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変化
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もろもろ一通りが済んだのは三日後。
そうして当たり前に日常がまた始まった。
「もう一日くらい、ゆっくりされてはいかがですか?」
「良いんだ。長く任せてしまったし、正直動いている方が落ち着くから……」
心配そうに顔を覗き込んでくるクロードに、そう答え、次の書類を手元に引き寄せる。
何もしないでいると、父上のことばかり考えてしまう。
意識がなかった父上が、最後に残したのは兄上への謝罪だった……。それだけ後悔されていたのだろうと思うと、俺は父上を苦しめていたのではと、そう考えてしまう。
仕事に追われて父上との時間をあまり得られなかった。きちんと父上を見ていなかったのでは……そんな後悔が止まらなくなるのだ。
勿論、そればかりではなかったと分かっている。
父上が後悔しかない時を過ごしていたなら、それを読み取れなかったとは思わない。そこまで何もできなかったわけじゃないと、思いたい……。
無理やり押し付けられた休憩の時間、俺は外で犬笛を吹いた。
現れたアイルは、全く変化の無い、いつも通りの冷めた表情。
「マルからの連絡はまだ無いのか?」
そう問うと、眉間にキュッと皺を寄せる……。
「……無い……。それより、少々顔色が悪いように見えるが……」
「ちょっと日常を離れていたから、久々仕事に忙殺されて、疲れているだけだよ。
…………もうひとつ、ウォルテールの様子は変わりないかな?」
アイルの返事は変わりないというものだった。その返事には、これといった違和感も無い……。
どうやらあの発言は、俺にだけ伝えられたものである様子だな……。
まぁ、主の命に従おうとする習性を持つ獣人らが、意見してくることなんて稀だろう。
とくに、俺が方針を定め、ローシェンナが同意したとなれば、彼らにとってそれは絶対的なもの……逆らう余地など皆無だものな。
とりあえず、一旦思考を切り替えよう。
今日アイルを呼び出したのは、別の要件があったからだ。
「アイル……マルと連絡を取ってほしい。もう間もなく越冬だし、これ以上は皆の命に関わる」
マルがどこにいるにしろ、十一の月に入ってしまった。越冬までもう時間が無い。
五百年も過去の、異界の民のいた痕跡を探るなんてこと、やはり相当厄介な難題なのだと思う。
「とにかく一度切り上げて戻って欲しい。今回の件が難しいなら、また別に、次の手を考えるから」
「……承諾しかねる。
今手に掛けているものは、二度目が許されない……。それだけ強固な守りの中にある。
多少の犠牲は覚悟の上だ。このまま続けさせてほしい」
獣人は、与えられた役割に固執する。たとえそれが命懸けでも。
だからこそ、俺が歯止めにならなければいけないのだと思うし、獣人でない俺が主となった意味だと思う。
「駄目だ。犠牲を払う前に退きなさい。
……犠牲が出るってことは、相手にも知られてしまうということだろ……。
後々に響くから、そんな作戦は悪手だよ。戦力が減るのも避けたい。そんな状況になる前に、立て直そう。
近日中に連絡を取ってくれ」
「しかし……」
「今回得るべきだった分は、他の手段で取り返す。約束するから」
「…………分かった」
渋々といった様子で、アイルは最後に首肯した。
なんとか取り付けた約束で、少しだけ肩の荷が降りる。
マルや吠狼の皆を失いたくない……。
サヤたち異界の民についての情報を得たいのは山々だけど、命を引き換えにするほどの価値や意味は無いのだ。サヤだってそう言うだろう。
そのまま姿を隠したアイルを見送り、俺も護衛について来ていたシザーを伴い踵を返して、ふと足を止めた。
逆らう余地が皆無……。
にもかかわらず、ウォルテールは否やを伝えに来た……。
特別血の濃い彼が、敢えて命に背いた?
「…………」
何か引っ掛かりを覚えたけれど、とりあえず保留にした。
怒り顔のハインが瞳をギラつかせて、こちらに歩いてきているのを見つけたからだ。
やっ、ヤバい……。
「ハイン……っ、つい今しがたまでアイルが一緒だったんだぞ⁉︎ ほんと、ついさっき、お前とすれ違いざまにだな……」
「そんな言い訳が通用するとお思いで?」
思いません……。
そのまま執務室まで連行され、こっ酷く罵倒されたよね……。
この前何聞いてたんだ。お前頭に蛆でも湧いてんのかと。そういった感じのことをもう若干、穏便な言葉でネチネチと……。そして最後に言い放った一言が。
「私を伴わない外出全てを禁止にします!」
「全てって……」
「不浄場に向かうのも含め全てです!」
「それ融通効かないにも程があるだろ⁉︎」
「いついかなる時も身の危険に配慮した行動を心掛けるというのが当然の立場だと理解できない愚鈍な領主は私が管理しなければ死にます!」
すっごい長い台詞一息で畳み掛けてきやがった。
とりあえずもうしませんからと必死でお願いして許してもらったわけだけど、次は無いと言われた……。
「次やったら強行します」
「………………はい……」
受け入れるしかなかったよね……。
◆
俺がこんな風にお叱りを受ける要因として、従者や武官の不足がある。
サヤが貴族入りし、俺に次ぐ立場となった。
彼女自身が従者であるけれど、じゃあ職務の時は護衛無しで良いのかというと、そんなわけがない。
なので、現在オブシズが小夜の専属武官という扱いになっていた。
まぁ、サヤはサヤ自身が類を見ないほどに手練れだし、とりあえず一人だけ配下を伴っていれば良いとハインに了解を得たのだけど、俺はそこも信用ならないので二名以上が必須です。とのこと。十数年共にいて信用してもらえないという……。
「とはいえ……なぁ」
現在、従者どころか武官までもが文官の真似事をしなければ業務が回らない状況だ。
だから、ルフスもハインもとても忙しくしている。そんなだから、俺もシザーだけで許して欲しいと主張しているのだが……。
「シザーだけ伴って危険に直面したのはどこの誰ですか」
シザーは俺に強く出れないから、いざとなったら頼りにならねぇんだよ……と、凄い怖い顔で言われたため、シザーは縮こまってしまった。
昔のことをネチネチと……。もういい加減時効じゃないのかそれ……。
「だけどお前たちの仕事量も相当だろう? ちょっと席を外すくらいのことに目くじら立てなくても……」
「貴方は思い立って色々やらかすので駄目です」
うううぅぅ、信用が無い……。
現在、宿場建設計画を派遣官らに担当してもらうため、色々と調整をしているのだが、これが済めば少し余裕が出てくるだろう。
だからとりあえず今を乗り切る間だけ弛めないかと主張したのだけど、やっぱり却下だった。
まぁそれで、ハインとルフス、どちらの手も空かない場合も考えられるため、苦肉の策として提案されたのが……。
「この際ですからメイフェイアを女従者に昇進させましょう」
というわけで、見習いだったメイフェイアは正式に従者となった。そしてそこで困ったのは……。
「メイフェイアは良いのですが、セルマは武術的な才能が皆無ですからね……」
メイフェイアは吠狼の獣人であるから、それなりに武術の心得を有していたこともあり、護衛としても申し分ない働きができるのだけど、セルマは元々良いところのお嬢さんだ。
今日まで鍛錬は続けているのだが、武術面の実力は伸び悩んでいる……。
女性というだけで体格的に不利だしな。武器を扱うということは鉄塊を振り回すに等しいのだから、女性には重労働だろう。
自分だけ昇格できないということにセルマは泣きそうな顔で俯いてしまったが、こればっかりはな……男性にだって、武術が得意じゃない人物はいるので、セルマが悪いわけじゃない。
「セルマは、文官に職種替えすべきかもしれませんね……。書類系の仕事は問題無くこなせるのですし」
「やっぱり女性に武術までを求めるのは難しいよな……」
元々が女中であったセルマだもの。戦う能力を求めるのは酷だ。
そんなわけで彼女は、クララと同じく女文官への職種替えが決まった。
そうして当たり前に日常がまた始まった。
「もう一日くらい、ゆっくりされてはいかがですか?」
「良いんだ。長く任せてしまったし、正直動いている方が落ち着くから……」
心配そうに顔を覗き込んでくるクロードに、そう答え、次の書類を手元に引き寄せる。
何もしないでいると、父上のことばかり考えてしまう。
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仕事に追われて父上との時間をあまり得られなかった。きちんと父上を見ていなかったのでは……そんな後悔が止まらなくなるのだ。
勿論、そればかりではなかったと分かっている。
父上が後悔しかない時を過ごしていたなら、それを読み取れなかったとは思わない。そこまで何もできなかったわけじゃないと、思いたい……。
無理やり押し付けられた休憩の時間、俺は外で犬笛を吹いた。
現れたアイルは、全く変化の無い、いつも通りの冷めた表情。
「マルからの連絡はまだ無いのか?」
そう問うと、眉間にキュッと皺を寄せる……。
「……無い……。それより、少々顔色が悪いように見えるが……」
「ちょっと日常を離れていたから、久々仕事に忙殺されて、疲れているだけだよ。
…………もうひとつ、ウォルテールの様子は変わりないかな?」
アイルの返事は変わりないというものだった。その返事には、これといった違和感も無い……。
どうやらあの発言は、俺にだけ伝えられたものである様子だな……。
まぁ、主の命に従おうとする習性を持つ獣人らが、意見してくることなんて稀だろう。
とくに、俺が方針を定め、ローシェンナが同意したとなれば、彼らにとってそれは絶対的なもの……逆らう余地など皆無だものな。
とりあえず、一旦思考を切り替えよう。
今日アイルを呼び出したのは、別の要件があったからだ。
「アイル……マルと連絡を取ってほしい。もう間もなく越冬だし、これ以上は皆の命に関わる」
マルがどこにいるにしろ、十一の月に入ってしまった。越冬までもう時間が無い。
五百年も過去の、異界の民のいた痕跡を探るなんてこと、やはり相当厄介な難題なのだと思う。
「とにかく一度切り上げて戻って欲しい。今回の件が難しいなら、また別に、次の手を考えるから」
「……承諾しかねる。
今手に掛けているものは、二度目が許されない……。それだけ強固な守りの中にある。
多少の犠牲は覚悟の上だ。このまま続けさせてほしい」
獣人は、与えられた役割に固執する。たとえそれが命懸けでも。
だからこそ、俺が歯止めにならなければいけないのだと思うし、獣人でない俺が主となった意味だと思う。
「駄目だ。犠牲を払う前に退きなさい。
……犠牲が出るってことは、相手にも知られてしまうということだろ……。
後々に響くから、そんな作戦は悪手だよ。戦力が減るのも避けたい。そんな状況になる前に、立て直そう。
近日中に連絡を取ってくれ」
「しかし……」
「今回得るべきだった分は、他の手段で取り返す。約束するから」
「…………分かった」
渋々といった様子で、アイルは最後に首肯した。
なんとか取り付けた約束で、少しだけ肩の荷が降りる。
マルや吠狼の皆を失いたくない……。
サヤたち異界の民についての情報を得たいのは山々だけど、命を引き換えにするほどの価値や意味は無いのだ。サヤだってそう言うだろう。
そのまま姿を隠したアイルを見送り、俺も護衛について来ていたシザーを伴い踵を返して、ふと足を止めた。
逆らう余地が皆無……。
にもかかわらず、ウォルテールは否やを伝えに来た……。
特別血の濃い彼が、敢えて命に背いた?
「…………」
何か引っ掛かりを覚えたけれど、とりあえず保留にした。
怒り顔のハインが瞳をギラつかせて、こちらに歩いてきているのを見つけたからだ。
やっ、ヤバい……。
「ハイン……っ、つい今しがたまでアイルが一緒だったんだぞ⁉︎ ほんと、ついさっき、お前とすれ違いざまにだな……」
「そんな言い訳が通用するとお思いで?」
思いません……。
そのまま執務室まで連行され、こっ酷く罵倒されたよね……。
この前何聞いてたんだ。お前頭に蛆でも湧いてんのかと。そういった感じのことをもう若干、穏便な言葉でネチネチと……。そして最後に言い放った一言が。
「私を伴わない外出全てを禁止にします!」
「全てって……」
「不浄場に向かうのも含め全てです!」
「それ融通効かないにも程があるだろ⁉︎」
「いついかなる時も身の危険に配慮した行動を心掛けるというのが当然の立場だと理解できない愚鈍な領主は私が管理しなければ死にます!」
すっごい長い台詞一息で畳み掛けてきやがった。
とりあえずもうしませんからと必死でお願いして許してもらったわけだけど、次は無いと言われた……。
「次やったら強行します」
「………………はい……」
受け入れるしかなかったよね……。
◆
俺がこんな風にお叱りを受ける要因として、従者や武官の不足がある。
サヤが貴族入りし、俺に次ぐ立場となった。
彼女自身が従者であるけれど、じゃあ職務の時は護衛無しで良いのかというと、そんなわけがない。
なので、現在オブシズが小夜の専属武官という扱いになっていた。
まぁ、サヤはサヤ自身が類を見ないほどに手練れだし、とりあえず一人だけ配下を伴っていれば良いとハインに了解を得たのだけど、俺はそこも信用ならないので二名以上が必須です。とのこと。十数年共にいて信用してもらえないという……。
「とはいえ……なぁ」
現在、従者どころか武官までもが文官の真似事をしなければ業務が回らない状況だ。
だから、ルフスもハインもとても忙しくしている。そんなだから、俺もシザーだけで許して欲しいと主張しているのだが……。
「シザーだけ伴って危険に直面したのはどこの誰ですか」
シザーは俺に強く出れないから、いざとなったら頼りにならねぇんだよ……と、凄い怖い顔で言われたため、シザーは縮こまってしまった。
昔のことをネチネチと……。もういい加減時効じゃないのかそれ……。
「だけどお前たちの仕事量も相当だろう? ちょっと席を外すくらいのことに目くじら立てなくても……」
「貴方は思い立って色々やらかすので駄目です」
うううぅぅ、信用が無い……。
現在、宿場建設計画を派遣官らに担当してもらうため、色々と調整をしているのだが、これが済めば少し余裕が出てくるだろう。
だからとりあえず今を乗り切る間だけ弛めないかと主張したのだけど、やっぱり却下だった。
まぁそれで、ハインとルフス、どちらの手も空かない場合も考えられるため、苦肉の策として提案されたのが……。
「この際ですからメイフェイアを女従者に昇進させましょう」
というわけで、見習いだったメイフェイアは正式に従者となった。そしてそこで困ったのは……。
「メイフェイアは良いのですが、セルマは武術的な才能が皆無ですからね……」
メイフェイアは吠狼の獣人であるから、それなりに武術の心得を有していたこともあり、護衛としても申し分ない働きができるのだけど、セルマは元々良いところのお嬢さんだ。
今日まで鍛錬は続けているのだが、武術面の実力は伸び悩んでいる……。
女性というだけで体格的に不利だしな。武器を扱うということは鉄塊を振り回すに等しいのだから、女性には重労働だろう。
自分だけ昇格できないということにセルマは泣きそうな顔で俯いてしまったが、こればっかりはな……男性にだって、武術が得意じゃない人物はいるので、セルマが悪いわけじゃない。
「セルマは、文官に職種替えすべきかもしれませんね……。書類系の仕事は問題無くこなせるのですし」
「やっぱり女性に武術までを求めるのは難しいよな……」
元々が女中であったセルマだもの。戦う能力を求めるのは酷だ。
そんなわけで彼女は、クララと同じく女文官への職種替えが決まった。
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