶれたら考えてみますよ」
へらりと笑ってそう言い、身なりの良い少年に歩み寄る。
横をすり抜けざま。
「ごめんアイル」
「あまり気安くうろつくな……」
小声で添えられたのは、そんな言葉。
アイルの左後方に控えると、隣の使用人風の少年が、少しむくれている。
美しくて凛々しい我が妻は、やっぱり男装が良く似合うなぁと思わずにはいられない。本日は赤毛のカツラを被って、鼻から頬にかけてそばかすを描いているので、異国人風の顔も然程気にならないのだが、はて、何をすねているんだろう?
そう思い顔を覗き込もうとしたものの、ふいと逸らされてしまった。うーん……。
馬車に戻ると、留守番役を押し付けられた様子のオブシズが、やっと戻ってきたと息を吐いて、俺たちを迎えてくれたのだけど。
「なんでそうフラフラ歩き回る!」
「情報収集だよ。俺は下っ端傭兵役なんだから」
水の買い出しついでだし、せっかく話し掛けてくれたならと思ったんだ。
「変でもなんでも一人で彷徨かない!
一瞬で見えなくなるからヒヤッとしたろうがっ」
彷徨くなって……通り一本入っただけなのに……。
砂色の髪で目元を隠したオブシズは、まばらな無精髭をザリと撫でて、変装するといちいち大胆になるんだよなぁ……と、小言を吐く。
こそこそしてる方が目立つと思うんだけど……。
「手配書が出回ってないからって、俺たちを探している者がいないと決まったわけじゃないんだから。
いっときでも目の届かない場所に入らないでくれ。行くなら言ってからだ」
「心得ました。以後気をつけます」
そう言うと「うん、まぁそうしてくれ」と、オブシズ。
「俺たちの顔を知った者がいるかもしれないし、とにかく慎重にだな……」
「なら余計、一人で歩く方が目立たないのじゃ……」
「…………今の話をどう聞いた?」
はい……。一人で彷徨かないようにします。
神経質になってピリピリしてる方がバレやすいと思うのだけど……。仕方がないかなと肩を竦める。
なにせここはもうオゼロ領内。奇しくも、ハインを失う切っ掛けとなった街だ。
神経質になるなと言う方が難しいのだろう……。
それにしても……俺の手配が回っていないのは、何故だ?
ここはオゼロのなかでも重要な位置づけとなっている街で、物も人もよく出入りがある、賑やかな所だった。
まだ春も走りだというのに、街にはそれなりに人の往来もある。
セイバーンで言うところのメバックと同じ位置付けなのだが……まぁ、規模は三倍以上なので、もう街というより都だな。
そして現在ここは、オゼロ公爵家の主要人物が滞在中とのこと。
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そのためオゼロもここに、前線基地を設けたのだろう。
道中も、交易路沿いには土嚢が積まれ、侵略に備えた準備が進められていた。
おそらくグラヴィスハイド様が、何かしら手を打ってくれたのだろうと思う。荒野からスヴェトランと獣人が攻めてくるなんて荒唐無稽な展開、普通なら歯牙にもかけてもらえないだろうから。
越冬前の逃走中、手配が回っている様子はあったと聞いている。
国からの急使であろう騎士隊を見かけて道を変更したとも聞いたし、神殿騎士団に襲われたことを考えると、ここに話が届いていないとは考えられない。
スヴェトランとの戦に備えて……か? いや、伏せる理由が無いよな……。それとも、もう死んだと思われている?
でも俺だけでなく、サヤや共に逃走した仲間の手配も無いし……?
まぁ、貴族の失態だから、公にはしていないだけだったり、陛下の進めてきた政策の要だから表沙汰にしなかった……とか、その辺りが理由だとは思うのだけど。
山間の死闘が噂にすらなってないのが気になる……。
神殿騎士団とは、殺し合いになる以外の道が無い。
なにより、最後にハインと別れた獣人らも、それが不可避であった雰囲気を感じていたし、微かだが剣戟の音も聞いているのだ。
それとも、隣国との戦の予感で、それどころではないということなのか?
…………ハインが埋葬されているなら、墓を探したかったんだがな……。
望みは薄いだろう。
罪人の死体など、名すら残さず捨てられても文句は言えない。
だからせめて、噂を拾って埋葬の有無だけでも、調べたかったんだが……。
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