1,015 / 1,121
反撃の狼煙 3
しおりを挟む
「貴族社会は大を選び小を切り捨てる。
今まで通りを選ぶ可能性が、極めて高い。
例え王家の危機に対する進言を、有難いと受け取ったとしても……ね」
利用はするが、見返りは期待できないと……。
「フェルドナレンに三方向からの進撃がある以上、戦力を三分割することはやむを得ない。
そうなると、この広い荒野に割く兵力は望めないよ……。訴えたところで、ここに兵は派遣されないだろう……」
当初の読み通りの返答。
北の荒野は広大すぎる……。そこに少々兵を派遣したところで焼け石に水。
だからこそ荒野を捨て、防衛戦は内側に敷かれるだろうと、俺たちも判断した。
「無論承知。ですから俺が求めているのは、兵力を割いていただくことではございません」
そう言うと、意外そうな表情をしたのはグラヴィスハイド様だけではなかった。
警備の方々も、オブシズたちもだ。
「…………? では、陛下の御身のためだけの、進言なのかい?」
その言葉に俺はグッと、腹に力を込める。
これが肝心。今回の肝になる。
「国が勝利した暁には、嘗てのお約束である、褒賞をいただきたい……と、そうお伝え願えませんか」
その言葉に、グラヴィスハイド様は瞳を見開き、共の方々は唖然と口を開いた。
国を追われた者が、国に褒賞を願い出るだなんておかしな話だものな。
けれど陛下は、この言葉で思い出すだろう。
嘗て自分自身が、今の地位に立てぬ身であったこと。それを振り切り、国王となった経緯を。
「……その褒賞で、兵の派遣を要請するのかい?」
「いいえ。荒野からの侵略は、『我々』が阻止します。褒賞はその後、俺が職務に戻ってからですね」
戻る気なのか⁉︎ と、警護の方々が、呆気に取られた表情で口を半開きにして、俺を見る。
そりゃ戻るさ。戻らなけばならない……。
「侵略を阻止……できるのか?」
「するつもりです。我々だってフェルドナレンの民だ。国を荒らされることを、快く思うはずがございません」
「……お前はその国に、追われているのに?」
その言葉に俺は肩を竦めてみせた。
「なに、ちょっとした誤解が生じているだけですよ」
そのうえで、左胸の前に、手先の失くなった右腕を添えて居住まいを正す。
本来ならば、右手で心の臓を表すのだけれど……それはもうできない。
けれど俺の誠は、この心臓に賭けて、言葉で伝える。
「私は陛下にお仕えすると任命式で誓いました。その言葉は、今現在においても嘘偽ございません。
私はまだ、陛下の臣。陛下に忠誠を誓っております。
私は今日まで、常にフェルドナレンの未来を、『皆で幸せになれる未来』を模索してきました。
ただその皆は……ここの皆も含む『皆』なのです」
ずっと前から同じ目的なのだ。何も変わっていない。
初めから、そのために俺たちは歩んできた。この時だって、歩みを止めるつもりは無い。
「獣人らだって、フェルドナレンの民なのです。だから、ここを守るために戦う。我々フェルドナレン国民全ての、幸福な未来のために。
そのことをどうか、ご理解いただきたい。目を背けないでいただきたい。そして、それを成し得た時は、良くやったと、讃えていただきたい。
我々は国への忠義を、命を賭けて示します。それを、どうか無いものとして扱わないでほしい……」
獣だと、切り捨てないで……。
「ここの獣人らは、生活の苦しい北の地を支えるため、今までずっと、命懸けでフェルドナレンを支えてきました。
彼らがあったから、今のこの国がある。何百年とそうしてきた獣人らに、これ以上の犠牲を強いる世を、陛下はお望みでしょうか。
獣人を悪にしてきたのは、我々です。そしてこれからはそうしない。そこを正すのも、我々でなければなりません。
そんな豊かな国を作る。それも我々だ。
誰かが犠牲にならなければならない世は、陛下に相応しくございません」
王家だって、その犠牲の一端を担っていた……。
それを陛下は、自覚していらっしゃる。
かつての貴女と同じ立場である者たちを、貴女は切り捨てるのですか? と、貴女の背を押した俺が聞くのだ。
無視しないでくださいね……と。
「それに私は有用ですよ。
今まで以上に、この国を豊かにするとお約束します。
獣人を礎から解き放ったとしても揺るがない、フェルドナレンの新たな礎を、創り上げてご覧に入れましょう。
そのためにはまず、このフェルドナレンが、フェルドナレンでなければならない。
だから褒賞を頂くのは、国の平和を確保し、私が職務に戻った後です」
シンと静まった天幕の中で、パチンと囲炉裏の薪が爆ぜた。
俺が語る間、ただ黙って俺を……俺の色を見ていたグラヴィスハイド様は、ひとつだけ静かに、息を吐いてから……。
「……命乞いをするでもなく、弁明をするでもなく、国の未来の話なのかい?」
と、俺に問うた。
「私にとって今の立場は、取るに足らない瑣末ごとですから」
このために俺は歩んできた。これからも歩むのだ。
そしてそんな平和で幸福な世界が、サヤと俺の、幸せだ。
◆
晩は、幾人かの獣人らも交えての会食を行い、俺の客とだけ説明したグラヴィスハイド様らに子供たちが群がっていたのだが……その光景はなんとも不思議なものだった。
「耳や尾を触っても良いかな?」
「痛くしない?」
「しないよ勿論。……うわぁ……ふかふかだね」
「くすぐったいっ」
「お兄さんは僕らが嫌じゃない?」
「嫌じゃないよ」
「お兄さんの友達のお兄さんも、優しいんだねぇ」
物怖じしない子供らはグラヴィスハイド様に興味津々で群がり、護衛の方々も生きた心地がしない様子であったものの……そのうち段々と、微妙な表情になっていった。
幼子らはただひたすら無邪気。生まれてすぐ捨てられてここに来るから、人の怖さを知らない者も多い。
そして幼い子ほど、その傾向が強い。
最近は特に、交換に出向いた先でも良くしてくれる人がいるものだから……普段以上に警戒の垣根が低かった。
グラヴィスハイド様の表情が、とても柔らかかったことも関係しているだろう。
内面が色で見えてしまうグラヴィスハイド様に、子供らはどう見えているのだろうな。
護衛の方々もはじめはやはり表情が固く、緊張している様子ではあったけれど、武装した大人のいない場所で、子供相手に武器を抜くわけにもいかない。
何より護衛対象のグラヴィスハイド様が率先して子供らに構うものだから、手や口を出しあぐねているようだった。
その戯れる子供らと護衛の方々の間に、耳を一部切り落とされ、身体中が刃物傷だらけのウォルテールが座り、無言で食事を口に掻き込んでいるのを、なんともいえぬ顔で見ている。
まさかアヴァロンでの獣化事件張本人ですよとも言えず、とりあえず放置してたのだけど……。
「海? 見たことあるよ」
「ほんとう⁉︎」
「塩味なの?」
「濃すぎる味がするかな……辛いと言うより、えぐい……苦い?」
「海全部がそんな味なの? お魚は苦くならないの?」
ウォルテールが決して、心穏やかに食事を楽しんでいたわけではないことも、理解していたと思う。
何も言わなくとも、万が一、子供らに危害を加えられぬよう、全身で緊張し、庇う位置に陣取っているのだと。
それでも……子供らの好きにさせているのだと……。
何も知らない……。
この雪原の外を、一度も見たことがない。
そんな子らがいるかと思えば、よく命があったと思わずにはいられないような、傷だらけの者もいる……。
年寄りは存在せず、体の部位を欠損しているのが、俺一人なんてこともなく……。
ここがどういう場所か、その目と耳と身体で、彼らは理解してくれたろう。
今まで通りを選ぶ可能性が、極めて高い。
例え王家の危機に対する進言を、有難いと受け取ったとしても……ね」
利用はするが、見返りは期待できないと……。
「フェルドナレンに三方向からの進撃がある以上、戦力を三分割することはやむを得ない。
そうなると、この広い荒野に割く兵力は望めないよ……。訴えたところで、ここに兵は派遣されないだろう……」
当初の読み通りの返答。
北の荒野は広大すぎる……。そこに少々兵を派遣したところで焼け石に水。
だからこそ荒野を捨て、防衛戦は内側に敷かれるだろうと、俺たちも判断した。
「無論承知。ですから俺が求めているのは、兵力を割いていただくことではございません」
そう言うと、意外そうな表情をしたのはグラヴィスハイド様だけではなかった。
警備の方々も、オブシズたちもだ。
「…………? では、陛下の御身のためだけの、進言なのかい?」
その言葉に俺はグッと、腹に力を込める。
これが肝心。今回の肝になる。
「国が勝利した暁には、嘗てのお約束である、褒賞をいただきたい……と、そうお伝え願えませんか」
その言葉に、グラヴィスハイド様は瞳を見開き、共の方々は唖然と口を開いた。
国を追われた者が、国に褒賞を願い出るだなんておかしな話だものな。
けれど陛下は、この言葉で思い出すだろう。
嘗て自分自身が、今の地位に立てぬ身であったこと。それを振り切り、国王となった経緯を。
「……その褒賞で、兵の派遣を要請するのかい?」
「いいえ。荒野からの侵略は、『我々』が阻止します。褒賞はその後、俺が職務に戻ってからですね」
戻る気なのか⁉︎ と、警護の方々が、呆気に取られた表情で口を半開きにして、俺を見る。
そりゃ戻るさ。戻らなけばならない……。
「侵略を阻止……できるのか?」
「するつもりです。我々だってフェルドナレンの民だ。国を荒らされることを、快く思うはずがございません」
「……お前はその国に、追われているのに?」
その言葉に俺は肩を竦めてみせた。
「なに、ちょっとした誤解が生じているだけですよ」
そのうえで、左胸の前に、手先の失くなった右腕を添えて居住まいを正す。
本来ならば、右手で心の臓を表すのだけれど……それはもうできない。
けれど俺の誠は、この心臓に賭けて、言葉で伝える。
「私は陛下にお仕えすると任命式で誓いました。その言葉は、今現在においても嘘偽ございません。
私はまだ、陛下の臣。陛下に忠誠を誓っております。
私は今日まで、常にフェルドナレンの未来を、『皆で幸せになれる未来』を模索してきました。
ただその皆は……ここの皆も含む『皆』なのです」
ずっと前から同じ目的なのだ。何も変わっていない。
初めから、そのために俺たちは歩んできた。この時だって、歩みを止めるつもりは無い。
「獣人らだって、フェルドナレンの民なのです。だから、ここを守るために戦う。我々フェルドナレン国民全ての、幸福な未来のために。
そのことをどうか、ご理解いただきたい。目を背けないでいただきたい。そして、それを成し得た時は、良くやったと、讃えていただきたい。
我々は国への忠義を、命を賭けて示します。それを、どうか無いものとして扱わないでほしい……」
獣だと、切り捨てないで……。
「ここの獣人らは、生活の苦しい北の地を支えるため、今までずっと、命懸けでフェルドナレンを支えてきました。
彼らがあったから、今のこの国がある。何百年とそうしてきた獣人らに、これ以上の犠牲を強いる世を、陛下はお望みでしょうか。
獣人を悪にしてきたのは、我々です。そしてこれからはそうしない。そこを正すのも、我々でなければなりません。
そんな豊かな国を作る。それも我々だ。
誰かが犠牲にならなければならない世は、陛下に相応しくございません」
王家だって、その犠牲の一端を担っていた……。
それを陛下は、自覚していらっしゃる。
かつての貴女と同じ立場である者たちを、貴女は切り捨てるのですか? と、貴女の背を押した俺が聞くのだ。
無視しないでくださいね……と。
「それに私は有用ですよ。
今まで以上に、この国を豊かにするとお約束します。
獣人を礎から解き放ったとしても揺るがない、フェルドナレンの新たな礎を、創り上げてご覧に入れましょう。
そのためにはまず、このフェルドナレンが、フェルドナレンでなければならない。
だから褒賞を頂くのは、国の平和を確保し、私が職務に戻った後です」
シンと静まった天幕の中で、パチンと囲炉裏の薪が爆ぜた。
俺が語る間、ただ黙って俺を……俺の色を見ていたグラヴィスハイド様は、ひとつだけ静かに、息を吐いてから……。
「……命乞いをするでもなく、弁明をするでもなく、国の未来の話なのかい?」
と、俺に問うた。
「私にとって今の立場は、取るに足らない瑣末ごとですから」
このために俺は歩んできた。これからも歩むのだ。
そしてそんな平和で幸福な世界が、サヤと俺の、幸せだ。
◆
晩は、幾人かの獣人らも交えての会食を行い、俺の客とだけ説明したグラヴィスハイド様らに子供たちが群がっていたのだが……その光景はなんとも不思議なものだった。
「耳や尾を触っても良いかな?」
「痛くしない?」
「しないよ勿論。……うわぁ……ふかふかだね」
「くすぐったいっ」
「お兄さんは僕らが嫌じゃない?」
「嫌じゃないよ」
「お兄さんの友達のお兄さんも、優しいんだねぇ」
物怖じしない子供らはグラヴィスハイド様に興味津々で群がり、護衛の方々も生きた心地がしない様子であったものの……そのうち段々と、微妙な表情になっていった。
幼子らはただひたすら無邪気。生まれてすぐ捨てられてここに来るから、人の怖さを知らない者も多い。
そして幼い子ほど、その傾向が強い。
最近は特に、交換に出向いた先でも良くしてくれる人がいるものだから……普段以上に警戒の垣根が低かった。
グラヴィスハイド様の表情が、とても柔らかかったことも関係しているだろう。
内面が色で見えてしまうグラヴィスハイド様に、子供らはどう見えているのだろうな。
護衛の方々もはじめはやはり表情が固く、緊張している様子ではあったけれど、武装した大人のいない場所で、子供相手に武器を抜くわけにもいかない。
何より護衛対象のグラヴィスハイド様が率先して子供らに構うものだから、手や口を出しあぐねているようだった。
その戯れる子供らと護衛の方々の間に、耳を一部切り落とされ、身体中が刃物傷だらけのウォルテールが座り、無言で食事を口に掻き込んでいるのを、なんともいえぬ顔で見ている。
まさかアヴァロンでの獣化事件張本人ですよとも言えず、とりあえず放置してたのだけど……。
「海? 見たことあるよ」
「ほんとう⁉︎」
「塩味なの?」
「濃すぎる味がするかな……辛いと言うより、えぐい……苦い?」
「海全部がそんな味なの? お魚は苦くならないの?」
ウォルテールが決して、心穏やかに食事を楽しんでいたわけではないことも、理解していたと思う。
何も言わなくとも、万が一、子供らに危害を加えられぬよう、全身で緊張し、庇う位置に陣取っているのだと。
それでも……子供らの好きにさせているのだと……。
何も知らない……。
この雪原の外を、一度も見たことがない。
そんな子らがいるかと思えば、よく命があったと思わずにはいられないような、傷だらけの者もいる……。
年寄りは存在せず、体の部位を欠損しているのが、俺一人なんてこともなく……。
ここがどういう場所か、その目と耳と身体で、彼らは理解してくれたろう。
0
お気に入りに追加
837
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
身内に裏切られた理由~夫に三行半を突きつけられたら姑が奇襲をかけて来ました!
ユウ
恋愛
家事に育児に義祖父母の介護。
日々の忙しさに追われながらもその日、その日を必死に生きて来た。
けれど、その裏で夫は他所に女を作り。
離婚を突きつけられ追い出されそうになったが、娘の親権だけは得ることができたので早々に家を出て二人暮らしを始めた。
ママ友が営む服飾店で働きながらも充実した日々を過ごしながらも、なんとか生活が成り立っていた。
そんなある日、別れた夫の姑が恐ろしい形相で乗り込んで来た。
背後には元夫の実家の顧問弁護士も一緒で、私は娘を奪われるのだと覚悟をしたのだったが…。
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな
恋愛
私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
公爵閣下、私があなたと愛を育むつもりだと思っているのでしたらとんだ勘違いですよ~息子を愛していますので、あなたからの愛は必要ありません~
ぽんた
恋愛
アン・ロックフェラー公爵令嬢は、諦め人生を送っている。王子との運命の婚約に結婚。そして、離縁。将軍であるクレイグ・マッキントッシュ公爵に下賜された再婚。しかし、彼女は息子を得た。最愛の息子レナード(レン)を。国境警備で不在のクレイグに代わり、マッキントッシュ公爵領でレンとすごす日々。この束の間のしあわせは、クレイグが国境警備から帰ってきたことによって打ち砕かれることに。アンは、ふたたび諦めることを決意するのだった。その方がラクだからと。しかし、最愛の息子のため最善を尽くしたいという気持ちと葛藤する。
※ハッピーエンド確約。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる